海外発のアノテーションツールを比較
海外発のアノテーションツールを比較して紹介します。
VoTT
マイクロソフトが提供。MITで開発されたオープンソースで、画像および動画用アノテーションツールです。OSはWidows、Mac、Linuxに対応。データセットはCNTK、PascalVOC、YOLO形式で出力できます。マウス操作で容易にアノテートできます。主な機能は以下のとおりです。
- ・画像やビデオフレームにラベルをつける
- ・ローカルまたはクラウドストレージプロバイダーからデータをインポート
- ・ラベル付きデータをローカルまたはクラウドストレージプロバイダーへエクスポート
Labelbox
Labelboxが提供。一定の利用量まで無料で使える、画像用アノテーションツールです。主な機能は以下のとおりです。
- ・物体検出を行うためのバウンディングボックス
- ・画像の画素にタグ付けを行うポリゴン
- ・関節点で人間を検出するポイント
PascalVOC、COCO形式に変換する機能があります。複数のラベリング作業員に直接確認および調整でき、プロジェクト全体の管理が容易です。自動ラベリングを行い、手動ラベリングを効率的に行えます。
labelImg
GitHubが提供。MITで開発され無料で公開されている画像用アノテーションツールです。Linux、macOS、Windowsに対応。データセットはPascalVOC、YOLO、CreateML形式をサポートしています。物体検出のためのバウンディングボックス機能があります。一度出力したxmlファイルを自動的に再読み込みしてくれる機能があり、別の物体検出システムの出力結果をPascal VOCフォーマットで保存すれば、画像のアノテーション処理を半自動化することが可能です。
labelme
GitHubが提供。Windows、macOS、Ubuntuに対応する、MITで開発された画像用アノテーションツールです。Webブラウザ上で使用できます。GUIのためマウスでの簡単操作が可能です。主な機能は以下のとおりです。
- ・画像認識
- ・物体検出
- ・セマンティックセグメンテーション
- ・インスタンスセグメンテーション
ラベル・フラグ、自動保存、ラベル検証などGUIのカスタマイズができ、VOC形式とCOCO形式のデータセットへのエクスポート機能があります。
Annotorious
GitHubが提供。MITで開発されたオープンソースで、Webベースの画像用アノテーションツールです。JavaScriptを数行書くだけで、画像に描画、コメント、ラベル付けが可能です。独自のアノテーションツールを構築するための、JavaScript APIを備えています。カスタマイズ可能で、CSSでルック&フィールを変更したり、独自のプラグインやエディタ拡張機能を構築したりできます。
COCO Annotator
GitHubが提供。MITで開発されたオープンソースで、Webベースの画像用アノテーションツールです。主な機能は以下のとおりです。
- ・COCO形式にエクスポートおよびインポート
- ・オブジェクトのセグメンテーション
- ・キーポイントの追加
- ・データ分析に役立つAPI
- ・セグメントに任意の数のラベル付け
- ・カスタマイズされたメタデータ付与
VGG Image Annotator (VIA)
オックスフォード大学が提供。画像、音声、映像に使用できる手動のアノテーションツールです。HTML、Javascript、CSSだけで開発されたオープンソースです。Webブラウザで実行され、インストールやセットアップの必要がありません。物体検出が可能で、複雑なバウンディングボックスを作成できる特徴があります。独自形式のJSONあるいはCSV形式に出力できます。
国産のアノテーションツールを比較
国産のアノテーションツールを比較して紹介します。
FastLabel
FastLabel株式会社が提供。日本語に対応したアノテーションツールです。画像や動画、テキスト、音声などのアノテーションがWeb上から可能です。端末へのインストールは必要ありません。データセットはYOLO、COCO、PascalVOC、VoTT、labelme形式に対応しています。アノテーション作業の自動化やアクティブラーニングによって、コスト・期間を削減できます。
AnnoStation
株式会社Orniが提供。初めての人でも使いやすい、WebベースのAIを用いた画像認識専用アノテーションツールです。アノテーションプロジェクト管理を1か所で行うことで、チーム作業が効率化し、高品質なアノテーションデータ作成ができます。迅速なフィードバックにより、一貫したアノテーションが可能です。進捗状況をリアルタイムに把握でき、プロジェクト管理が容易です。
annofab
有限会社来栖川電算が提供。アカウント登録すれば、無料で使用できます。画像や時系列データ用のアノテーションツールです。時系列データとは、動画データのように時間で区切られるデータなどを指します。対応するブラウザは、PC版のGoogle ChromeとMozilla Firefoxです。入力データのファイル形式は、.jpeg、.jpg、.png、.gifです。ラベリング作業員の作業時間や修正回数など、ダッシュボードからいつでも確認できます。
harBest
株式会社APTOが提供。画像、動画、音声用のアノテーションツールです。企業に代わり、データの収集・作成を全国のクラウドワーカーが行います。作成されたデータ品質を自動評価して、質のよいデータのみをフィルタリングで抽出可能です。アノテーション作業の進捗が管理できる機能もあります。氏名、メールアドレスを登録すれば、フリープランが利用できます。
AI Annotation Platform
株式会社コネクティルが提供。国内のサーバを利用し自社開発した、画像用のアノテーションツールです。小規模のプロジェクト用に無料プランが用意されています。アノテーションの主な機能は以下のとおりです。
- ・バウンディングボックス
- ・ポイント
- ・ポリゴン
- ・ライン
さらに、作業管理をWeb上から行える以下の機能があります。
- ・画像上に吹き出しのコメントを入れて質疑応答
- ・ファイルやデータの確認
- ・作業の割り振り
アノテーションサービスの活用もあり!おすすめの会社を比較
アノテーションの代行サービスを提供している会社を比較して紹介します。
《TASUKIアノテーション》のPOINT
- データ収集・加工を代行するアノテーションサクセスサービス
- 品質・スピード・コストに優位性を持ち、AIの精度向上に寄与
- 煩わしさを排除したAIエンジニアのためのSaaSプラットフォーム
「TASUKIアノテーション」は、ソフトバンク株式会社が提供。ソフトバンクのAIモデル開発経験から生まれた独自テクノロジーを用いた、アノテーションの代行サービスです。AI自動アノテーションと専門人材により、高品質でコストを抑えたアノテーションが可能です。以下のような仕組みが用意されています。
- ・Web発注システム:必要事項を選ぶだけで作業マニュアル作成が可能
- ・チャット:顧客と作業者の認識齟齬を早期解決
- ・リアルタイム検品:品質確認の効率化
製品・サービスのPOINT
- お客様もアクセスし、品質や進捗をリアルタイムで確認が可能
- 英語や多言語対応で、コミュニケーションコストを削減
- クラウドソーシングを利用しない徹底したセキュリティ管理
「アノテーション代行サービス」は、株式会社ヒューマンサイエンスが提供。AnnFabを活用したアノテーションの代行サービスです。アノテーションの品質とセキュリティの高さが特徴です。品質向上のため、顧客とリアルタイムでやり取りを行う仕組みを整え、質問に素早く対応して品質のばらつきを最小限に抑えます。セキュリティ強化のため、作業環境の整備、ツールの選定、作業者の教育に力を入れています。
《アノテーションサービス》のPOINT
- テクノロジー活用により効率的にアノテーションが可能
- アノテーションされたデータをウェブ上から簡単に進捗管理できる
- 教師データ作成コストを削減&短期間でAIの精度を改善
「アノテーションサービス」は、FastLabel株式会社が提供するデータの品質保証が付いたアノテーション代行サービスです。顧客と作業者がおなじプラットフォームでコミュニケーションを行い、認識のずれを解消します。アノテーションしたデータをサムネイルで見られ、レビュー効率が向上します。作業者は正しいアノテーションデータを参照して、セルフトレーニングが可能です。
製品・サービスのPOINT
- 7年以上の豊富な経験と国内シェアNo1実績(※)
- アノテーション済み走行画像データセットの販売
- 完全自社グループ内での対応によるセキュリティ対策の徹底
2019年富士キメラ総研のアノテーションサービス部門で国内シェア1位を獲得したのが、株式会社ブライセン提供の「アノテーションマネジメントサービス」です。画像に特化したアノテーションのほか、AIモデルの構築や作業の進め方など、顧客のリクエストに合わせアノテーションに関する提案を行います。トリプルチェックで高い品質を保ち、ベトナム・ミャンマー・カンボジアのBPOセンターで大量のアノテーション作業が行えます。
アノテーションツール・サービスの選び方
アノテーションツール・サービスの選び方を解説します。
アノテーションの目的に合っているか
アノテーションの目的は、AIの教師データを作成することです。自社でどのようなAIモデルを構築するかにあわせて、どのような教師データを与えるか検討が必要です。アノテーションツールは製品により、画像認識・動画認識・自然言語処理のいずれかに強みがあります。下記を踏まえ、目的に応じて選択しましょう。
- ■画像認識・動画認識
- 四角形(バウンディングボックス)や多角形(ポリゴン)で囲い込んだり、塗り絵のように色付け(セグメンテーション)したりして、ラベル付けします。人体の骨格にあわせて関節にポイントを追加して、ラベル付けするものもあります。
- ■自然言語処理
- 自然言語処理では、固有名詞・日付・時刻、特定の文字や文章全体にラベル付けします。
利用予定の出力フォーマットに対応しているか
アノテーションツールによって、出力フォーマットはバラバラです。出力フォーマットは、AIフレームワークに対応しており、AIフレームワークは、Darknet、TensorFlow、CNTKなど多数存在します。AIフレームワークには、AI作成に必要な機能がすべて実装されています。
AIのアーキテクチャが実装され、学習を行えるソフトウェアです。自社で利用するAIフレームワークに対応しているかを確認し、アノテーションツール・サービスを選択してください。中にはツールを使用することで複数の出力形式に対応できるものもあるため、あわせてチェックするとよいです。
操作性に優れているか
アノテーションツールが自動処理した後、複数の作業員が膨大な作業を同時に進めます。管理者は、どの作業員にどのファイルのどこを担当させるかを決め、個別に送る煩雑な作業をしなければなりません。
機能が優れたアノテーションツールには、タスクのアサインや進捗状況が一目でわかるものがあります。煩雑な作業のサポートに有効でしょう。作業員がマニュアルなしで直感的に操作できたり、分からなければすぐ調べられたりするものもあります。操作性に優れたアノテーションツール・サービスを選択してください。
アノテーションツールを比較して、AI開発を前進させよう
アノテーションツール・代行サービスを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- ・アノテーションの目的に合っているか
- ・利用予定の出力フォーマットに対応しているか
- ・操作性に優れているか
自社に最適なアノテーションツール・代行サービスを導入し、AI開発をより前進させましょう。