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決算個社IT・インターネット2026年09月14日

【グローバルセキュリティエキスパート株式会社(証券コード:4417)徹底解説】2027年3月期 第1四半期──全サービス伸長で第1四半期最高益

【グローバルセキュリティエキスパート株式会社(証券コード:4417)徹底解説】2027年3月期 第1四半期──全サービス伸長で第1四半期最高益

グローバルセキュリティエキスパート株式会社(証券コード:4417)は、サイバーセキュリティに特化した専門企業です。企業の情報通信ネットワークを不正侵入や情報漏洩、ウイルス感染などから守るサービスと、セキュリティ人材の育成を事業の柱としています。準大手・中堅・中小企業を主な顧客層としている点が特徴です。

2027年3月期第1四半期の売上高は27億72百万円(前年同期比+23.9%)、営業利益は4億99百万円(同+41.7%)となりました。経常利益は4億92百万円(同+54.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億21百万円(同+60.9%)です。すべてのサービスが伸長し、純利益は第1四半期として過去最高を更新しました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【グローバルセキュリティエキスパート株式会社(証券コード:4417)徹底解説】準大手・中堅・中小企業向けセキュリティ需要を捉える成長企業

1. 今期スタートを取り巻く市場環境

同社は決算短信で、AIの急激な進化を背景にサイバー攻撃がさらに活発化・高度化したと説明しています。サイバー攻撃によるシステム障害で、企業活動が深刻な被害を受けるケースも頻発しました。攻撃の手口が変わるなかで、企業に求められる対策の範囲は広がり続けています。

企業側でもビジネスへのAI導入が急速に進み、新たなリスクが生まれています。同社は、AIの誤用や情報漏洩、AIガバナンスの不備といったリスクを挙げています。AIを使う側の管理体制も、セキュリティ対策の対象になりつつあると言えます。

政府も対策強化の動きを強めています。電力・ガス・金融・情報通信・交通などの重要インフラ事業者に対し、AI性能の高度化を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化を要請しました。社会全体でセキュリティ水準を引き上げる流れは、専門サービスを提供する同社にとって追い風になると考えられます。

2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
グローバルセキュリティエキスパート株式会社 2027年3月期 第1四半期決算短信(PDF)

第1四半期の売上高は27億72百万円で、前年同期の22億37百万円から5億34百万円増加しました。増収率は+23.9%です。前期の2026年3月期通期も売上高110億22百万円、前期比+25.2%でしたので、20%を超える成長ペースを維持しています。

営業利益は4億99百万円で、前年同期の3億52百万円から増加し、増益率は+41.7%となりました。営業利益率は18.0%で、前年同期の15.8%から2.2ポイント改善しています。売上総利益率も36.2%と前年同期の33.4%を上回り、原価面での効率化が進んだと見られます。

経常利益は4億92百万円で、増益率は+54.1%と営業段階を上回りました。持分法による投資損失が前年同期の31百万円から2百万円程度に縮小したことが寄与しています。親会社株主に帰属する四半期純利益は3億21百万円、1株当たり四半期純利益は21.42円です。

財政状態は、第1四半期末の総資産が94億60百万円、純資産が44億46百万円です。売掛金及び契約資産が9億53百万円減少した一方、契約負債は3億09百万円増加し24億48百万円となりました。前受けの形で受け取る契約が積み上がっていることがうかがえます。

3. 直近決算の重要ポイント

1つ目のポイントは、すべてのサービスが伸長したと説明されている点です。同社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントですが、セキュリティサービス、教育サービス、専門人材の提供といった複数の領域を持っています。特定のサービスに依存せず、幅広い需要を取り込めていると考えられます。

2つ目は、人件費の増加を吸収して利益率を高めたことです。従業員数の増加に伴って人件費は増えましたが、大幅な増収効果がそれを上回りました。販売費及び一般管理費は5億03百万円と前年同期の3億95百万円から増えていますが、売上総利益の伸びがより大きくなっています。

3つ目は、株主還元の動きです。同社は5月の取締役会決議に基づき、自己株式59,300株を取得しました。取得額は1億99百万円で、第1四半期末の自己株式は8億06百万円となっています。

4. 今期の重点領域と収益構造

通期計画に対する進捗を整理します。会社の通期予想は売上高137億78百万円、営業利益29億39百万円、経常利益29億73百万円、当期純利益19億98百万円です。この予想は4月に公表したものから変更されていません。第1四半期の進捗率は売上高20.1%、営業利益17.0%、純利益16.1%となりました。

第1四半期の目安である25%と比べると、いずれの項目も下回っています。ただし、前期の第1四半期実績は通期実績に対して売上高20.3%、営業利益15.7%でした。同社は下期に売上と利益が偏る傾向があり、今期の進捗は前期とほぼ同じ水準と見られます。

同社の重点は、準大手・中堅・中小企業の旺盛なセキュリティ対策ニーズを捉えることです。企業規模に適したセキュリティサービスを提供し、あわせてIT人材全般を対象にセキュリティ教育サービスを展開しています。さらに、セキュリティ人材を確保したい企業に向けて、専門人材を提供する事業も手がけています。

収益構造の面では、教育やコンサルティングなど、人材の知見を提供するサービスが中心です。そのため人材の採用と育成が成長の前提となり、人件費の増加は避けられません。今回、人件費が増えるなかでも営業利益率が18.0%へ改善した点は、サービスの単価や稼働の効率が高まっていることを示すと考えられます。

5. 業界の注目ポイント

中堅・中小企業に広がるセキュリティ対策

サイバー攻撃の標的は、大企業だけではありません。取引先の中堅・中小企業を踏み台にして、大企業へ侵入を図る攻撃も知られています。サプライチェーン全体での対策が求められるなかで、これまで対策が十分でなかった企業にも投資の必要性が広がっています。

ただし、中堅・中小企業は専任のセキュリティ担当者を置くことが難しいケースが多くあります。大企業向けの高度で高額なサービスは、そのままでは導入しにくいのが実情です。同社が企業規模に適したサービスを提供している点は、この層の需要を取り込むうえで強みになると見られます。

セキュリティ人材の不足と教育需要

セキュリティ対策を進めるうえで、多くの企業が直面するのが人材の不足です。専門人材を外部から採用するのは容易ではなく、社内のIT人材にセキュリティの知識を身につけてもらう取り組みが重要になっています。教育サービスへの需要は、こうした人材不足を背景に高まっていると考えられます。

同社は、広くIT人材を対象としたセキュリティ教育サービスを事業の柱のひとつとしています。教育を通じて顧客企業との接点を持つことで、診断やコンサルティングなど他のサービスへの展開もしやすくなります。人材を育てる事業と、人材を提供する事業を併せ持つ点は、同社の特徴と見られます。

AIの普及がもたらす新たなリスク領域

企業のAI導入が進むほど、従来のセキュリティ対策ではカバーしにくいリスクが増えていきます。AIに社内の機密情報を入力してしまう情報漏洩や、AIの誤った出力による業務上の問題などがその例です。AIを安全に使うためのルールや管理体制を整えるAIガバナンスも、新たな検討課題になっています。

同社は決算短信で、AIの誤用や情報漏洩、AIガバナンスの不備を新たなリスクとして挙げています。こうした領域はまだ対策の手法が確立途上にあり、専門的な知見を持つ企業への相談が増えると考えられます。既存のサービスにAI関連の対策をどう組み込んでいくかが、今後の成長の論点になると見られます。

6. ITトレンド編集部の考察

今回の第1四半期決算は、20%を超える増収と、それを大きく上回る増益を両立した内容でした。売上高27億72百万円(前年同期比+23.9%)に対し、営業利益は4億99百万円(同+41.7%)です。純利益は第1四半期として過去最高となり、好調な滑り出しと考えられます。

通期予想に対する進捗率は売上高20.1%、営業利益17.0%と、数字だけを見れば25%を下回っています。しかし、前期の第1四半期も売上高20.3%、営業利益15.7%の進捗から、通期では増収増益を達成しました。季節性を踏まえれば、今期も計画に沿って推移していると見られます。

注目したいのは、契約負債が24億48百万円まで積み上がっている点です。契約負債は、サービス提供前に受け取った対価などを表す項目で、今後の売上として計上される見込みのものです。この残高が増えていることは、第2四半期以降の売上の見通しを支える材料になると考えられます。

通期予想は売上高が前期比+25.0%、営業利益が同+31.3%と、高い成長を見込む計画です。達成には、需要の拡大に見合う人材の採用と育成を継続できるかが鍵になります。サイバー攻撃の高度化とAIの普及が続くなかで、同社の成長余地は引き続き大きいと見られます。

7. まとめ

  • 2027年3月期第1四半期の売上高は27億72百万円(前年同期比+23.9%)、営業利益は4億99百万円(同+41.7%)
  • 経常利益は4億92百万円(同+54.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億21百万円(同+60.9%)で第1四半期として過去最高
  • 営業利益率は18.0%で、前年同期の15.8%から2.2ポイント改善
  • すべてのサービスが伸長し、人件費の増加を増収効果で吸収
  • 契約負債は24億48百万円で、前期末から3億09百万円増加
  • 自己株式59,300株を1億99百万円で取得
  • 通期予想は売上高137億78百万円(前期比+25.0%)、営業利益29億39百万円(同+31.3%)、当期純利益19億98百万円(同+34.4%)で、期初予想から変更なし
  • 通期予想に対する進捗率は売上高20.1%、営業利益17.0%で、前期の第1四半期とほぼ同水準

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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