
購買における「プロキュアメント」とは?
購買におけるプロキュアメントとは、どのような意味をもつのでしょうか。概要と、企業での位置づけを紹介します。
調達業務のこと
プロキュアメントとは、製造・販売に必要なあらゆる資材や人員などを調達したり整備したりする業務です。製造業では資材・部品を必要なときまでに、販売業では商品の在庫数に応じて仕入れます。
また、プロキュアメントは資材や商品といった物資の調達だけにとどまりません。ときには生産計画に基づいて人員の調整を行ったり、設備を整えたりすることもあります。
会社の利益を押し上げるために重要
ビジネスの基本は「安く仕入れて高く売ること」といわれています。この実現には、下記のいずれかを行う必要があります。
- ■売価を高く設定する
- ■販売量を増やす
- ■原価を押さえる
高く売れば利益は出やすいですが、顧客離れといったリスクがあります。また、販売量を増やすには的確なマーケティングや積極的な営業が不可欠なため、すぐに効果を実感するのは難しいでしょう。
そこで、3つめの「原価を押さえる」というアクションが重要になってくるのです。プロキュアメントにより資材・商品の調達コストは大きく変わります。そのため、原価の低減による利益は自社の努力次第で大きく左右されるのです。
さらに、プロキュアメントはモノと収支の両方を適切に管理します。モノとカネ、どちらかに偏らないようバランスを取る役割を担っています。
購買におけるプロキュアメントの仕事内容は?
プロキュアメントの主な仕事内容を3つ紹介します。
仕入先の選定・交渉
高品質な資材・商品を安く提供する仕入先を見つけるのは重要です。しかし、高品質・低価格な取引先であっても、仕入れに関わるトラブルが頻繁に起きていては業務に支障をきたしかねません。
そのため、プロキュアメントは仕入先の監査を行うなど、取引先として信頼できる企業かを見極める必要があります。また、仕入先を複数確保してトラブルに備えたり、定期的に新規取引先を開拓したりといった行動も求められます。
資材・商品の価格交渉もプロキュアメントの重要な役割です。仕入先の提示する価格や納期が適正かどうかを判断しなければいけません。そして適正な基準に達していない場合、仕入先と交渉しなければいけません。そのためにも、原価や市場動向だけでなく、納期や品質といった調達に関するさまざまな知識を身に着けることが必要です。
現場への資材供給
プロキュアメントは「必要なモノを必要なタイミングで必要な場所」に供給しなければいけません。そこで、開発・製造といった各部署と連携し、生産計画の詳細を把握しておくことが大切です。生産計画に基づき「いつまでに・何が・いくつ必要なのか」を明確にし、不明な点があれば現場担当者に都度確認しなければいけません。
連絡の行き違いは生産計画に悪影響を与える恐れがあるため、プロキュアメントには高いコミュニケーションスキルが求められます。
仕入先管理
発注した資材・商品が納期どおりに届くように仕入先の管理が大切です。ときには、自社の生産計画の見直しなどで急な納期の変更が発生することもあるでしょう。不測の事態にも柔軟に対応できるよう、仕入先と信頼関係を構築して情報を共有しておくのも管理方法の1つです。
しかし、共有する情報が正確でないと仕入先を混乱させてしまいます。そのため、共有する情報は信頼性の高いものでないといけません。
また、納期の管理だけでなく、仕入先の定期的な評価も行いましょう。経営状態を把握し、必要に応じて仕入先を変更すれば、仕入先の倒産といった事態にも迅速に対応できます。
購買におけるプロキュアメントの仕事を最適化するには?
プロキュアメントは、各部署間のやり取りが多く業務が煩雑です。そのため、購買管理システムを活用して業務を最適化しましょう。直接材・間接材を問わず、さまざまな資材の購買状況(価格・品質など)を可視化できるので、スムーズな納期管理が実現します。
また、各部署との連携が重要なプロキュアメントにとって、リアルタイムな情報のやり取りは業務の要でもあります。そこで、組織で1つのデータベースを共有し、部署ごとに情報が分断されない基盤を構築することも大切です。各システムが連携した環境下なら、プロキュアメント対各部署でスムーズなやり取りが可能です。
この仕組みを活用すれば、調達の計画立案といった業務を効率化することもできます。
プロキュアメントについて理解し、購買・調達業務を最適化!
プロキュアメントとは、製造・販売に必要な資材や人員などを調達する業務です。企業の利益を左右する重要な役割を担っています。仕事内容は以下のとおりです。
- ■現場への資材供給
- ■仕入先の選定、交渉
- ■仕入先管理
プロキュアメントを最適化するには購買管理システムを活用しましょう。その際には、各部署間のシステム連携は必須です。購買におけるプロキュアメントに対する知識を深め、業務の最適化を実現しましょう。
