購買業務で発生しやすい課題
購買業務では、購買先と発注部門が増えすぎて、誤発注や重複発注が発生するケースが多いです。それに伴い、事務処理や運搬費などのコストも増大しています。購買先が被って過剰在庫に陥ることが多く、部署ごとの仕入れ価格もバラバラです。多品種少量発注となるため、少品種大量発注と比べると、どうしても無駄な工数が増えます。
これらの課題が発生するのは、部署ごとに発注業務を行っているのが原因です。そのため最近は、本社で一括管理しようとする動きがあり、購買体制の見直しを行う企業も多いです。しかしそれだと、今度はどこまで本社に業務を負担させるかという課題が発生します。また、児童や外国人労働者の労働規制も強くなっており、担当者の負担は増えるばかりです。
購買業務を効率化する方法
購買業務はどのように効率化すればよいのでしょうか。
1.購買業務方針の策定
購買業務を効率化するには、方針を作り、部署ごとに一貫性を持たせます。特に社内で行う業務と、外部に依頼する業務は分けましょう。一般的に原価構成の大きいものは社内で購買手続きを行い、それ以外は外注化します。購買先が複数ある場合は、品質とコスト面で優秀な企業を1~数社絞りましょう。
2.購買管理システムの活用
購買管理システムは、購買業務を効率化してくれるツールです。伝票や振込依頼書の作成、購買先の一元管理など、業務効率化に必要な機能が網羅されています。
すべての部署で情報を共有でき、「複数の購買先から一社を絞り込む」といったことも可能です。購買活動が可視化されるため、社内外のコスト負担も把握できます。特に、多品種少量発注である間接材の購入が効率化されるでしょう。
機械と人力の作業分担が明確になることで、社員は価格交渉や購買先選定などの、本来行うべき業務に集中できます。
3.部署間における連携体制の構築
事業規模が大きくなり発注部門が多くなるほど、業務が複雑化し、ミスも発生します。そのため業務効率化には、部署間における連携体制を構築し、情報を共有することが不可欠です。部署ごとに製造~販売工程をフィードバックできると、正確な購買予測が可能になり、在庫管理もやりやすくなるでしょう。
調達部門だけでなく、各部署との連携を強め、一丸となって問題に取り組むことが大切です。
購買業務を効率化する上でのポイント
購買業務を効率化する上で、購買先と自社、それぞれがwinwinの関係になるようにすべきです。
品質やコスト面でメリットがあるのは重要ですが、それ以上に信頼できる購買先とよい関係を築くほうが、長期的な恩恵を得られます。ノウハウを共有し、物流全体を効率化するなどして、購買先と良好な関係を築きましょう。他社貢献を意識すると、購買先の業績が上がり、好待遇を受けられる可能性が高くなります。
購買業務の効率化に成功した事例
購買業務の効率化に成功した事例は多いです。
たとえばある会社は、購買先ごとに異なるフォーマットで取引していたため、価格交渉が困難でした。年数千件の見積もり作業を少人数体制で行っており、担当者の負担が大きかったそうです。
そこで、購買見積電子決裁システムを導入したところ、入力作業が簡略化され、精度の高い見積もりができるようになりました。クラウド管理となったため、メンテナンス作業が減り、担当者の負担も軽減したそうです。
またあるエンジニアリング企業では、注文書や納品書のフォーマットが統一されておらず、発注や納期管理が曖昧でした。発注部門ごとに請求書を取りまとめていたため、本社に支払い実績が届くまで時間がかかっていたそうです。
そこで購買管理システムを導入したところ、業務負荷が平準化され、支払い実績も素早く確認できるようになりました。
購買業務を効率化し、コスト削減を実現!
購買業務は、購買先や商品数が増えると、効率が下がります。そのため、購買業務方針を策定し、部署間の連携を強化することが大切です。部署ごとに情報を共有できたら、誤発注や重複発注などのミスも低減するでしょう。購買管理システムを導入して、業務を自動化するのもおすすめです。
購買先と自社それぞれが得をするように、業務体制そのものを見直しましょう。
購買業務を効率化し、コスト削減を実現してください。