プッシュ通知サービスを活用する目的
プッシュ通知サービスとは、スマートフォン・タブレット・パソコンへ、アプリから通知を送信できる機能を提供するサービスです。ユーザーの呼び戻しやWebサイトへの訪問率向上などの目的のために、マーケティングの手段として活用されます。
プッシュ通知を活用する6つのコツ
プッシュ通知は、リピート率やCVRを向上させる効果がありますが、誤って使うと、ユーザーの嫌悪感や不快感につながります。活用するための、6つの大切なコツを解説します。
ユーザーを引きつけるタイトルと文面で配信する
ユーザーは、プッシュ通知を受け取ると、開封するかどうかを、タイトルと短い文章で瞬時に判断します。よいプッシュ通知は、即座にメリットがあると感じられる通知です。ユーザーにブランドやアプリの都合を押し付けたら、離脱してしまいます。
自社のユーザーを分析し、引きつけるタイトルや文面の作成が大切です。どのような内容がよいかは、A/Bテストを行えば参考になります。目標とするユーザーの反応と結果を見比べて、効果的な内容の作成に努めましょう。
ユーザーの生活リズムを考慮したタイミングで配信する
24時間いつでもプッシュ通知を配信できますが、深夜や早朝は「うっとうしい」と感じられてしまいます。アプリの内容やユーザー層により、開封されやすい時間帯が異なります。24時から6時までは避け、ユーザーがスマホを利用する生活のリズムを分析し、適切な時間帯に配信しましょう。
ユーザーに嫌悪感を抱かせない適切な回数で配信する
プッシュ通知は何度でも送信できますが、頻度が多すぎるとユーザーに嫌悪感を与えます。通知設定のオフやアプリ削除につながりかねません。逆に配信頻度が少なすぎると、アプリの存在を忘れられてしまいます。
メッセージの内容と状況により、毎日1回あるいは毎週1回など、適切な配信回数は異なります。ユーザーに嫌悪感を抱かせない、最適な回数を検討しましょう。
ユーザーがメリットを感じるメッセージを配信する
つねにユーザー目線で、メリットがあると感じられるメッセージを配信しましょう。配信側が「届けたい情報」とユーザーが「求める情報」のあいだには、差があることがしばしばあります。
割引クーポンのプッシュ通知なら、ユーザーはメリットを感じると思われがちです。しかし、その商品を購入する予定がなければ、煩わしいと感じます。ユーザーは、自分にメリットがない情報が何度も送られると、不快に感じます。ユーザーが、メリットを感じられるメッセージの配信が大切です。
通知する内容にあわせてユーザーを選別する
すべてのユーザーへ、プッシュ通知を一斉に送信できますが、ユーザーが必要としている情報とは限りません。ユーザーはそれぞれに必要な情報が異なるため、通知する内容にあわせて、ユーザーを選定してください。
ユーザーの属性や趣味嗜好、アプリ内での行動履歴などを把握してセグメント化すれば、選定しやすくなります。
iOSとAndroidそれぞれに適した施策を検討する
端末のOSによってプッシュ通知の開封率に差があり、iOSかAndroidかにより、それぞれに適したマーケティング施策が必要です。Androidはプッシュ通知がロック画面に残りますが、iOSはロック画面を解除すると消えます。そのため、Andriodのほうが、コンバージョン率が高いといわれています。
また、各OSの利用率は、ユーザーの年齢や性別によって変わるため、注意が必要です。どちらのOSの利用率が高いかを把握したうえで、プッシュ通知のマーケティング施策を検討してください。
プッシュ通知サービスの選び方
どのような目的や環境でプッシュ通知を行うかによって、サービスの選び方が変わります。ここでは、プッシュ通知サービスの選定ポイントを解説します。
Webとアプリのどちらに対応しているか
プッシュ通知サービスには2種類のタイプがあります。Webブラウザ向けとモバイルアプリ向けです。
Webブラウザ向け
Webサイト上でのプッシュ通知機能をもつサービスです。カートに入れた商品を購入せず離脱したカゴ落ちユーザーや、入力フォームを完遂せず離脱したユーザーなどへプッシュ通知が送れます。ECサイトや情報サイトなどにおいて幅広く導入されています。
→【Web】プッシュ通知サービスの紹介へジャンプ!
スマホアプリ向け
スマホやタブレットなど、モバイルアプリ上でのプッシュ通知機能をもつサービスです。モバイル端末の位置情報にもとづいたプッシュ通知や、指定のWebサイトや画像を表示できるリッチプッシュ通知など、アプリならではの機能を利用できます。
→【アプリ】プッシュ通知サービスの紹介へジャンプ!
なお、Webブラウザとスマホアプリそれぞれに特化したサービスのほか、両方に対応しているサービスもあります。自社の運用に適したプッシュ通知サービスを選定しましょう。
対応しているOSとブラウザはなにか
アプリプッシュ通知サービスを選定する場合は、対応しているOSの確認が必要です。iOSとAndroidの両方、あるいはどちらに対応しているかを確認しましょう。
Webプッシュサービスの場合は、対応しているブラウザを確認してください。Google Chromeだけに対応しているサービスもあれば、Microsoft EdgeやFirefoxにも対応しているサービスもあります。特に、日本ではiOSユーザーが多いため、Safariに対応しているか否かに注意してください。
必要な機能が備わっているか
各サービスにより、対応している機能が異なるため、自社に適した機能があるかを確認してください。最適なタイミングで配信できるように、配信スケジュールを調整できる機能があれば効果的です。
ユーザーをセグメント化したり、Webサイト内での行動にもとづいたりすれば、リピート率が向上するでしょう。メッセージ内容をユーザー別にパーソナライズできれば、オンラインショップの売り上げに貢献します。
無料プラン・無料トライアルはあるか
プッシュ通知サービスには、無料プランやトライアルが用意されているものがあります。導入する前に操作性や効果を確認できるので、有効に活用しましょう。特に、操作性は業務効率に大きな影響を与えるため、使い勝手のよいサービスの選定をおすすめします。
【Web】プッシュ通知サービス比較
Webサイト用の優れたプッシュ通知サービスを紹介します。有料・無料や対応するブラウザなど、それぞれ特徴が異なります。比較して検討する際の参考にしてください。
Push7
株式会社GNEXが提供する「Push7」は、Webサイトのユーザーへ、お知らせ・更新情報などをプッシュ通知できるサービスです。どのようなWebサイトでも、マニュアルどおりにコピペすれば、最短3分でプッシュ通知できます。プッシュ通知の開封率は、平均20%と高いパフォーマンスです。閲覧履歴などを参考にしてユーザーのフェーズにあわせた内容を、メッセージ送信できます。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
あり |
対応ブラウザ |
Google Chrome・Firefox・Microsoft Edge・Safari |
対応OS |
iOS・Android |
Pushnate
Pushnateが提供する「Pushnate」は、無料で使用できる、Webサイト用のプッシュ通知サービスです。PushnateのWebサイトで登録/自社のWebサイトにインストールコードを入力/プッシュ通知内容を設定、この3ステップで設定できるので5分もかかりません。カートに入れた商品を購入せず離脱した「カゴ落ち」ユーザーや、入力フォームを完遂せず離脱した「フォーム離脱」ユーザーへプッシュ通知を送れます。
価格 |
月額費用無料・初期費用無料 |
無料トライアル |
なし |
対応ブラウザ |
Google Chrome・Firefox |
対応OS |
Android |
Browser Messenger
株式会社大広が提供する「Browser Messenger」は、Webブラウザへプッシュ通知を送信し、ユーザーと直接コミュニケーションが取れるプラットフォームです。ユーザー登録はワンクリックだけで完了し、メールアドレスや個人情報は必要ありません。デジタルマーケティングを熟知したメンバーがサポートを行い、ASP形式のサービスなので導入は容易です。10万通以上のプッシュ通知でも、スムーズに配信できます。
価格 |
月額費用100,000円・初期費用500,000円 |
無料トライアル |
─ |
対応ブラウザ |
Google Chrome |
対応OS |
Android |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
VWO Engage
Wingifyが提供する「VWO Engage」は、デスクトップおよびモバイル端末のWebサイトに、プッシュ通知の送信が可能です。プッシュ通知の送信を承諾しているユーザーが、Webサイト内で取った行動にもとづいて、メッセージを作成しおすすめ商品やサービスへ誘導します。「カゴ落ち」や新規のユーザーへ、効果的なメッセージを送り定着化させます。
価格 |
─ |
無料トライアル |
あり |
対応ブラウザ |
PCブラウザ |
対応OS |
なし |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
PUSHCODE
EDOCODE株式会社が提供する「PUSHCODE」は、Webサイトからユーザーのブラウザへ、直接メッセージを送れるサービスです。個人情報が登録されていない非会員へも送信できて、アプローチの幅が広がります。プッシュ通知の開封率が80%と高く、Webサイトへの誘導が可能です。「カゴ落ち」防止やユーザーエクスペリエンスのプッシュ通知を行えば、クリック率は高くなります。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
あり |
対応ブラウザ |
Google Chrome・Firefox・Microsoft Edge・Safari |
対応OS |
Android |
PushTracker
株式会社アピリッツが提供する「PushTracker」は、Webサイト用のSaaS型プッシュ通知サービスです。柔軟なシナリオ設計やカスタマイズと分析を行い、最適なユーザーエクスペリエンスを提供します。ユーザーから取得した行動を分析し、最適なプッシュ通知を配信可能です。AI・自動学習技術を用い、適切な通知時刻とレコメンド内容を特定しメッセージを送れます。
価格 |
月額費用49,800円~・初期費用無料 |
無料トライアル |
あり |
対応ブラウザ |
Google Chrome・Firefox |
対応OS |
iOS・Android |
【アプリ】プッシュ通知サービス比較
プッシュ通知を用いたアプリへのタイムリーなメッセージは、ユーザーのリピート率やCVR(コンバージョン率)を向上させます。アプリ用のプッシュ通知サービスを比較して紹介します。
Repro
Repro株式会社が提供する「Repro」は、Webサイトとアプリの売上を最大化するツールです。Webサイトでは、ユーザーの属性や行動にもとづき、ワンオンワンのコミュニケーションを実現します。キャンペーン広告や、「カゴ落ち」リマインドにも活用可能です。アプリには、プッシュ通知・メッセージなど、多様なコミュニケーション手段を提供します。最適なタイミングのコミュニケーションが、ユーザーのエンゲージメントを高めます。
価格 |
見積もり対応 |
無料トライアル |
なし |
対応OC |
Mac OS・iOS・Android |
対応ブラウザ |
Google Chrome・Safari・Firefox・Microsoft Edge |
Growth Push
株式会社シロクが提供する「Growth Push」は、アプリ開発者のための、プッシュ通知の解析・配信サービスです。セグメント別の配信や、ユーザーの行動を解析してメッセージを送り、リピート率を高めます。サーバーのスケールメリットを生かして高速配信(150万件/分)が可能です。日時予約・繰り返し・ユーザー属性&行動別・A/Bテストなど、配信と解析機能が充実しています。アプリにSDKを導入するだけで、プッシュ通知が配信できます。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
あり |
対応OC |
iOS・Android |
対応ブラウザ |
なし |
ニフティクラウド Mobile backend
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社が提供する「ニフティクラウド Mobile backend」は、多機能で大量の配信を高速に行えます。日時を指定した予約配信や、モバイル端末の位置情報にもとづいたプッシュ通知ができます。さらに、ユーザーの属性や行動による絞り込み配信も可能です。配信結果の確認のため、開封状況をグラフ化して分析できます。プッシュ通知をワンクリックすれば、Webサイトが表示されます。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
なし |
対応OC |
iOS・Android |
対応ブラウザ |
なし |
Appvisor Push
bravesoft株式会社が提供する「Appvisor Push」は、プッシュ通知に必要な機能がオールインワンで実装され、配信・運用・分析がワンストップでできるASPサービスです。ユーザーのリピート率向上、休眠ユーザーの呼び起こし、ユーザーとの接触回数増加などの効果があります。APIを利用すると、管理画面を使わずに配信登録や結果の確認が可能です。アプリ開発を専門に行っているエンジニアが、カスタマイズに対応します。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
なし |
対応OC |
iOS・Android |
対応ブラウザ |
なし |
RichFlyer
株式会社インフォシティが提供する「RichFlyer」は、アプリへのプッシュ通信を、300万通/分を超える高速で配信可能なツールです。テキストメッセージだけでなく、動画やGIFのアニメーションなどの送信ができます。スマートフォンやWebサイト、各種SNSへ訴求力のあるメッセージを多彩な手段で送り、ユーザーの認知率を向上させます。
価格 |
月額費用無料~・初期費用無料 |
無料トライアル |
なし |
対応OC |
iOS・Android |
対応ブラウザ |
Google Chrome、Microdoft Edge、Firefox、Safari |
プッシュ通知サービスを導入してリピート率とCVRの向上を
プッシュ通知サービスとは、アプリからユーザーの端末へ、通知を送信する機能のサービスです。ユーザーのリピート率やCVRを向上させるために、マーケティングの手段として活用されます。
活用のコツは、ユーザー目線でメリットのあるメッセージを、タイムリーに一目でわかるタイトルで送ることです。選び方を参考にしてプッシュ通知サービスを導入し、リピート率とCVRを上げてビジネスを拡大しましょう。