購買管理システムのレビューシェアランキング
レビューシェア率は、導入実績や利用者からの支持の高さを示す指標の一つです。まずは、ITトレンドに寄せられたユーザーレビューのシェアから、購買管理システムの「よく選ばれている製品」を見ていきましょう。
レビューシェアTOP5一覧
今回のTOP5はいずれも、オフィス用品や備品などの間接材の調達業務に特化したタイプです。価格比較やカタログ購買機能を活用し、調達コストを抑えたい企業や、購買プロセスの標準化・効率化を重視する企業から特に支持を集めています。
| 順位 | 製品名 | レビュー件数・シェア | 特徴(要点) |
|---|---|---|---|
| 1位 | ソロエルアリーナ | 57件(29%) | 間接材の集中購買が可能/オフィス用品の調達に強い |
| 2位 | べんりねっと | 37件(19%) | カウネットと連携/消耗品・備品調達に強み |
| 3位 | SOLOEL | 28件(14%) | 購買プロセスを一元化/「Enterprise」「Light」選択可 |
| 4位 | ビズネットの購買管理プラットフォーム | 10件(5%) | 最大5,000万点の商品を購入可能/請求取りまとめも対応 |
| 5位 | モノタロウカタログ連携(パンチアウト)サービス | 10件(5%) | モノタロウを既存システムへ連携/品揃え強化に最適 |
検討企業の関心が高いのはどの製品?【ランキング編】
レビューシェアは“導入企業の評価”を示す指標ですが、資料請求ランキングは、導入を検討している企業の関心度が表れます。
2025年上半期の購買管理システム人気ランキングでは、1位がHi-PerBT 購買管理、2位がGuide(ガイド)、3位がリーナー購買という結果でした。4位には楽々ProcurementII、5位にはintra-mart Procurement Cloudがランクインしています。
レビュー × ランキングを掛け合わせると見えること
- ●レビューの多さ = 「実際に導入され、現場で評価されている製品」
- ●ランキング上位 = 「今まさに検討されている注目製品」
- ●両方強い製品 = 「市場で導入され・選ばれ続けている成熟システム」
購買管理システムの場合、レビューシェア上位にはソロエルアリーナ・べんりねっと・SOLOELなど、間接材の調達に特化したカタログ購買型プラットフォームが多く並びます。これらは日々の発注業務を効率化したい現場からの支持が厚く、「実際の利用者から高評価が集まるタイプ」といえます。
一方、2025年上半期ランキングでは、Hi-PerBT 購買管理・Guide(ガイド)・リーナー購買など、購買プロセス全体を統合管理するスタンダード型が上位に入っています。購買業務の標準化や内部統制、既存システムとの連携を重視する企業から注目されているグループです。
また、ランキングでは上位でありながら、レビュー件数はまだ多くない製品もあります。例えば、リーナー購買のように、UIの使いやすさや機能の新しさ、クラウド前提の運用しやすさなどが評価され、「これから導入したい」と考える企業が増えている“新注目株”と捉えられます。
このように、レビューとランキングを掛け合わせて見ることで、「今広く使われている製品」と「これから選ばれつつある製品」の両方がわかり、自社に合ったタイプをより精度高く判断しやすくなります。
レビューシェアTOP5から見える3つの傾向
レビューシェア上位の製品を並べて見ると、「なぜ選ばれているのか」という理由にはいくつか共通点が見えてきます。ここでは、特に顕著だった3つの傾向を紹介します。
1.間接材のカタログ購買が強いプラットフォーム型が支持されやすい
ソロエルアリーナやべんりねっと、SOLOELのように、オフィス用品や消耗品などの間接材をカタログからまとめて購買できるプラットフォーム型は、「複数の購買チャネルを一本化できる」「現場の担当者でも迷わず発注できる」といった声が多く寄せられています。
とくに、拠点数が多い企業や部門ごとにバラバラに購買している企業では、品目・価格・購買ルールを一本化しやすいプラットフォーム型に人気が集中しやすい傾向があります。誰でも同じルールで調達できることで、ガバナンスの強化とコストの平準化を同時に進められる点が評価されています。
2.「購買の見える化」と「支払・請求の一元管理」を重視する企業が多い
ビズネットの購買管理プラットフォームのように、各種サプライヤーのECサイトと連携しながら、請求の取りまとめや購買実績レポートまで一括管理できる製品には、「支払窓口を集約できた」「購買データを使った分析がしやすい」といった声が目立ちます。
単に発注業務を楽にするだけでなく、購買データを見える化して、拠点横断でのルール統一やコスト管理に活かしたい企業ほど、こうした一元管理型のサービスを選ぶ傾向があります。経理・管理部門を巻き込んだ購買改革を進めたい場合に、レビューが集まりやすいタイプといえるでしょう。
3.既存システムと連携し“発注のしやすさ”を高めるサービスが選ばれやすい
モノタロウカタログ連携(パンチアウト)サービスのように、既存の購買管理システムやERPと連携しながら、モノタロウのカタログをそのまま利用できるサービスには、「カタログで商品を探す時間が減った」「システムとカタログの二重操作がなくなった」といった声が集まっています。
すでに購買管理システムを導入している企業でも、「現場の発注体験をもっとスムーズにしたい」「品揃えを増やしつつ統制も効かせたい」というニーズは根強くあります。そうした企業ほど、パンチアウト連携などを活用して、既存システムを活かしながら使い勝手を高めるサービスを選ぶ傾向が見られます。
タイプ別に見る:シェア動向からわかる“向いている企業像”
レビューシェアのデータをもとにすると、購買管理システムのタイプごとに「向いている企業像」が見えてきます。ここでは、TOP5に入った製品を中心に、タイプ別の傾向を整理します。
■間接材カタログ購買型(ソロエルアリーナ・べんりねっと・SOLOELなど)
- ●オフィス用品や備品など、間接材の購買ボリュームが多い企業
- ●拠点や部門ごとに購買ルールがバラバラで、標準化・集約を進めたい企業
- ●「現場ユーザーが自分で選んで発注する」スタイルを維持しつつ、ガバナンスも強化したい企業
■購買・支払業務一元管理型(ビズネットの購買管理プラットフォームなど)
- ●請求書処理や支払業務にかかる工数を削減したい企業
- ●購買実績をデータで把握し、サプライヤー見直しやコスト分析に活かしたい企業
- ●会計システムとの連携を通じて、経理部門も含めた業務全体の効率化を目指したい企業
■システム連携・拡張型(モノタロウカタログ連携(パンチアウト)サービスなど)
- ●すでに購買管理システムを導入しており、「品揃え」「検索性」「UI」などを強化したい企業
- ●カタログサイトでの見やすさ・探しやすさを重視しつつ、社内ルールに沿った承認フローも維持したい企業
- ●基幹システムや既存のワークフローを大きく変えずに、発注オペレーションを改善したい企業
シェアだけでなく自社に合う購買管理システムを比較しよう
購買管理システムのレビューシェアを見ると、ソロエルアリーナ・べんりねっと・SOLOEL・ビズネットの購買管理プラットフォーム・モノタロウカタログ連携(パンチアウト)サービスなど、人気製品にはそれぞれ選ばれる明確な理由があることがわかります。
しかし、レビューシェア上位だからといって、必ずしも自社にとって最適なシステムとは限りません。重要なのは、自社の購買品目・購買プロセス・組織体制に合うかどうかです。レビューシェアやランキングは判断材料の一つにとどめつつ、以下のような観点で比較検討してみてください。
- ●自社が主に管理したいのは、直接材・間接材のどちらか(あるいは両方)か
- ●カタログ購買・外部カタログ連携・請求一元管理など、どの機能の優先度が高いか
- ●既存の会計・在庫・ERPとの連携がどの程度必要か
- ●拠点数や購買担当者の数を踏まえて、どのレベルのガバナンスや可視化が必要か
ITトレンドでは、主要な購買管理システムの資料をまとめて請求できます。まずは気になる製品の資料を取り寄せ、レビューシェアやランキングだけに頼らず、自社の購買課題に合ったシステムを比較してみてください。複数製品を並べて検討することで、「自社の購買スタイル」にフィットする一本が見えてきます。


