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セキュリティ診断の種類と導入条件|Webアプリ・スマホアプリ・IoT・ネットワーク・手動診断の選定基準を整理

セキュリティ診断の種類と導入条件|Webアプリ・スマホアプリ・IoT・ネットワーク・手動診断の選定基準を整理

セキュリティ診断(脆弱性診断)には「Webアプリ診断」「スマホアプリ診断」「ネットワーク(プラットフォーム)診断」「IoT機器診断」「手動ペネトレーションテスト」など複数の種類があり、種類ごとに向いたシステムの条件・確認すべき導入要件・ベンダーに求める専門性がまったく異なります。本記事では、診断の種類別に「どんな条件のときに選ぶべきか」と「導入前に確認すべきポイント」を整理します。

この記事は2026年6月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    セキュリティ診断の種類と導入の考え方

    「セキュリティ診断」は一種類ではありません。自社のシステム構成と守りたい対象を明確にすることが、適切な診断の種類を選ぶための出発点です。

    診断の種類とそれぞれが対象とするシステム・導入に向いた条件

    セキュリティ診断は大きく次の5種類に分類されます。(1)Webアプリケーション診断: ブラウザからアクセスするWebシステム・ECサイト・業務ポータルを対象に、SQLインジェクション・XSS等を検出する。(2)スマホアプリ診断: iOS/Androidネイティブアプリのリバースエンジニアリング耐性・通信の安全性・認証フローの検証を行う。(3)ネットワーク(プラットフォーム)診断: ファイアウォール・ルーター・OS・ミドルウェアの設定ミス・既知脆弱性を診断する。(4)IoT機器診断: ネットワークカメラ・産業機器・ルーター等のハードウェアとファームウェアの脆弱性を検証する。(5)ペネトレーションテスト: 専門家が実際に攻撃を試みてシステムへの侵入可能性を確認する。

    導入時の基本的な判断は「何を守りたいか」によって決まります。社外公開のWebサービスであればWebアプリ診断、スマホアプリも提供しているサービスはWebアプリ診断とスマホアプリ診断の両方、工場・店舗にネットワーク機器を置いている環境ならネットワーク診断・IoT診断が必要です。セキュリティの実効性を総合的に確認したい場合はペネトレーションテストが有効です。資料請求では、自社のシステム構成を伝えて適切な診断の種類の提案を求めてください。

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    自動診断ツールと手動診断(専門家)の使い分けの判断条件

    セキュリティ診断には「自動ツールによる診断」と「専門家による手動診断」があり、それぞれに向いたシステムの条件が異なります。自動ツール診断は、既知の脆弱性パターン(SQLインジェクション・XSS・設定ミス等)を機械的に検出するため、低コストで多くのサイトを定期診断するのに向いています。一方、手動診断は専門家がシステムの機能・業務フローを理解した上で攻撃を試みるため、業務ロジックの脆弱性・権限昇格の問題・認証バイパスなど、自動ツールでは発見できない深い脆弱性を検出できます。

    手動診断を必要とする条件は「認証後の機能が多い」「ビジネスロジックが複雑」「個人情報・決済情報を扱う」「セキュリティ認証(ISO 27001・PCI DSS等)の要件として手動診断が指定されている」のいずれかに該当するケースです。自動ツールに向いた条件は「認証なしでアクセスできるページが主体」「複数サイトを低コストで定期診断したい」「CI/CDパイプラインへの組み込みで継続的な診断を自動化したい」です。まず自動ツールで日常診断を行い、手動診断を重要システムに集中させる組み合わせが最もコスト効率に優れます。

    Webアプリ診断の種類別の導入条件

    Webアプリ診断の中でも「国産ツール」「SAST(静的解析)」「手動診断」は、それぞれ向いたシステムの条件が異なります。

    国産ツール診断とSAST(静的解析)が向いたシステムの導入条件

    国産の脆弱性診断ツール(Webアプリ自動診断ツール)は、診断レポートが日本語で出力される・日本の開発現場の商習慣(稟議・作業手順書の整備等)に合ったサポート体制を提供している・日本の情報セキュリティガイドライン(IPA等)の基準を診断項目に反映している、という特徴があります。国産ツールが特に向いている条件は、「日本語レポートを非エンジニアの管理者にも提出する必要がある」「国内のベンダーサポートが求められる(機密性の高い環境への診断)」「日本語での技術サポートが必要なIT担当者が主体」という場合です。

    SAST(Static Application Security Testing:静的アプリケーションセキュリティテスト)は、デプロイされた動作環境ではなく、開発中のソースコードを直接解析して脆弱なコードパターンを検出します。SASTが向いている導入条件は「内製開発チームがいてソースコードを保有している」「開発の早い段階で脆弱性を発見してコスト削減したい(後から修正するほど費用がかかる)」「CI/CDパイプラインに組み込んでコードレビューの一環として診断を自動化したい」という場合です。SASTは外注開発でソースコードを保有しない場合には適用できない点を注意してください。資料請求では、対応プログラミング言語の種類・CI/CDツールとの連携実績を確認してください。

    ホワイトハッカーによる手動診断が必要なシステムの条件

    「ホワイトハッカー(善意の目的でセキュリティを検証する専門家)による手動診断」が必要な導入条件は主に3つです。(1)業務ロジックの脆弱性の発見が必要なケース: クーポンの二重利用・在庫の不正操作・権限のないデータへのアクセスなど、自動ツールでは検出できない業務フロー固有の脆弱性が存在する可能性がある場合。(2)権限昇格・認証バイパスの確認が必要なケース: 一般ユーザー権限から管理者権限への不正昇格が可能かどうか、専門家に実際に試してもらう必要がある場合。(3)セキュリティ投資の妥当性を外部評価で証明したい場合: コンプライアンス審査・経営層への報告・顧客への安全性証明として第三者による診断結果が必要な場合。

    手動診断ベンダーを選ぶ際は、診断チームの技術者資格・診断実績の業種・件数・診断手法の説明の透明性を確認することが重要です。特に「ブラックボックス診断(外部の攻撃者と同じ条件で内部情報なしに診断)」と「ホワイトボックス診断(ソースコードや設計情報を渡した上で診断)」のどちらの手法に対応しているかをベンダー選定の段階で確認してください。資料請求では、手動診断の実施手順・成果物(報告書)のサンプル・診断チームの資格・実績を確認してください。

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    スマホ・IoT・ネットワーク診断の導入条件

    Webアプリ以外の診断は、それぞれ異なる専門技術と機材が必要です。対応ベンダーを選ぶ前に、自社の診断対象を正確に把握することが重要です。

    iOS/Androidアプリのリバースエンジニアリング耐性診断が必要な条件

    スマホアプリ(iOS/Android)のセキュリティ診断が必要な導入条件は「自社でネイティブアプリを開発・提供している」「アプリが個人情報・決済情報・認証トークンを端末内に保存している」「ゲームアプリやフィンテックアプリなど、チート・不正利用のリスクが高い」のいずれかに該当するケースです。特に、リバースエンジニアリング耐性診断(APKファイルやIPAファイルを解析して内部ロジック・APIキー・暗号鍵が露出していないか確認する診断)は、スマホアプリ専用の技術を持つベンダーでなければ実施できません。

    導入前に確認すべき条件として、(1)ベンダーがiOSとAndroid両方の診断に対応しているか(端末のOS・バージョンへの対応範囲)(2)静的解析(APK/IPA解析)と動的解析(アプリ動作中の通信・メモリを検査)の両方に対応しているか(3)OWASP MASVS(モバイルアプリケーションセキュリティ検証標準)を診断基準として採用しているか、の3点があります。アプリの改修・再審査(App Store/Google Play審査)にかかるスケジュールを考慮して、余裕を持った依頼タイミングを計画してください。資料請求では、iOS/Android両対応の有無・OWASP MASVS準拠の診断項目・診断期間の目安を確認してください。

    IoT機器・ネットワーク層の診断が必要なシステムの導入条件

    IoT機器(ネットワークカメラ・産業用ルーター・スマートデバイス等)の脆弱性診断が必要な導入条件は、「自社でIoT機器を製造・販売している(製品のセキュリティ評価が必要)」「工場・店舗・施設にネットワーク接続された機器を設置している(不正アクセスや遠隔操作のリスクがある)」のいずれかです。IoT診断はファームウェア解析・ハードウェアのデバッグポートへのアクセス・無線通信(Wi-Fi・Bluetooth・Zigbee等)の解析など、Webアプリ診断とは異なる専門機材と知識が必要です。

    ネットワーク(プラットフォーム)層の診断は、ファイアウォール・ルーター・スイッチ・OS・ミドルウェア(Webサーバー・データベース等)の設定ミス・既知のCVE(共通脆弱性識別子)への未対応を検出します。この診断が必要な導入条件は「オンプレミスのサーバーを自社管理している」「ネットワーク機器のファームウェアが最新かどうか管理できていない」「リモートアクセス環境(VPN・RDP等)のセキュリティ状態を確認したい」です。資料請求では、IoT機器への診断実績・ネットワーク診断でカバーできる機器の種類を確認してください。

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    ペネトレーションテストの導入条件と進め方

    ペネトレーションテスト(侵入テスト)は、通常の脆弱性診断より高度で費用も高いため、実施の必要性と目的を明確にした上で導入を判断することが重要です。

    フィッシング+侵入シミュレーション型テストが必要な組織の条件

    「実際に社員にフィッシングメールを送り、社内ネットワークへの侵入から権限奪取までをシミュレーションする」本格的なペネトレーションテスト(レッドチーム演習)が必要な組織の条件は、(1)セキュリティ体制の「実効性」を評価したい: EDR・SIEM等のセキュリティ製品を導入しているが、本当に機能するかを検証したい場合。(2)社員のセキュリティ意識と対応力を測りたい: フィッシングメールに誰がどのくらいの割合で引っかかるかを定量評価したい場合。(3)インシデント対応プロセスの検証: 攻撃が成功した場合にCSIRT・SOCが適切に検知・対応できるかを確認したい場合。

    このタイプのテストは一般的な脆弱性診断より大幅に費用がかかり(数百万円~)、期間も1~3ヶ月程度かかる場合があります。実施の決裁には経営層の承認と、テスト中に本番環境に影響を与えた場合のリスク管理の合意が必要です。また、テストを依頼するベンダーとは「どこまでの攻撃行為を許容するか」「本番環境の停止を避けるための除外条件」などを詳細なルール(ルールオブエンゲージメント)で合意してから実施することが必須です。資料請求では、テストシナリオの事例・除外条件の設定方法・実施中の連絡体制を確認してください。

    ペネトレーションテストを実施する前に確認すべき準備と前提条件

    ペネトレーションテストを実施する前に社内で整えておくべき前提条件は4つあります。(1)テスト対象の範囲の明確化: どのシステム・URLが診断対象か、除外するシステムはどれかを文書で確定させる。(2)法的・契約上の確認: クラウドサービス(AWS・Azure等)上のシステムを診断する場合、クラウドプロバイダーの利用規約でペネトレーションテストの実施が許可されているかを確認する(多くは事前申請が必要)。(3)ステークホルダーへの通知: テスト中に監視システム(SIEM・IDS等)がアラートを発した際に誤って実際のインシデント対応が動かないよう、セキュリティ担当・運用担当にテスト実施を通知しておく。(4)緊急停止手順の合意: テストが本番環境に予期せぬ影響を与えた場合の停止手順を事前に合意しておく。

    これらの前提を整えていないままペネトレーションテストを実施すると、本番環境の停止・誤ったインシデント対応の発動・クラウドプロバイダーからの利用規約違反の指摘といったトラブルが発生するリスクがあります。初めてペネトレーションテストを実施する組織は、まずベンダーとの事前打ち合わせで上記4点の整理を手伝ってもらえるか確認することを推奨します。資料請求では、初回実施組織向けの事前支援内容・実施前の準備チェックリストの提供有無を確認してください。

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    診断ベンダー選定時の導入条件の確認ポイント

    診断の種類を決めた後は、ベンダー選定の段階で確認すべき導入条件があります。契約前の確認が不十分だと、導入後に想定と異なる状況が生じる可能性があります。

    国内ベンダーと海外ベンダー、それぞれが向いているケースと選定基準

    国内ベンダーが向いているケースは「診断中のコミュニケーションを日本語で行いたい」「報告書・レポートを日本語で受け取る必要がある」「機密性の高いシステムの診断で、診断データが国外に送られないことを確認したい」「日本の法律・ガイドライン(個人情報保護法・IPA・総務省ガイドライン等)への準拠を証明したい」という場合です。特に政府機関・金融機関・医療機関の診断では国内ベンダーを選ぶことが実質的な要件になるケースが多くあります。

    海外ベンダー(グローバルなセキュリティ会社)が向いているケースは「海外拠点を含むグローバルなシステムを診断したい」「国際的なセキュリティ基準(NIST CSF・ISO 27001等)への準拠状況を評価したい」「英語での診断レポートが必要」という場合です。また、一部の診断技術(最新のゼロデイ攻撃手法の研究・グローバルな脅威インテリジェンスの活用)は海外の大手セキュリティ会社のほうが強みを持つことがあります。資料請求では、日本語サポートの対応状況・診断データの保管場所(国内外)・英語/日本語レポートの選択可否を確認してください。

    契約前に確認すべき診断範囲・期間・成果物・守秘義務の確認ポイント

    セキュリティ診断ベンダーとの契約前に必ず確認すべき事項は5つです。(1)診断範囲の明確化: 診断対象URL・ページ数・機能の範囲と除外条件を書面で合意する。(2)診断期間のスケジュール: 診断開始から報告書納品までの期間・本番環境への影響が生じる可能性がある作業の実施時間帯を確認する。(3)成果物の内容: 技術者向けの詳細レポートのみか・経営層向けエグゼクティブサマリーも含まれるか・修正方法の具体的な記載があるか。(4)守秘義務(NDA)の締結: 診断対象のシステム情報・発見された脆弱性情報の取り扱いについてNDAを締結しているかを確認する。(5)再診断(改善確認)の対応: 修正後の再スキャン・再診断が契約に含まれているか、追加費用が発生するかを確認する。

    特に(4)守秘義務の確認は、脆弱性情報が外部に漏れるリスクがあるため、単に「NDAを結ぶ」だけでなく「診断中に知り得た情報の保管方法・廃棄方法」まで合意することを推奨します。また(5)再診断の有無は、修正が正しく対応されたかを確認する上で重要です。再診断が含まれていないサービスは、修正後に自社で確認する手段を別途用意する必要があります。資料請求では、NDAの内容・再診断の料金体系・報告書サンプルを確認してください。

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    診断の導入条件に関するよくある質問

    診断の導入条件について、よくいただくご質問と回答をまとめました。

    ■Q1:複数種類の診断(WebアプリとネットワークとIoT)を同じベンダーにまとめて依頼できますか?
    可能なベンダーと不可能なベンダーがあります。Webアプリ診断に特化したベンダーはネットワーク診断やIoT診断に対応していない場合があります。複数種類の診断を同一ベンダーに一括依頼するメリットは、情報の集約・NDA締結の一元化・対応窓口の一本化です。ただし、専門性の観点から、種類ごとに最適なベンダーに分けて依頼する選択肢も有効です。資料請求で対応診断の種類を確認してから判断してください。
    ■Q2:クラウド環境(AWS・Azure)のシステムにペネトレーションテストを実施する際に必要な手続きは?
    AWSの場合、多くのサービスは現在事前申請なしでペネトレーションテストが可能ですが、特定のサービス(DoS攻撃のシミュレーション等)は禁止されています。Azureも同様のポリシーがあります。クラウドプロバイダーのポリシーは変更されることがあるため、テスト前に必ず各プロバイダーの最新の「ペネトレーションテストポリシー」を確認することを推奨します。診断ベンダーに依頼する場合も、ベンダーがクラウド環境での診断実績を持ち、ポリシーを把握しているかを確認してください。
    ■Q3:スマホアプリの診断依頼で、ストア公開前(開発中)でも診断は可能ですか?
    開発中のアプリへの診断は可能です。むしろストア公開後より公開前(リリース前)に診断することで、脆弱性が発覚した際の修正・再審査(App Store/Google Play)のスケジュールに余裕が生まれます。ストア公開前の診断はAPKファイル・IPAファイルを提供してベンダーが検証を行う形式が一般的です。診断実施にはベンダーとのNDA締結が前提になるため、開発中のソースコード・ファイルを渡す際の守秘義務の確認を先に行ってください。

    まとめ

    セキュリティ診断の導入条件は、診断の種類(Webアプリ・スマホアプリ・IoT・ネットワーク・ペネトレーションテスト)によって大きく異なります。自社のシステム構成・守りたい対象・予算・IT体制を整理し、それぞれの診断の種類が必要な条件に自社が該当するかを確認することが選定の出発点です。複数の診断種類が必要な場合は、優先度の高いものから段階的に導入することも有効です。資料請求でベンダーに自社の状況を伝えて、適した診断の提案を受けてください。

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