
購買管理における品質管理とは
そもそも品質管理とは、お客様の要求する製品やサービスの品質を維持向上させる業務のことです。品質マネジメントあるいはクオリティマネジメントとも呼ばれます。米国で発達した手法で、日本ではデミング博士(W.E.Deming1900 〜1993年)の講演と指導によって広がりました。デミング博士は、デミング賞という名前の賞が残されているほど、大きな業績を残しています。
1950年〜1975年にかけて、QC(Quality Control)サークル活動が製造業で盛んになりました。工場で品質を向上する小集団活動です。その後、この活動はTQC(Total Quality Control)へと発展します。製造部門のみならず、市場調査、研究、企画・開発、設計、購買、外注、検査、出荷、販売、アフターサービス、その他事務部門など幅広い分野で品質管理が重要視されるようになりました。
購買における品質管理とは、製品を作るために、原材料や部品などの購買品の品質を決定し、チェックと維持をすることです。品質管理は、生産管理システムや購買管理システムに含まれることもありますし、専用のシステムとして提供されることもあります。
ISO9001が求める品質管理とは
1990年代に企業間で増加したのがISOの取得です。ISOとは、International Organization for Standardizationの略で、国際標準化機構と訳されます。ISOにはナンバーが付けられており、品質関係は「ISO9000s」となっています。ちなみに環境に関しては「ISO14000s」でこちらも有名です。
ISOの目的は、世界的な品質レベルの統一と維持で、加盟国は162カ国(2017年末現在)におよびます。審査機関があり、審査に合格することで、一定の品質を持つ企業として認証されます。ISO9001において、企業がお客様の要求する品質・価格・納期の能力を規定しています。
日本企業が競ってISO取得を目指したのは、品質向上はもちろん、お客様からの圧力がありました。お客様がISO取得を取引条件の1つにしたからです。ISOを取得していないと、入札にも参加できない場合もあります。
ISO9001:2015における購買プロセス変更
このISO9001が2015年になって改訂されました。それがISO9001:2015です。
購買に関しては「購買プロセス」に変更がありました。従来、購買に関しては製品製造などにどのような影響を及ぼすかを判断し、必要に応じて品質項目や対処を決めるという規定でした。それがISO9001:2015では「外部から提供される製品およびサービスの管理」となり、規定対象が以下のように具体的に明記されています。
- 規程対象
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- ●製品・サービスが組織独自の製品・サービスに組み込むために、外部提供者から提供される場合
- ●製品・サービスが組織に代わって、外部提供者から直接顧客に提供される場合
- ●プロセスまたはプロセスの一部がプロセスまたは機能を外部提供者から提供される場合
参照:ISO9001:2015規格改正の改正|JICQA審査本部
品質管理をサポートする購買管理システム
それでは購買管理システムは品質管理にどのように貢献するのでしょうか。具体的な機能や目的を紹介します。
購買管理システムとは
購買管理システムとは、生産計画に対して仕入先から原材料などの調達を行う購買業務を効率化するシステムです。その機能の1つに品質管理を行う機能があります。
また、購買管理業務に付随して発生する注文書や仕入れ伝票の作成もシステム内で行うことができ、購買管理業務の効率化につながります。
購買管理システム活用の目的
購買管理システムは購買に関する一連の工程を整備し、見える化します。担当者が独自に行っていると、品質にムラがあったり、材料に起因する不良が発生する場合があります。
購買プロセスを整備し統一することで、製品やサービスの品質レベルの維持を期待できます。購買プロセスの整備と製品やサービスの品質管理が目的といえます。
購買管理システムの主な機能
- ●品質リストの作成とチェック
- 購買プロセスの整備同様に基本的な機能です。発注や受入検査項目をリスト化し、そのチェックを可能とします。
- ●購買先評価
- 購入する取引先を評価・判定します。供給能力、品質、納期、支払条件、経営状況などのリストを作成し登録します。その情報を定期的に更新し、品質の低下を防ぎます。
- ●部門間での情報共有
- 発注、受入、品質管理部門など、購買と品質に関する部門間で情報を共有します。品質の維持と万一不良品の発生した場合の対処をスピード化します。
購買管理システムの機能の詳細は以下の記事を参考にしてください。
購買管理システムの見直しで品質の向上を
購買管理システムの品質管理機能を利用することで、従業員の品質に関する意識改革に成功した事例もあります。品質の面から購買管理システムを見直してみませんか。
