セキュリティシステムとは
セキュリティシステムとは、その名のとおりSecurity(安全・防護・保障)のための仕組みのことです。
例えば、防犯カメラやセンサー、警備会社による巡回など、物理的な対策もセキュリティシステムのひとつです。従業員の端末内情報や社内ネットワークも安全性を確保する必要があるため、情報セキュリティシステムの適切な導入・運用が企業には求められます。
詳しい説明は以下の記事でも紹介しているため、参考にしてください。
セキュリティシステムのクラウド版とオンプレミス版の違い
以前は主流だったオンプレミス版のセキュリティシステムとは、セキュリティ機能を持つソフトや製品を導入したり、サーバー内で仕組みを構築したりする方法です。物理的に機器を所有するため、購入やメンテナンスなど、初期費用や保守コストが発生します。
一方、クラウド版とは、クラウド上のセキュリティサービスを活用することで通信の安全性を保つ方法です。導入コストを抑えつつ、業務の実態に合うサービスを選択できるのが特徴です。
クラウド版のセキュリティシステムの特徴
クラウド版セキュリティシステムとは具体的にどのような特徴があるのでしょうか。ポイントは次の4点です。
- ●ゼロトラストに基づいた制御モデル
- ●拡張性・可視性が高い
- ●導入しやすい
- ●コストメリットがある
詳しく見ていきましょう。
ゼロトラストに基づいた制御モデル
企業の情報セキュリティにおいて、従来は「境界線型セキュリティ」という考え方が主流でした。これは、社内と社外を明確に分け、主に社外からのアクセスに注意を払う方法です。
しかし近年では、インターネット経由のデータ管理やリモートワークの普及など、社内外の垣根をこえたICTの利用が増えています。その結果、社内外の境目があいまいになり、境界線に防犯対策を施すだけでは不十分になってきました。
そこで登場したのが、「ゼロトラスト」という考え方です。コンピュータセキュリティにおけるゼロトラストとは「どのアクセスも信用しない」という前提のもと、すべての通信を監視する対策方法です。
ゼロトラストの概念では、社内外問わず、全アクセスを逐次チェックします。不正なアクセスを即時発見し、社内ネットワークに万が一ウイルスが侵入しても被害を最小限に抑えられます。
従来のオンプレミス版セキュリティシステムは、境界線型セキュリティにもとづいてマネジメントされてきました。境界がなくなりつつある現在、オンプレミス版では拾いきれないリスクも懸念されます。ゼロトラストの制御モデルを採用したクラウド版であれば、最先端の環境で全通信を把握可能です。
拡張性・可視性が高い
組織や体制に変更があった場合、セキュリティシステムも正しく見直す必要があります。クラウド版セキュリティシステムの利点のひとつは、ニーズの変化に応じられる拡張性です。また、自動更新によって最新の脆弱性もすばやくカバーできます。
同時に、あらゆるリソースや接続デバイスの可視性が高められます。通信を一元管理することで監視がしやすくなり、複雑化したネットワークにおいても運用の安全性を高めることが可能です。
導入しやすい
オンプレミス版の情報セキュリティには、機器の購入やネットワーク構築、初期設定などの事前準備が欠かせません。場合によっては、企業内で専門の技術者を用意する必要もあり、導入には数か月単位の時間を要する場合があります。
一方、クラウド版のセキュリティサービスを採用した場合、こうした大掛かりなインフラは不要です。ユーザー側では運用管理を行わないため、高度な情報教育や、専門的な人材の確保に悩まされることもありません。短期間で運用がスタートできるうえ、試験的に導入し、あとから細部を見直すことも可能です。
コストメリットがある
従来、機器の導入や人材の確保など、オンプレミス版セキュリティサービスのイニシャルコストは大きなものでした。 一方、クラウド版では前述のとおり機器の導入も必要ないため、数万円程度から開始できるケースもあります。
また、ユーザー側で専門的な知識を備えずとも導入できるため、人材コストも大幅にカット可能です。
クラウド版のセキュリティシステムの選び方
クラウド版セキュリティシステムは、さまざまな業者が提供しており、種類も豊富です。実際に導入を検討する場合にはどのように選べばよいでしょうか。主に以下4つのポイントがあります。
- ●監理のしやすさ
- ●サポート体制
- ●価格
- ●サービス提供事業者の信頼性
それぞれ詳しく解説します。
管理のしやすさ
どのセキュリティシステムでも、正しく運用するためには適切な管理が必要です。ユーザー側にセキュリティ関連の専任スタッフや、専門知識を持つ人材がいない場合、直感的に理解しやすいインターフェースであるかが重要になってきます。管理の観点から、無理なく使い続けられるシステムがおすすめです。
どのような場面に導入するか、どのように利用するかを想定し、各企業にとって使いやすいサービスを選びましょう。
サポート体制
不正アクセスやウイルスなど、脅威はいつ発生するかわかりません。24時間体制のチャットツールや、電話、メールなど、サポート体制の有無は重要です。使用する環境に見合う十分なサポートが受けられるか、必ず確認しましょう。
価格
継続的な利用のためにも、サービスの価格は無視できません。使用期間が長くなるほど、価格の差は大きくのしかかってきます。しかし、安ければよいわけではありません。規模や期間に応じて、コストとパフォーマンスが見合うサービスを選ぶ必要があります。
なお、導入時や更新時のアドバイスが手厚いかどうかによって、価格帯が変わることもあります。
サービス提供事業者の信頼性
なによりも、信頼できるサービス提供者を選ぶことが肝心です。 データの暗号化などの安全対策はもちろん、サービスの持続性も考えて選択しましょう。有事の保証内容や責任の所在を含めて熟慮したいものです。
また、セキュリティサービス側のデータセンターが海外にある場合、データセンターには現地の法律が適用される場合があります。エリアの治安やインフラの安定性も無視できません。
大きな火災や地震などが発生してもデータは保護されるか、トラブル発生時にスムーズな解決ができるのかも検討すべき点です。複数のデータセンターにバックアップをとっているか、災害対策はされているかなど、リスク管理にも注目しましょう。
企業のセキュリティ課題にあわせて適切な対策をしよう
クラウド版のセキュリティシステムには大きなメリットがあります。発展するICTに柔軟に対応するためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
資料請求でさらなる情報を得て、組織の課題にマッチしたセキュリティ対策を考えましょう。