CO2排出量管理システムを無料で使う方法
CO2排出量管理システムを無料で使う方法はいくつかあります。自社の算定規模や目的に応じて、どの方法が適しているかを見極めることが重要です。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
無料プランを利用する
一部のCO2排出量管理システムには、機能を絞った無料プランが用意されています。拠点数や算定項目に制限はあるものの、Scope1やScope2の基本的な算定を試すには十分な場合があります。
例えば、登録できる事業所数を1件に限定したり、出力できるレポート形式を簡易版のみにしたりする製品が見られます。まずは自社の算定規模に無料プランの上限が合うか確認することが役立ちます。
無料トライアル期間を活用する
期間限定の無料トライアルを提供する製品も多くあります。契約前に実際の操作画面や算定精度を確認できるため、導入後の運用イメージをつかみやすくなります。
トライアル期間は2週間から1か月程度が一般的です。期間内にデータ入力から排出量算定、レポート出力までの一連の流れを試しておくと、有料プラン移行後のミスマッチを避けやすくなります。
オープンソースツールを導入する
専用のクラウドサービスではなく、オープンソースの算定ツールや環境省が公開する算定シートを利用する方法もあります。費用をかけずに基本的な排出量計算が可能です。
ただし、オープンソースツールは操作を自社で完結させる必要があり、算定ロジックの更新や法改正への対応も自社で追う必要があります。専任の担当者を配置できるかどうかが選定の分かれ目になります。操作マニュアルが整備されていないツールもあるため、導入前に社内でどこまで運用できるかを見極めておくことが望ましいです。
無料プランや無料トライアルでできることとできないこと
無料の仕組みは便利ですが、有料プランと比べて対応範囲が異なります。導入前にできることとできないことを整理しておくと、後から機能不足に悩む事態を避けやすくなります。
無料版で確認できる範囲
多くの無料プランでは、電力使用量や燃料使用量といった基本データの入力と、それに基づくCO2排出量の自動計算が可能です。算定結果を簡易なグラフやレポートで確認できる製品もあります。
また、単一拠点や少数の部門であれば、無料の範囲内で年間を通じた排出量の推移を把握できる場合があります。まずは自社データを使って試算し、算定ロジックが自社の事業内容と合うかを確かめることが有効です。入力項目の名称や単位が自社の管理データと一致しているかも、あわせて確認しておくと後の集計作業がスムーズになります。
無料版では対応できない範囲
一方で、複数拠点をまたぐ集計や、サプライチェーン全体を含むScope3の算定は、無料プランでは対応できないことが多くあります。詳細なカテゴリー別内訳の出力も制限される場合があります。
加えて、他システムとのAPI連携や、監査対応を想定した証跡管理機能は有料プラン限定とする製品が一般的です。開示資料として外部に提出する予定がある場合は、対応範囲を事前に確認しておく必要があります。過去データの長期保存や履歴比較といった機能も、無料プランでは省かれていることが多く、複数年度の推移を分析したい場合は注意が必要です。
無料版を利用する際に知っておきたい注意点
無料プランやトライアルを活用する際は、機能面だけでなくデータの取り扱いや利用条件にも注意が必要です。想定外のトラブルを避けるため、契約前に確認しておきたい点を紹介します。
データ入力や算定範囲の制限を確認する
無料プランは登録できる拠点数やデータ件数に上限が設けられていることが一般的です。事業拡大に伴って上限を超えると、有料プランへの切り替えが必要になる場合があります。
算定できる温室効果ガスの種類が二酸化炭素のみに限定され、その他のガスに対応していない製品もあります。将来的にScope3まで算定する予定があるなら、対応範囲をあらかじめ確認しておくことが望ましいです。
セキュリティやサポート体制を確認する
無料プランではサポート窓口の対応時間が短縮されたり、電話サポートが利用できなかったりする場合があります。トラブル発生時の対応スピードに影響する可能性があるため、事前の確認が重要です。
また、入力したデータの保存期間やバックアップ体制も製品によって異なります。無料期間終了後にデータが引き継げるかどうかは、契約前に必ず確認しておく必要があります。無料プランの利用にあたって、社外にデータを持ち出さない前提での運用ルールが定められている製品もあるため、社内の情報管理方針とあわせて確認しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCO2排出量管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
有料プランへの移行を検討すべきタイミング
無料プランで運用を始めた後、事業の状況によっては有料プランへの移行が必要になります。どのようなタイミングで検討すべきか、代表的な2つのケースを紹介します。
算定対象の拠点や部門が増えたとき
事業所や工場が増え、複数拠点のデータを一元管理する必要が出てきた場合は、有料プランへの移行を検討する時期といえます。無料プランの登録上限を超えると、正確な全社集計が難しくなる可能性があります。
拠点ごとに担当者が異なる場合、入力データの形式や単位がばらつくこともあります。有料プランには入力テンプレートの統一機能や承認フローを備えた製品もあり、集計作業の負担軽減が期待できます。
Scope3まで対応が必要になったとき
取引先や投資家からサプライチェーン全体の排出量開示を求められた場合、Scope3算定への対応が必要になります。原材料調達から物流、廃棄までを含む算定は、無料プランの範囲を超えることが一般的です。
Scope3対応をうたう有料プランでは、購入した製品やサービスなど複数のカテゴリーごとに排出量を按分計算できる機能を備えた製品があります。開示資料の作成頻度が高い企業ほど、こうした機能の必要性が高まります。
CO2排出量管理システムの費用相場
有料プランへの移行を検討する際は、費用感をあらかじめ把握しておくことが判断材料になります。ここでは初期費用と月額費用の目安、料金体系の種類を紹介します。
初期費用と月額費用の目安
CO2排出量管理システムの費用は製品や機能範囲によって幅があります。小規模向けのプランであれば月額数万円程度から利用できる製品もあれば、大規模なグループ企業向けに初期費用を要する製品もあります。
費用は登録できる拠点数やユーザー数、Scope3対応の有無によって変動する場合があります。複数の製品を比較し、自社の算定規模に見合った料金体系かどうかを確認することが重要です。
料金体系の種類
料金体系には、月額固定制のほか、拠点数やユーザー数に応じて費用が変動する従量制を採用する製品があります。従量制は小規模から始めて段階的に拡張したい企業に向いている場合があります。
一方、月額固定制は予算管理がしやすい反面、利用規模が小さいうちは割高に感じられることもあります。自社の成長スピードや算定範囲の拡大予定に合わせて、料金体系を選ぶ視点が役立ちます。導入時のサポートやデータ移行作業を別料金とする製品もあるため、見積もり時には初期費用に含まれる範囲まで確認しておくと安心です。
無料プランやトライアルを確認できるCO2排出量管理システム
ここでは、無料プランや無料トライアルの有無を含めて情報収集をしておきたいCO2排出量管理システムを紹介します。まずは資料請求で対応範囲や料金体系を確認してみてください。
アスエネ (アスエネ株式会社)
- 導入実績17,000社以上。AI-OCRでデータ入力工数を大幅削減。
- SBTi/CDP等、高度な気候変動コンサルティングを支援。
- Scope1-3の排出量算定から削減・開示まで対応。
EcoNiPass (ウイングアーク1st株式会社)
- 請求書等から簡単にCO2を算出し可視化
- 取引先とScope3連携する機能
- 実データ活用で製品別CFP算出を簡単に実現
タンソチェック (株式会社タンソーマンGX)
- ISO14064-3/JIS Q 14064-3第三者妥当性確認取得
- 環境省・GHGプロトコル水準準拠。TCFD・SBT認定報告に対応
- CO2算定の知識不要、チャット相談可能。
ScopeX (株式会社TBM)
- 専門知識不要の直感UIで拠点・部門別排出量を統合管理
- データ可視化や出力機能で排出源の優先特定をサポート
- GHGプロトコル準拠でScope3まで算定可能な環境経営基盤を構築
無料のCO2排出量管理システムに関するFAQ
CO2排出量管理システムの無料利用について、よくある質問をまとめました。導入検討の参考にしてください。
- Q1:無料プランだけで温対法の報告に対応できますか。
- 製品によって対応範囲が異なるため、一概にはいえません。報告に必要な様式や項目を無料プランが満たしているか、事前に確認することをおすすめします。
- Q2:無料トライアル終了後、入力データは引き継げますか。
- 製品ごとに仕様が異なります。有料プランへ移行すればそのまま継続できる製品もあれば、再登録が必要になる製品もあるため、契約前の確認が必要です。
- Q3:無料版とオープンソースツール、どちらを選ぶべきですか。
- 算定規模や運用体制によって異なります。サポートを受けながら進めたい場合はクラウド製品の無料プラン、コストを抑えたい場合はオープンソースツールが選択肢になります。
まとめ
CO2排出量管理システムは、無料プランや無料トライアルを活用することで、算定の第一歩を費用をかけずに踏み出せる場合があります。ただし拠点数やScope3対応など制限がある点には注意が必要です。自社の算定規模や将来的な開示要件を踏まえ、無料の範囲で十分か、有料プランへの移行が必要かを見極めて検討を進めてください。

