内部統制ツールの市場規模は?
内部統制ツールは、内部統制の文書化や評価、監査、リスク管理などを支えるツールです。内部統制ツールに限った市場規模は、公開されている統計や調査会社の発表では確認できません。
内部統制への対応の大きさを示すデータとしては、東京商工リサーチの調査があります。2025年度に内部統制の重要な不備を開示した上場企業は41社(42件)でした。2012年度以降で最多だった2024年度の58社(58件)からは減りましたが、2021年度と並んで3番目の多さです。開示の件数で、内部統制ツールそのものの数字ではありません。
出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト(2026年5月14日)
ITトレンドには、内部統制ツールとして8製品が掲載され、提供企業も8社です。そのうちITトレンドから資料請求できるのは1製品で、残る7製品は情報のみの掲載です。
ここからは、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、内部統制ツールの動きを見ていきます。
ITトレンドに掲載されている主な内部統制ツール
まずは、ITトレンドに掲載されている内部統制ツールを紹介します。資料請求ランキングは、製品を比較・検討している企業の関心を表すデータです。
ITトレンドのデータで見ると、2026年10月時点の内部統制ツールはJ-SOXの3点セットの作成や評価を支える製品が8製品中3製品を占めます。資料請求できるのは、ランキング1位のsmoove J-SOXの1製品です。リスクや統制、規制要件をまとめて管理する製品も3製品並ぶ点が特徴です。
次の図は、掲載されている8製品を、製品ページの掲載内容をもとに用途で分けたものです。その下の表では、ITトレンドから資料請求できるかどうかもあわせて示しています。
| 製品名 | 提供企業 | 資料請求 | 製品の特徴 |
|---|---|---|---|
| smoove J-SOX | 株式会社WARC | できる(1位) | J-SOXの3点セットの作成から評価までを一元管理。フローチャートがRCMへ自動反映。 |
| QPR J-SOX・TAMIC | テクノホライゾン株式会社 | 情報のみ掲載 | 業務フロー・業務記述書・RCMを一元管理し、テスト計画から不備是正まで管理。 |
| iGrafx SOX+ | 株式会社サン・プラニング・システムズ | 情報のみ掲載 | 内部統制の3点セットを連携して作成。フローチャートの修正が3点セットへ反映。 |
| Diligent Internal Controls | Diligent Japan合同会社 | 情報のみ掲載 | リスクや統制、規制要件を一元管理し、統制テストや証拠収集を自動化する。 |
| SAP Risk and Assurance Management | SAPジャパン株式会社 | 情報のみ掲載 | リスクと内部統制を一元管理し、統制の自動化やリスク評価を支援する。 |
| ServiceNow ポリシーとコンプライアンス管理 | ServiceNow Japan合同会社 | 情報のみ掲載 | ポリシーや内部統制手順を一元管理し、コントロールテストの自動化に対応。 |
| Connected Risk GRC Solution 監査モジュール | 株式会社GRCS | 情報のみ掲載 | 監査の計画・実行・報告を効率化。監査文書や所見、課題を一元管理する。 |
| 完全匿名ヘルプライン | 株式会社リンクファシリティーズ | 情報のみ掲載 | 完全匿名で使える内部通報窓口システム。パワハラ防止法への対策にも対応。 |
※「資料請求」の順位は、資料請求数にもとづくITトレンドの資料請求ランキング(2026年10月19日更新)です。
※「製品の特徴」は、ITトレンドの製品ページの掲載内容をもとにまとめています。
※「情報のみ掲載」の製品は、ITトレンドから資料請求できません。
▼最新の人気ランキングもあわせて確認
いま資料請求が集まっている内部統制ツールは、月間ランキングで確認できます。
[分析]2026年の内部統制ツール市場の3つの傾向
ここでは、ITトレンドに掲載されている8製品の製品ページと資料請求ランキングから、市場の傾向を整理します。
1.J-SOXの3点セット作成を支える製品が3製品
掲載8製品のうち3製品は、業務フロー・業務記述書・RCMの3点セットの作成や評価を支える製品です。smoove J-SOXとiGrafx SOX+は、フローチャートの内容がほかの文書へ自動で反映されることを掲げています。QPR J-SOX・TAMICは、Excelや他社ツールからのデータ移行にも対応するとしています。
2.リスクと統制をまとめて管理し、テストを自動化
リスクや統制、規制要件をまとめて管理する製品も3製品あります。Diligent Internal ControlsやServiceNow ポリシーとコンプライアンス管理は、統制テストの自動化を打ち出しています。SAP Risk and Assurance Managementのように、基幹システムとの統合を掲げる製品もあります。
3.資料請求できるのは1製品、監査や通報の製品も
ITトレンドから資料請求できるのは、smoove J-SOXの1製品です。ほかに、監査業務を管理する製品や、内部通報の窓口システムも掲載されています。提供企業は8社で、レビューはまだなく、製品ページの内容から候補を見比べる段階といえそうです。
どれを選ぶべき?目的別のおすすめ
- ■J-SOXの3点セットの作成や評価を効率化したい企業
- smoove J-SOX / QPR J-SOX・TAMIC / iGrafx SOX+
- ■リスクや統制、規制への対応をまとめて管理したい企業
- Diligent Internal Controls / SAP Risk and Assurance Management / ServiceNow ポリシーとコンプライアンス管理
- ■内部監査の業務や、内部通報の窓口を整えたい企業
- Connected Risk GRC Solution 監査モジュール / 完全匿名ヘルプライン
同じ内部統制ツールでも、J-SOXの文書化に絞った製品と、リスクや規制対応まで広く扱う製品とで範囲は違います。まずJ-SOXへの対応を効率化したいのか、全社のリスク管理まで広げたいのかを決めておくと比べやすくなります。
掲載製品をどう活かす?比較するときの注意点
- ●情報のみ掲載の製品はITトレンドから資料請求できないため、各社に直接問い合わせる必要がある
- ●掲載8製品にはまだレビューがなく、導入後の評価を比べられない
- ●3点セットの作成、統制の統合管理、監査、内部通報と役割が分かれるため、単純に比べない
掲載製品の顔ぶれは、どんな種類の製品があるかを知る手がかりとして役立ちます。最終的には、対応したい制度や監査の進め方、今使っている基幹システムに合うかを軸に比較することが大切です。
自社に合う内部統制ツールを比較検討しよう
この記事では、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、内部統制ツールの市場の様子を紹介しました。気になる製品は資料請求して一覧で比較し、自社の体制に合うかを確かめてみてください。
以下の記事では、内部統制ツールを比較し、J-SOXへの対応や選び方も紹介しています。あわせてご覧ください。

