OpenAIは2026年10月27日、Oracleとの提携を拡大すると発表した。Oracleのアプリケーションとデータを ChatGPT に取り込み、Oracleの新しい製品やサービスにOpenAIのモデルと製品を組み込む。企業がAIを使って基幹業務を回し、アプリケーションを作り、セキュリティを強化できるようにするのが狙いだ。
今回の発表は、OpenAI API、ChatGPT Work、Codexにまたがる既存の取引関係を土台にしている。発表では、Oracle社内で ChatGPT のアクティブユーザーが13万人、Codexのアクティブユーザーが9万5,000人を超えたことも紹介された。
ChatGPTからOracleの業務アプリを使う「Oracle AI Workspace」
Oracleは、Oracleのアプリケーションやデータと ChatGPT を連携させる「Oracle AI Workspace」を開発している。利用者がやりたいことを伝えると、必要な情報を探し、承認済みの業務フローを1か所で完了できるようにすることを目指す。
発表では、経理部門に新しく加わった社員の例が挙げられた。ChatGPT でコストを調べ、購買の判断理由を把握し、月次決算までに残っている作業を確認する。財務、調達、計画の各アプリケーションの情報をまとめて扱える体験を想定している。
両社が描くのは、人とAIエージェントが1つの環境で複数の業務アプリケーションをまたいで働く企業の姿だ。管理の簡素化やサインインの統一に加え、各組織の権限と承認に基づいてアクセスを制御するとしている。ただし、Oracle AI Workspace は開発中と説明されており、提供開始の時期は示されていない。
OpenAIのモデルを使ったOracleの新サービス
Oracleは、OpenAIのモデルとツールを使った新サービスも打ち出した。「Oracle AI Security Mesh」は、OpenAIのサイバーセキュリティ向けモデルを使い、アプリケーションやインフラの脆弱性を見つけて修正するサービスだ。テスト用のインフラはOracleが管理し、顧客が認められた範囲内で安全に使えるようにする。
「Oracle App Composer」は、CodexなどのAIツールでアプリを作り、承認済みのOracleのデータや業務フローにつなげて社内で共有するためのものだ。デプロイはOracle Cloud Infrastructure(OCI)上でOracleが管理し、企業の権限設定やアクセス制御が組み込まれる。
中小企業向けには「Oracle AI SMB Bundle」を用意する。ChatGPT Business と Codex、Oracleのアプリケーション、継続的に付与されるOCIのクレジットを組み合わせたパッケージだ。中小企業が製品開発や業務管理に使えるようにする。
Oracle Marketplaceで購入可能に、ただし対象は米国
米国のOracle顧客は、Oracle Marketplaceを通じてOpenAI API、Codex、ChatGPT Work を購入できるようになる。既存の調達プロセスをそのまま使い、対象となるOracle Universal Creditsで支払える。
OpenAIは、Oracle社内での活用例も紹介した。採用チームは ChatGPT Work を市場調査に使っており、以前は2〜4日かかっていた資料の準備が15〜20分になったという。
一方で、各サービスの料金や提供開始の時期は発表では示されていない。日本を含む米国以外での提供や、日本語への対応についての記載もない。
企業への示唆
Oracleの業務アプリを使っている企業は、ChatGPT から基幹データにアクセスする構成が現実味を帯びてきた点を押さえておきたい。発表は各組織の権限と承認に沿った制御を強調している。それでも導入時には、どのデータをどの社員がAI経由で参照できるかを自社で改めて整理する必要がある。
脆弱性の発見と修正にAIを使うサービスや、Codexで社内アプリを作る仕組みも示された。開発部門と情報システム部門は、AIが作ったアプリの審査やデプロイの承認を誰が担うかを決めておくとよい。米国以外での提供時期が示されていないため、日本法人での利用は今後の案内を待つ必要がある。
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まとめ
OpenAIとOracleは、Oracleの業務アプリとデータを ChatGPT で扱える「Oracle AI Workspace」の開発を軸に提携を広げた。あわせて、OpenAIのモデルを使った脆弱性対策サービス、アプリ開発基盤、中小企業向けバンドルが発表された。
米国の顧客はOracle Marketplace経由でOpenAIの製品を購入できるようになる。一方で、料金や提供時期、日本での展開は示されていない。Oracle製品を使う企業は、AI経由のデータアクセスの権限設計から検討を始めたい。

