サーバ仮想化とは?
サーバ仮想化とは、ソフトウェアによって複数のハードウェアを統合することで、1台のサーバが複数のサーバのように振る舞うことができるようにする技術です。ユーザからは、実際に複数のサーバを活用しているかのように見えます。ベースとなる1台のサーバを「物理サーバ」、仮想化されたサーバを「仮想サーバ」と呼びます。なお、サーバとはサービスを提供するコンピュータのことを指します。
現在さまざまなサーバ仮想化の方法がありますが、最も多く使用されているのは、1つの仮想化ソフトウェアの上で複数のサーバOSを動かす方法です。
例え話をしましょう。Windows用アプリケーションであるWordやExcelなどのOfficeソフトは、Macではライセンスを取得しないかぎり使用できません。では、WindowsOSそのものがMacのハードウェア上で動くようにしたらどうでしょう?アプリケーションはOSと連動して動いているので、WindowsOSがMacで動くとすれば、WordやExcelを使用することができます。ユーザがあたかも複数のパソコンを保持しているかのようです。
このようなことがサーバにも起こります。通常、パソコンと同様に1つのサーバにつき1つのOSが対応しています。サーバ仮想化の技術では、1台の物理サーバ上で複数の仮想マシンを論理的に構築することによって、複数のサーバOSを作動できるような仕組みになっています。したがって、ユーザは1つのサーバ上で複数のサーバOSを使用できる、ということです。
物理サーバと仮想サーバの違い
上記した「物理サーバ」と「仮想サーバ」の違いはなんでしょうか。
物理サーバとは企業のデータなどを管理するような物理的に存在する1つのサーバを指します。物理サーバでは、サーバへの負荷が重くなった場合や、新規にサーバを導入した場合にサーバの台数を増設する必要があります。一方で仮想サーバ(サーバ仮想化)では、ソフトウェアによって複数のハードウェアを統合したり、分割したりできます。ここでいうハードウェアとは、今回紹介しているサーバをはじめ、アプリケーション、ネットワーク、デスクトップやOSなどが含まれます。
以下の記事では、サーバ仮想化の方法について、方式ごとに紹介しています。それぞれの方式のメリットやデメリットについても併せて解説しているので、サーバ仮想化の方法について知りたい方はこちらを記事をご覧ください。
サーバ仮想化によるメリット
サーバ仮想化には、どういったメリットがあるのでしょうか。
サーバ統合によるコストカット
多くのサーバを保持していると、以下のようなコストが掛かってしまいます。
- ・ハードウェア調達コスト
- ・ハードウェア保守コスト
- ・ソフトウェアのライセンスコスト
- ・サーバを置くスペースコスト
- ・電力コスト
サーバ仮想化を導入すると、100台以上あったサーバを5分の1程度に統合できた企業があるほど、サーバ台数を大幅に削減できます。
ハードウェアリソースの効率的な活用
上記の通り、サーバ仮想化を導入すればサーバの使用率を下げられます。サーバはたくさんあるのにフタを開けてみたらあまり使われてなかった、となると、サーバ管理コストが無駄になってしまいます。サーバ仮想化技術では、今まで使用されていなかった分を仮想サーバを立ち上げて使用できます。
古いシステムの継続利用
複数のサーバOSを仮想サーバとして運用できるので、古いOSをにしか対応していないアプリケーションを継続して活用することができます。古いハードウェアで昔のOSを使用しているケースもありますが、古いハードウェアは電力コストを含め、管理コストが高くつきます。新しいハードウェアで使い慣れているアプリケーションを起動できることがポイントです。
サーバ仮想化について理解し、効率的な管理をしよう
サーバ仮想化の大きなメリットは、サーバの管理コストをカットできることです。企業によっては、サーバ仮想化と他の仮想化マシンを組み合わせた導入事例も多くみられます。サーバ管理やアプリケーションの継続使用に悩んでいる方は、一度情報収集してみると良いかもしれません。