DMCA通報とは?風評被害対策での位置づけ
DMCA通報とは、自社の文章や画像などが無断転載された場合に、著作権侵害を理由としてプラットフォームへ削除などを申し立てる手続きです。風評被害対策にも活用されることがありますが、対象となるのはあくまで著作権侵害です。誹謗中傷や低評価の口コミを理由に利用できる制度ではありません。
DMCA通報の仕組みと対象となるコンテンツ
DMCAは「Digital Millennium Copyright Act(デジタルミレニアム著作権法)」の略で、米国の著作権法にもとづく制度です。Googleをはじめとする各種プラットフォームでは、著作権者から権利侵害の申し立てを受け付ける窓口を設けています。
例えば、自社で作成した記事や写真、イラスト、動画などが第三者のWebサイトへ無断転載されている場合、著作権侵害として申し立てられる可能性があります。申請時には、対象コンテンツを自社が作成・保有していることや、どの部分が侵害されているのかを示す必要があります。
風評被害対策では「著作権侵害コンテンツへの削除手段」として活用する
風評被害への対応方法には、サイト運営者への削除依頼や検索結果への対応、法的手続きなどさまざまな手段があります。そのなかでDMCA通報は、自社コンテンツを無断転載したページなど、著作権侵害が発生している場合に利用できる手段の一つです。
例えば、自社の記事をコピーしたページに誤った情報やネガティブな内容が追加されている場合でも、自社の著作物が無断利用されていれば、著作権侵害の観点から対応できる可能性があります。一方、投稿内容が不快・否定的であるという理由だけではDMCA通報の対象にはなりません。
DMCA通報が有効なケース・対象外となるケース
DMCA通報を利用できるかどうかは、問題となっているコンテンツに著作権侵害があるかで判断します。誹謗中傷や虚偽情報が掲載されていても、自社の著作物が利用されていなければ、原則として別の方法で対応する必要があります。
DMCA通報が有効なケース
自社で制作した文章や画像、イラスト、動画などが、許可なく第三者のWebサイトへ転載されている場合は、DMCA通報を検討できます。記事をほぼそのままコピーしたサイトや、自社で撮影した商品写真を無断利用しているページなどが代表例です。
申し立てを行う際には、自社サイトでの公開ページや制作時のデータなど、著作権者であることを示せる情報を準備しておくことが重要です。また、転載されているページのURLや侵害箇所も記録し、どの著作物がどのように利用されているのかを明確にしましょう。
誹謗中傷や口コミだけではDMCA通報の対象にならない
企業への批判や低評価の口コミ、掲示板への誹謗中傷などは、それ自体が著作権侵害に該当するわけではないため、原則としてDMCA通報では対応できません。こうした投稿は、内容によって名誉毀損やプライバシー侵害、各プラットフォームの利用規約違反など、別の観点から対応を検討します。
具体的には、サイト運営者への削除依頼やプラットフォームの通報機能を利用するほか、必要に応じて発信者情報開示請求などの法的手続きを検討します。問題となっている投稿の内容や権利侵害の種類を整理したうえで、適切な対応方法を選ぶことが重要です。
DMCA通報の具体的な手順|Google・Xの場合
DMCA通報を行う際は、自分が著作権をもつコンテンツと、無断利用されている箇所を明確に示すことが重要です。ここでは、Google検索とX(旧Twitter)を例に、基本的な申請の流れと事前に準備しておきたい情報を解説します。
Google検索へ著作権侵害を申請する
Google検索では、著作権侵害など法的な理由にもとづくコンテンツの削除申請を受け付けています。Googleの案内に沿って対象サービスと申請理由を選択し、権利を侵害しているページのURLや著作物の内容、申請者情報などを入力します。
申請内容が確認され、著作権侵害にもとづく削除が認められた場合は、該当ページがGoogleの検索結果から除外されます。ただし、Google検索から表示されなくなっても、掲載元のWebページ自体が削除されるわけではありません。元ページの削除を求める場合は、サイト運営者やホスティング事業者などへの対応も検討する必要があります。
Xへ著作権侵害を通報する
X(旧Twitter)でも、著作権侵害を報告するための窓口が設けられています。自社の画像や動画などが無断で投稿されている場合は、対象の投稿URLや著作物の情報、権利者の連絡先などを入力して申し立てます。
Xが申請内容を確認し、著作権侵害への対応が必要と判断した場合は、対象コンテンツへのアクセスが制限または削除されることがあります。申請前には対象投稿のURLや画面を保存し、どの著作物がどのように利用されているのかを確認できる状態にしておきましょう。
DMCA通報前に準備しておく情報
申請をスムーズに進めるためには、著作権をもつことや侵害状況を確認できる情報をあらかじめ整理しておくことが重要です。主に以下のような情報を準備します。
- ■自社が公開しているオリジナルコンテンツのURL
- ■無断転載などが行われているページや投稿のURL
- ■侵害されている文章・画像・動画などの具体的な箇所
- ■制作データや公開時期など、権利者であることを確認できる情報
- ■申請者・権利者の氏名や連絡先
特に、申請対象はサイトのトップページではなく、問題となっているコンテンツを確認できる具体的なURLで示します。複数のページや投稿で無断利用されている場合は、それぞれのURLと証拠を整理しておくと対応しやすくなります。
ITトレンドでは、風評被害対策に役立つ製品・サービスを多数比較・掲載しています。自社での監視や削除対応に負担を感じている場合は、専門サービスの活用も選択肢の一つです。たった1回の入力(約60秒)で複数の風評被害対策サービスへ一括資料請求できるため、機能や対応範囲、費用を効率よく比較できます。
不当なDMCA通報を受けた場合の対処法
DMCAの仕組みにより、自社のコンテンツが著作権侵害として通報され、削除やアクセス制限を受ける場合もあります。申請内容に誤りがあると考えられる場合は、通知内容を確認したうえで、異議申し立てなどの対応を検討します。
まずは削除理由と申請内容を確認する
著作権侵害に関する通知を受けたら、まず対象となったコンテンツと申立内容を確認しましょう。どの著作物について、どのような権利侵害が指摘されているのかを把握することが重要です。
あわせて、コンテンツの制作データや公開日時、ライセンス・利用許諾に関する資料など、自社が適法に利用していることを確認できる証拠を保全します。通知を受けた段階ですぐに再投稿するのではなく、状況を整理してから対応しましょう。
誤った削除であれば異議申し立てを検討する
著作権侵害に該当しないにもかかわらずコンテンツが削除されたと考えられる場合は、プラットフォームが用意する異議申し立てやカウンターノーティスなどの手続きを検討できます。
ただし、カウンターノーティスは単なる問い合わせではなく、法的な意味をもつ手続きです。申請内容や連絡先が相手方へ共有される場合もあるため、内容を十分に確認したうえで行う必要があります。権利関係が複雑な場合や判断が難しい場合は、弁護士などの専門家への相談も検討しましょう。
DMCA通報だけに頼らない風評被害対策が重要
DMCA通報で対応できるのは、基本的に著作権侵害が発生しているケースです。企業への誹謗中傷や口コミ、検索結果上のネガティブ情報などを幅広く管理するには、投稿の監視や削除依頼、検索結果への対策などを組み合わせる必要があります。
監視・削除対応・検索結果対策を組み合わせる
風評被害を抑えるためには、まず自社名や製品名に関する投稿を継続的に確認し、問題のある情報を早期に発見できる体制を整えることが重要です。そのうえで、著作権侵害にはDMCA通報、規約違反の投稿にはプラットフォームへの削除依頼など、内容に応じた方法を選択します。
また、検索結果上でネガティブな情報が目立つ場合には、自社サイトや公式情報を充実させるなど、中長期的な情報発信も必要です。一つの手段だけに頼るのではなく、被害の内容や発生場所に応じて対策を組み合わせましょう。
対応に負担がかかる場合は専門サービスも検討する
複数のSNSや口コミサイト、検索結果を継続的に確認し、問題が発生するたびに対応するには一定の工数がかかります。監視対象が多い場合や風評被害が頻繁に発生している場合は、風評被害対策サービスの活用も選択肢です。
サービスを比較する際は、監視対象となる媒体、アラート機能、削除対応の支援範囲、レポート機能、費用などを確認しましょう。自社で対応する業務と外部へ任せる業務を整理したうえで選定すると、自社に適したサービスを見つけやすくなります。
風評被害対策についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
風評被害対策サービスの例
ここでは、監視から削除申請までを支援するサービスの一例を紹介します。DMCA通報を含む削除対応や日々の監視を効率化したい場合の選択肢として、機能や特徴を確認してみてください。
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まとめ
DMCA通報は、自社の著作物を無断転載されたときに、GoogleやSNSへ削除を求める正式な手続きです。コピーサイトや盗用画像への対応で有効な一方、誹謗中傷や口コミそのものには使えません。申請では権利者情報と侵害箇所を正確に伝え、虚偽通報を受けた際は異議申し立てなどで冷静に対処します。DMCA通報は削除を担う一手段と位置づけ、監視や検索結果の改善と組み合わせることが重要です。自社での対応が難しい場合は、専門サービスの資料を比較し、課題に合った手段を選びましょう。

