グローバル研修とは
少子高齢化や人口減少にともない、政府(文部科学省)は第2期教育振興基本計画のなかで、「グローバル人材の育成」を目標の1つに掲げました。グローバル人材とは、豊富な語学力やコミュニケーション能力、主体性や積極性、異文化への理解などを身に付けた人材です。幅広い分野で活躍することが求められます。
また、グローバル人材の前提として、日本人としてのアイデンティティをもち、日本文化への深い理解も必要です。グローバル研修では、そんなグローバル人材を育成するための研修を実施します。
グローバル研修の内容例
グローバル研修の内容例を説明します。
語学研修
外国語教育の強化もグローバル研修のうちの1つです。語学研修は、受講者の目的に応じたさまざまな種類があります。短期間で、外国語を話せて、聞き取れるようにしたい人は、集中特訓型の研修があうでしょう。
一方で、グローバルにビジネスを展開するために研修を受けたい人もいます。そのような人は、専門的な英語を幅広く学べる研修が良いでしょう。そのほか、外国語の資格取得を目的とした研修やセミナーもグローバル研修に含まれます。研修を受講するときは、受講者のレベルや目的に応じた研修を受講しましょう。
異文化理解研修
日本と海外、それぞれの文化への理解・知識の習得が目的です。具体的には、コミュニケーションのとり方や人間関係に対する考え方の違いを学ぶ講義や、よくある場面のケーススタディをもとにした実践形式の研修があります。実際に外国人との交流を通して、異文化の理解を深める機会が設けられることもあります。
グローバルマインド研修
グローバルマインド研修とは、異なる社会性の方々と積極的に関わり、共生するための研修です。具体的には、異文化を理解した上で、相手にどのように意見を伝えるか、外国人上司とのコミュニケーションのとり方などを学びます。グローバルマインド研修によって養われる多様性や社会性は、 異文化に限らず、日本人同士でのコミュニケーションにも役立ちます。
国際ビジネスマナー研修
日本で常識と思っていることが、海外では非常識にあたることもあります。国際ビジネスマナー研修では、文化の違いによる習慣や常識などを理解し国際的なビジネスマナーを学びます。
具体的には、身だしなみや、電話応対、挨拶などの基本的な所作やコミュニケーションをはじめ、面談や来訪者への対応などのビジネスシーンでよく使用するマナーも、研修内容に組み込まれています。日本独自の社会的な風習などへの気づきにもなるかもしれません。
グローバル研修を実施するメリット
グローバル研修では、社会性・多様性が養われます。物事を多角的にとらえる視点と柔軟に対応できる力が身に付くことで、社員が大きく成長し、企業の成長にもつながります。
また、社員がグローバル研修を経験しておくことで、将来的に事業を海外に展開するときの即戦力となるでしょう。海外の企業に業務委託する場合も、委託先の担当者との円滑なコミュニケーションが期待できます。
グローバル研修を実施する方法
グローバル研修を実施する方法を説明します。
社内のリソースを使って実施する
グローバル研修を、社内で実施する方法です。会社が必要としている人材の育成にスポットを当てて、研修を実施できるのが利点です。実施形態や時期を会社の都合で柔軟に変更できます。
ただし、社内のリソースで研修を実施するには、グローバル研修に詳しい社員がいることが絶対条件です。そのため、グローバル研修を行った経験のある社員が複数人いて、リソースが揃っている企業に向く方法です。
外部講師を自社へ招いて実施する
ローバル研修の知識が豊富な人材を、講師として自社に招いて研修をする方法です。実施方法や内容、参考資料などを外部の講師と相談して決定します。社内の労力と時間を使わずに、充実した研修を行えます。グローバル研修の経験がない企業でも、安心して研修に取り組める方法です。
外部の研修サービスや公開講座を活用する
eラーニングなどの外部の研修サービスや、公開講座でも研修に参加できます。eラーニングは、インターネットを利用した学習形態です。パソコンなどの端末を介して、いつでもどこでも研修を受けられるため、社員の負担を軽減できるメリットがあります。
一方で公開講座は、外部の企業が主催しているイベントなどの講座に参加することです。研修の準備・実施に時間がかからず、研修費用の削減にも有効です。
グローバル研修とは何かを知って、実施を検討してみよう
グローバル研修とは、グローバル人材を育成するために実施される研修です。実施方法は、以下のとおりです。
- ・社内のリソースを使って実施する
- ・外部講師を自社へ招いて実施する
- ・外部の研修サービスや公開講座を活用する
グローバル研修には、グローバルマインドやマナーなどのいろいろな研修があります。グローバル研修を実践し、社員の成長だけでなく企業の成長につなげましょう。