ITトレンドは、BtoB IT製品カテゴリーの検索ワード23,504件を対象に、Googleの検索結果に表示されるAI Overviewを調べました。2026年8月と9月に同じ検索ワードで計測し、結果を比べています。
AI Overviewが表示される割合は、90.0%から92.8%に上がりました。一方で、1回の回答で引用されるサイトの数は、平均5.6から4.9に減っています。表示される機会は増え、引用される枠は狭くなったという結果です。
調査結果の要点
指標 | 2026年8月 | 2026年9月 |
|---|---|---|
AI Overviewの表示率(全体) | 90.0% | 92.8% |
製品名だけで検索したときの表示率 | 58.3% | 80.6% |
1回あたりの引用サイト数(平均) | 5.6 | 4.9 |
うち製品提供企業・SIerのサイト | 3.33 | 2.70 |
うち比較サイト・紹介メディア | 1.68 | 1.64 |
参照リンクに占める比較サイトの割合 | 29.9% | 33.6% |
※1回あたりの引用サイト数(平均)は、小数第2位を四捨五入しています。四捨五入前の減少幅は0.75サイトです。
対象は「勤怠管理システム 比較」「〇〇とは」「(製品名) 評判」のように、IT製品を選ぶ場面でよく使われる検索ワードです。
AI Overviewは「ほぼ必ず表示される」ものになった
最も大きく変わったのは、製品名だけで検索した場合です。会計ソフトや勤怠管理システムの製品名を入力したとき、AI Overviewが表示される割合は58.3%から80.6%に増えました。
製品名での検索では、これまでその製品の公式サイトが表示されるのが一般的でした。現在は、公式サイトより先にAIの回答が表示されるようになっています。
「勤怠管理システム 比較」のように製品を比べるための検索でも、表示される割合は6.4ポイント上がりました。BtoBの製品選びでは、AI Overviewが表示されることがほぼ前提になっています。
減った引用枠の84%は、製品提供企業のサイトだった
AI Overviewの回答には、参照元として複数のサイトへのリンクが付きます。その数は、1回あたり平均5.6サイトから4.9サイトに減りました。
参照元のサイトを種類ごとに分けると、減った枠のほとんどは、製品を提供している会社やSIerのサイトでした。1回あたり平均3.33サイトから2.70サイトに減っています。全体で減った0.75サイト分のうち、84%がここに集中していました。
比較サイトや紹介メディアの枠は、1.68から1.64とほぼ変わっていません。全体の枠が減ったため、参照リンクに占める比較サイトの割合は29.9%から33.6%に上がりました。
ただし、製品を提供している会社のサイトは、現在も引用元として最も多い種類です。公式サイトが不要になったわけではありません。また、比較サイトであれば枠を保てたというわけでもなく、個別に見ると引用される割合が下がった比較サイトもあります。
なぜ製品提供企業のページから減ったのか
ここからは、計測結果をもとにしたITトレンドの考察です。理由は3つあると考えています。
他のページと情報が重なりやすい
AI Overviewは、限られた枠の中で1つの答えを組み立てます。A社・B社・C社の公式サイトをそれぞれ引用しても、得られるのは各社による自社の説明です。枠が狭くなると、性質の似た情報から絞られやすくなります。
比較の視点を持ちにくい
「勤怠管理システム 比較」と検索する人が知りたいのは、どの製品が自社に合うのかです。自社製品について書くページは、構造上この問いに答えにくくなります。
確認できる具体的な情報が少ないことがある
「業務を効率化します」「柔軟に対応します」は、営業の場では自然な表現です。ただ、AIにとっては引用しても答えにしにくい情報です。
引用枠に残るために必要なのは「確認できる情報」
枠が狭くなるほど、AIは答えとして使える情報を優先すると考えられます。たとえば、社名を出せる導入事例、プランごとの具体的な金額、連携できるサービスの名前です。数字や固有名詞の入った情報は、抽象的な説明文より答えに使いやすくなります。
公式サイトにしか書けない一次情報を、確認できる形で載せる。それが、枠が狭くなったときに残るための条件だとITトレンドは考えています。ページの数を増やすことより、書いてある情報が確認できるかどうかが問われています。
まず確認したい3つのこと
確認すること | 見るポイント |
|---|---|
自社サイトがAI Overviewに引用されているかを把握できているか | 感覚ではなく、どの検索ワードで引用されているかを記録する |
主要なページに金額・事例・固有名詞が書かれているか | 「詳しくはお問い合わせください」で止まっている情報がないかを確認する |
「他と比べてどうか」という問いにどこで答えているか | 比較の視点は自社サイトだけでは作りにくいため、外部でどのような文脈で紹介されているかも確認する |
最初の一歩としては、自社の製品名で検索してみるのが手軽です。AI Overviewが表示されるか、参照リンクにどのサイトが並んでいるか、自社のページがその中に入っているかを確かめます。
なお、ITトレンド自身が比較サイトであり、今回の結果には自社に有利に見える内容が含まれます。そのため、数値は計測結果をそのまま掲載しています。
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調査概要
調査主体 | ITトレンド |
|---|---|
調査対象 | ITトレンドが扱うBtoB IT製品カテゴリーの検索ワード23,504件(比較検討に使われるワードを多く含む) |
調査時期 | 2026年8月、2026年9月(同じ検索ワードで計測) |
調査内容 | Googleの検索結果におけるAI Overviewの表示有無と、参照元として引用されたサイト |
留意点 | 計測で観察された変化をまとめたもので、特定の対策の効果を示すものではありません |
ITトレンドでは、今後も同じ条件で計測を続け、変化があればお知らせします。

