失敗例1.想定外の開発費が発生するケース
購買管理と生産管理が大型のホストコンピュータで稼働しており、ハードウェア及びシステムの保守切れという理由でリプレイスを検討していました。システム上の社内業務仕様やデータに関しては、完璧といって良い程整理されていたため、その仕様とデータを活用できるシステムを選ぶ方針になりました。
これらの情報を元に、複数のシステム開発企業に相見積もりを実施し企業選定をし、システム構成も、時代に合わせWebサーバシステムに変更しました。
しかし、開発をしている途中で、問題が発生しました。ホストコンピュータ時代の機能をWebサーバのシステムで実現する場合、既存データをそのまま使うことができないことが判明したのです。 新たにシステムの一部を開発するか、データの変更を実施するかの選択を迫られることになりました。
どちらにしても、予想外の問題の対応で予算がオーバーしてしまい、その他の機能を削り導入する結果となりました。

失敗例2.稼働後に既存システムとの連携漏れが発覚したケース
ある企業では、購買管理システムを導入しようと社内企画チームを発足させました。最初は、社内業務の把握から始め、経理・生産部門等の各部署へのヒヤリングを何度も重ねました。
次に、全部署から吸い上げた業務を一つ一つ整理するため、模造紙に附箋で整理をしました。付箋紙の内容では、具体的な業務内容が分からない所が多々あった為にブレークダウンを行い、平準化を心がけました。個々の業務を漏れなくでき、要求仕様をチームでまとめあげて社内承認を得ました。
その後、要求仕様を元にシステム開発企業に対して見積もりを依頼し、予算や工数の制約から、システムパッケージにカスタマイズをする方法で開発することになりました。要求通りの仕様の一部を運用でカバーするといった所もありましたが、ほぼ要求通りのシステムが完成し、導入までこぎつけました。
しかし、システム稼働後、問題が発生しました。既存システムとのデータ連携の一部に漏れが発覚しました。ゼロからのシステム利用ではなかったため、既存システムとの連携には十分考慮をしていましたが、システム開発企業に任せていたことに加え、システムパッケージ利用といった事で安心感があり、漏れをチェックすることが出来ませんでした。
失敗例3.導入後の操作に戸惑い業務効率が悪化したケース
あるインターネット関連事業を展開していた企業では、市販されている業務ソフトを利用して業務を行っていましたが、展開するサービスの増加から購買管理の業務が増えてきたことで、業務ソフトが対応できなくなる寸前でした。
それを解決するために、新規に購買管理システムの導入を決定し、さまざまなシステムの調査を実施しました。予算や機能・運用サポートまでの範囲で、一番最適なシステムを選定しました。
しかし、稼働後1ヶ月が経過したころ、業務状況とシステム稼働状況を調査した結果、システムの使い方に社員が戸惑い、導入後の運用サポートで工数が予想以上に増大しているということがわかりました。
導入前に実施した社員教育だけでは内容が足りなかったため、導入後の操作問い合わせやシステム処理のデータ確認が多くなり、結果的に購買改革で得られるメリットよりも工数大きくなってしまったのです。
購買管理システムの導入効果を最大化するために
購買活動は数多くの企業が必須で行う活動の一つです。これを管理する購買管理システムの導入に失敗してしまうと、企業の利益に悪影響が出ることも考えられます。綿密な計画を立てたうえで、自社の求める機能を持つシステムを選定して導入しましょう。
また、購買管理システムの導入効果を最大化できるように以下の記事を参考に確認事項を洗い出しておくと良いでしょう。
