情報漏えい対策サービスとウイルス対策ソフトの違い
どちらも情報セキュリティ対策に用いられますが、守備範囲と目的は異なります。外部からの攻撃を防ぐのか、内部不正や誤操作まで含めて対策するのかが大きな分かれ目です。まずは基本的な違いを整理しましょう。
対象範囲の違い
ウイルス対策ソフトは、主に外部から侵入する悪意のあるプログラムを検知し、削除することを目的とします。パソコンやサーバをマルウェアから守る役割が中心です。
情報漏えい対策サービスは、社内外へのデータ持ち出しや誤送信、内部不正なども対象に含めます。メール添付ファイルの自動暗号化や外部記憶媒体の利用制限など、情報の流れそのものを管理する点が特徴です。
ウイルス対策ソフトが「侵入防止」に強みを持つのに対し、情報漏えい対策サービスは「持ち出し防止」まで視野に入れた仕組みと言えます。
監視機能の違い
ウイルス対策ソフトは、不審なファイルや通信をリアルタイムで検知します。既知の脅威パターンと照合し、危険な動作を遮断します。
情報漏えい対策サービスでは、ファイル操作やメール送信履歴などのログを記録し、あとから確認できる仕組みを備えることが一般的です。不審な大量ダウンロードや深夜の操作など、行動の異常も把握できます。脅威の検知にとどまらず、事故発生時の原因特定や再発防止まで支援する点が大きな違いです。
内部対策の違い
情報セキュリティ事故の原因には、内部不正や誤操作も含まれます。実際に、内部要因による漏えい事例も報告されています。
ウイルス対策ソフトは外部攻撃対策が中心です。対して、情報漏えい対策サービスは操作制御やログ管理を通じて、内部リスクの低減を図ります。内部統制を強化したい企業に適した仕組みです。
運用目的の違い
ウイルス対策ソフトは、マルウェア感染を防ぐための基本対策として導入されます。多くの企業で標準的に利用されています。
情報漏えい対策サービスは顧客情報や機密情報を扱う企業で、より高度な管理を目的に導入される傾向があります。特に、個人情報保護法への対応や取引先からのセキュリティ要件に応える場面で検討されます。
外部脅威への備えが中心ならウイルス対策ソフト、情報管理全体を見直したいなら情報漏えい対策サービスが有力候補になります。
ウイルス対策ソフトの機能やメリット、有料・無料製品の違いを比較しながら紹介しています。自社に合った製品選びの参考にしてください。
情報漏えい対策サービスとアクセス管理ツールの違い
アクセス管理ツールも情報を守るための製品です。しかし、主な役割は「誰がどこにアクセスできるか」を制御することです。情報漏えい対策サービスとは目的と範囲が異なります。
制御範囲の違い
アクセス管理ツールは、利用者ごとに閲覧や操作の権限を設定します。不要なアクセスを防ぐ仕組みです。
情報漏えい対策サービスはアクセス後の操作まで管理します。たとえば、閲覧は可能でもコピーや外部送信は制限する、といった細かな制御が可能です。権限管理に加え、情報の持ち出しそのものを制御できる点が違いです。
ログ管理の違い
アクセス管理ツールでもログ取得は可能ですが、主にログイン履歴やアクセス履歴が中心です。情報漏えい対策サービスでは、ファイルのコピーや印刷、メール送信など、具体的な操作ログを取得します。
これにより、問題発生時の追跡がしやすくなります。監査対応や内部統制強化を重視する企業には、詳細なログ管理が有効です。
分析機能の違い
アクセス管理ツールは、権限管理を効率化するための仕組みです。高度な分析機能は限定的な場合があります。
情報漏えい対策サービスは、異常な操作パターンを検知する分析機能を持つ製品もあります。行動の傾向を可視化し、リスクを早期に把握可能です。データ活用とリスク管理を両立させたい場合に適しています。
導入目的の違い
アクセス管理ツールは、社内システムの利用者管理を効率化したい企業に向いています。人事異動が多い組織でも運用しやすい仕組みです。
情報漏えい対策サービスは、顧客情報や設計図面などの重要データを扱う企業に適しています。万一の事故による信用低下を防ぎたい企業にとって、包括的な対策となります。
情報漏えい対策サービスとEDRの違い
EDRは、端末での挙動を監視する製品です。侵入後の対応を重視する点で特徴があります。情報漏えい対策サービスとは役割が重なる部分もありますが、守る対象と運用目的に違いがあります。
検知対象の違い
EDRは端末内の不審な挙動を検知します。未知の脅威にも対応する設計が特徴です。マルウェアの侵入や不正なプログラム実行など、攻撃そのものを対象とします。
情報漏えい対策サービスは、情報の不適切な取り扱いを検知します。持ち出しや誤送信といった行為が対象です。攻撃検知に強いのがEDR、情報管理に強いのが情報漏えい対策サービスといえます。
監視粒度の違い
EDRはプロセス単位で挙動を監視し、高度な分析により攻撃の兆候を把握します。システム内部で何が起きているかを詳細に追跡できる点が特徴です。
情報漏えい対策サービスはファイルや通信単位で管理し、誰がどのデータを扱ったかを把握できます。操作履歴を中心に可視化する仕組みです。監視の視点が異なるため、補完的に導入されることもあります。
分析深度の違い
EDRは攻撃経路を追跡し、被害範囲を特定します。インシデント対応を支援する設計です。原因究明や封じ込め対応に強みがあります。
情報漏えい対策サービスは、業務上の操作履歴を中心に分析します。内部統制や監査対応を想定した機能が充実しています。目的に応じて選定することが重要です。
活用場面の違い
外部からの高度な攻撃が懸念される企業には、EDRが向いています。特に、標的型攻撃への備えとして検討されます。
情報漏えい対策サービスは、日常業務における情報管理の徹底を図りたい企業に適しています。個人情報や機密情報を多く扱う企業では有効です。社内ルールの遵守状況を可視化したい場合にも役立ちます。
EDRの主要機能やEPPとの違い、導入メリットや選び方をわかりやすく解説しています。価格や口コミ評価も比較しているので、製品選定の参考にしてください。
情報漏えい対策ツールと類似ツールの機能比較
ここまで解説した違いを機能面で整理します。目的や体制に合わせて適切な製品を選ぶことが大切です。以下の比較表を参考に、自社に必要な範囲を確認しましょう。
| 項目 | 情報漏えい対策サービス | ウイルス対策ソフト | アクセス管理ツール | EDR |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 情報持ち出し防止 | マルウェア対策 | 権限管理 | 侵入後対応 |
| 内部不正対策 | 対応可能 | 限定的 | 一部対応 | 限定的 |
| 操作ログ管理 | 詳細に取得 | 限定的 | アクセス中心 | 挙動中心 |
| 向いている企業 | 機密情報を扱う企業 | 基本対策を整えたい企業 | 権限管理を効率化したい企業 | 高度な攻撃対策が必要な企業 |
情報漏えい対策サービスの選定基準
製品選定では、自社の課題や運用体制を明確にすることが重要です。機能の多さだけで判断すると、かえって運用負担が増す可能性もあります。次の観点から整理していきましょう。
自社課題の整理
まずは自社で想定されるリスクを洗い出します。誤送信が多いのか、内部不正が懸念されるのかによって優先機能は変わるでしょう。
過去のヒヤリハット事例や監査指摘事項を振り返ると、必要な対策が見えてきます。目的を明確にすることで、比較検討もしやすくなります。
必要機能の明確化
メール暗号化や外部記憶媒体制御、ログ分析など、製品ごとに強みは異なります。すべての機能が必要とは限りません。
自社の業務内容に合った機能を選ぶことで、コストと効果のバランスが取りやすくなります。比較表を活用し過不足を確認しましょう。
運用体制の確認
高度な機能を備えていても、運用できなければ効果は限定的です。専任担当者の有無や外部サポートの活用可否を確認しましょう。クラウド型かオンプレミス型かによっても管理負担は異なります。自社体制に合った形態を選ぶことが大切です。
コスト比較
初期費用だけでなく、月額費用やサポート費用も含めて比較します。利用ユーザー数に応じて、料金が変動する製品もあります。価格だけで判断せず、事故発生時の影響や信用低下リスクも踏まえ、総合的に検討することが重要です。
以下の記事では情報漏えい対策サービスの価格や機能、サポート体制などを、具体的に比較して紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
情報漏えい対策サービスは外部攻撃対策だけでなく、内部不正や誤操作まで含めて情報管理を強化する仕組みです。ウイルス対策ソフトやアクセス管理ツール、EDRとは役割が異なります。自社の課題と目的を整理したうえで、比較検討することが重要です。
ITトレンドでは複数サービスをまとめて資料請求できます。選定の第一歩として活用し、最適なサービス選択につなげてください。


