SNS運用代行サービスに関わる法律
SNS運用代行サービスを活用する際は、広報施策の一環としてだけでなく、法令遵守の視点が重要です。特に個人情報保護法、著作権法、景品表示法は日常的な投稿にも関わります。ここでは主な法律のポイントをわかりやすく解説します。
個人情報保護法への対応
「個人情報の保護に関する法律」は、氏名やメールアドレスなど特定の個人を識別できる情報の取扱いを定めた法律です。キャンペーン応募や問い合わせ対応をSNS上で行う場合、個人情報の取得目的を明示し、適切に管理する必要があります。
2022年4月施行の改正により、漏えい等が発生した場合の報告義務が明確化されています。SNS運用代行サービスを利用する場合でも、最終的な責任は原則として事業者側にあります。委託先との間で安全管理措置や再委託の範囲を契約で明確にしておくことが重要です。
また、海外事業者を介した取扱いが生じる場合は、国外への提供に関する整理も必要です。サービス選定時にデータの保管場所や管理体制を確認しておくと安心です。
著作権法への対応
「著作権法」は、画像や動画、文章などの創作物を保護する法律です。インターネット上で公開されている素材であっても、原則として著作権が存在します。無断転載や改変はトラブルの原因となります。
SNS運用代行サービスでは、投稿用画像や動画を制作するケースが多くあります。フリー素材の利用条件確認や、撮影時の被写体の肖像権への配慮が欠かせません。第三者が作成したコンテンツを共有する場合も、引用の要件を満たす必要があります。
契約時には、制作物の権利帰属や利用範囲を明確にしておくことが重要です。自社が二次利用できるかどうかは、将来のマーケティング施策にも影響します。
景品表示法への対応
「不当景品類及び不当表示防止法」は、誤認を招く表示や過大な景品提供を規制する法律です。一般に景品表示法とも呼ばれます。SNSキャンペーンや広告投稿でも適用対象となります。
例えば、根拠のない「業界No.1」や効果を保証するような断定的表現は問題となる可能性があります。比較表示を行う場合は、比較対象や調査時点、条件を明示できる状態にしておくことが求められます。
また、インフルエンサー投稿が広告に該当する場合、広告である旨の明示が不十分だと誤認を招くおそれがあります。SNS運用代行サービスが関与する場合でも、表示内容の最終責任は広告主にあるため、事前の確認体制が重要です。
SNS運用代行サービス契約時の確認ポイント
法律を理解するだけでは十分ではありません。SNS運用代行サービスを導入する際は、契約書で責任範囲や権利関係を明確にすることが大切です。ここでは、実務上確認すべきポイントを整理します。
責任範囲の明確化と役割分担
投稿内容の企画から最終承認まで、どこまでを委託するのかを明確にします。事前チェック体制が曖昧だと、問題投稿がそのまま公開されるリスクが高まります。
炎上や法令違反が発生した場合の対応窓口や損害賠償の範囲も確認が必要です。過度な責任転嫁や一方的な免責条項がないかを慎重に読み込みましょう。あらかじめ役割分担を定めておくことで、トラブル発生時の対応が円滑になります。
投稿コンテンツの著作権帰属
制作した画像や動画の著作権がどちらに帰属するかは重要です。自社に帰属するのか、利用許諾のみなのかで活用範囲が変わります。
将来的にWebサイトや広告へ二次利用する可能性がある場合は、利用範囲を広く設定しておくことが望ましいです。契約終了後も利用できるかどうかも確認します。権利関係を整理しておけば、後日の紛争を防げます。
トラブル発生時の対応条項
アカウントの乗っ取りや誤投稿などの緊急事態に備えた条項も必要です。連絡体制や初動対応時間を具体的に定めておくと安心です。
削除要請や法的請求があった場合の協力義務も確認します。証拠保全やログ管理の方法についても合意しておくと実務に役立ちます。こうした条項は、リスクを最小限に抑えるための備えになります。
以下の記事ではSNS運用代行サービスの価格や機能、サポート体制などを、具体的に比較して紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
SNS運用代行サービスで実践するコンプライアンス対策
法律を守るためには、日々の運用体制が重要です。SNS運用代行サービスと連携しながら、社内ルールを整備することでリスクを抑えられます。ここでは、具体的な取り組みを紹介します。
投稿ガイドラインの整備
自社の業種や商品特性に合わせた投稿ガイドラインを策定します。禁止表現や根拠表示の方法を明文化しておくと、担当者の判断にばらつきが出にくくなります。
景品表示法や個人情報保護法の観点を盛り込み、事前チェックフローを定めることが重要です。テンプレートを用意すると確認作業が効率化します。ガイドラインは定期的に見直し、法改正に対応させましょう。
社内教育の実施と法令意識の向上
SNS担当者だけでなく、広報や営業部門にも基礎的な法律知識を共有することが望ましいです。投稿案の提案段階から法令を意識すれば、修正工数を抑えやすくなります。
年に一度の研修や学習コンテンツを活用すると、全社的な理解が進みます。実際の違反事例を学ぶことも有効です。教育体制を整えれば、特定の担当者に依存する状態を防げます。
定期的な投稿監査の実施
過去の投稿内容を定期的に点検する仕組みも重要です。表示根拠の保存状況や個人情報管理の実態を確認します。
外部専門家のレビューを受ける方法もあります。第三者の視点を取り入れることで、見落としに気づきやすくなります。監査結果を次の改善策に反映させれば、継続的なリスク低減が期待できます。
まとめ
SNS運用代行サービスは、効率的な情報発信を支える心強い存在です。しかし、個人情報の保護に関する法律や著作権法、不当景品類及び不当表示防止法などの遵守が前提となります。契約内容や社内体制を整備することで、法的リスクを抑えながら運用しやすくなります。
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