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決算個社ソフトウェア2026年09月09日

【株式会社CRI・ミドルウェア(証券コード:3698)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──増収を確保も営業利益は-15.6%の減益

【株式会社CRI・ミドルウェア(証券コード:3698)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──増収を確保も営業利益は-15.6%の減益

株式会社CRI・ミドルウェアは、ゲームや映像コンテンツの制作を技術面から支えるミドルウェアの開発企業です。音声圧縮や映像再生、リップシンクといった技術をライセンス提供し、国内外のゲーム会社などのコンテンツ制作を支えています。

2026年9月期第3四半期累計の連結業績は、売上高27億24百万円(前年同期比+4.3%)、営業利益3億94百万円(同-15.6%)となりました。経常利益は4億25百万円(同-10.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億93百万円(同-10.4%)です。

増収を確保する一方で、利益は前年同期を下回る結果になりました。増収減益という組み合わせが、今回の決算の特徴といえます。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【株式会社CRI・ミドルウェア(証券コード:3698)徹底解説】2026年9月期 第2四半期──上半期は減収減益も、第2四半期単独では回復基調

通期着地を左右する市場環境

同社が事業を展開するミドルウェア市場は、ゲームや映像コンテンツの制作動向に大きく左右されます。作品の表現が高度になるほど、音声や映像の処理を担う共通基盤への需要は高まる関係にあります。自社ですべてを内製するより、実績のあるミドルウェアを組み込む方が開発期間を短縮できるためです。

一方で、ライセンス型のビジネスは顧客側のタイトル開発サイクルの影響を受けます。大型タイトルの開発時期や発売時期によって、四半期ごとの売上が変動しやすい構造です。第3四半期までの累計で増収を確保していることは、需要そのものは堅調に推移していることを示していると考えられます。

通期の着地に向けては、第4四半期に売上をどれだけ積み上げられるかが焦点になります。同社は9月期決算であり、期末に向けた案件の計上状況が通期実績を左右する構造です。累計の進捗と通期予想の差から、下期後半に一定の売上計上を織り込んだ計画になっていると見られます。

業績推移

2026年9月期第3四半期累計の売上高は27億24百万円で、前年同期の26億11百万円から+4.3%の増収となりました。事業規模としては着実に拡大しています。

利益面では、営業利益が3億94百万円と前年同期の4億67百万円から-15.6%の減益になりました。経常利益は4億25百万円(前年同期比-10.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億93百万円(同-10.4%)です。営業利益の減少幅が経常利益や純利益より大きく、営業外の損益が減益幅を和らげた形になっています。1株当たり四半期純利益(EPS)は56.16円でした。

財務面では、第3四半期末の総資産が48億14百万円、純資産が42億14百万円となりました。前年同期末はそれぞれ57億73百万円、39億97百万円であり、総資産が減少する一方で純資産は増加しています。自己資本の厚みは維持されており、財務基盤は安定していると考えられます。

2026年9月期通期の業績予想は、売上高39億10百万円(前期比+13.4%)、営業利益6億円(同+8.2%)、経常利益6億16百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4億62百万円(同+9.8%)です。年間配当予想は27.0円とされています。

直近決算の重要ポイント

今回の決算で確認しておきたいのは、通期予想に対する進捗です。第3四半期累計の売上高27億24百万円は、通期予想39億10百万円に対して約70%の水準にあります。第3四半期時点の目安である75%をやや下回る進捗です。

利益面の進捗はさらに開きがあります。累計営業利益3億94百万円は通期予想6億円に対して約66%であり、通期予想を達成するには第4四半期に2億円を超える営業利益が必要になる計算です。売上・利益ともに、期末に向けた積み上げが前提の計画になっていると見られます。

もう一つの注目点は、増収でありながら減益となった構図です。売上高が前年同期比+4.3%と伸びる一方、営業利益は同-15.6%と減少しました。売上の増加が利益に結び付いていないことから、費用面の負担が増していることがうかがえます。

Q3時点の事業進捗

同社の収益は、ゲーム開発向けを中心としたミドルウェアのライセンス提供が中心です。音声圧縮や映像再生、リップシンクといった技術を製品化し、開発会社に組み込んでもらう形で対価を得ています。技術をいったん開発すれば複数の顧客に提供できるため、売上の増加が利益率の向上につながりやすい構造です。

ただし今回の第3四半期累計では、その関係が働きませんでした。売上高が前年同期比+4.3%と増加したのに対し、営業利益は同-15.6%の減益です。開発体制の強化や人件費の増加など、先行的な費用が利益を圧迫した可能性があると考えられます。

経常利益の減少幅が-10.7%と営業利益より小さい点も特徴です。営業外の収支が利益を下支えしており、本業の収益力の変化は営業利益の水準で見る必要があります。営業利益率は累計で14%台の水準にあり、前年同期の水準からは低下しています。

通期予想では営業利益6億円(前期比+8.2%)と増益を見込んでいます。第3四半期までの実績が減益であることを踏まえると、第4四半期での収益性の回復が前提になっていると見られます。

業界の注目ポイント

コンテンツの高品質化とミドルウェアの役割

ゲームや映像コンテンツは、表現の高度化が進むほど制作工程が複雑になります。音声や映像の処理は、どの作品にも共通して必要となる基盤技術であり、専門のミドルウェアを導入することで開発会社は本来注力すべき企画や演出に資源を振り向けられます。

ミドルウェアを提供する側から見れば、一度採用されると同じ開発会社の後続タイトルでも使われやすいという特徴があります。導入実績の積み上がりが、そのまま安定的なライセンス収入につながる構造です。継続的な採用をどこまで広げられるかが、事業規模を左右すると考えられます。

マルチプラットフォーム展開への対応

コンテンツは、家庭用ゲーム機やPC、スマートフォンなど複数の環境に向けて同時に提供されることが一般的になっています。環境ごとに仕様が異なるため、開発会社にとっては対応工数が課題になります。

複数環境に対応したミドルウェアを利用できれば、開発会社は移植や調整の負担を抑えられます。対応環境の幅は、ミドルウェア製品を選ぶ際の重要な判断材料になると考えられます。技術対応を継続するための開発投資が必要になる点は、収益構造上の負担でもあります。

ゲーム以外の領域への広がり

音声や映像を扱う技術は、ゲーム分野に限らず活用の余地があります。映像コンテンツの制作や、機器に組み込まれるソフトウエアなど、共通する技術要素は少なくありません。

収益源がゲーム分野に集中している場合、顧客のタイトル開発サイクルによって業績が変動しやすくなります。適用先の分野を広げることは、業績の振れ幅を抑えるうえでも意味を持つと考えられます。もっとも、新分野の開拓には時間と投資が必要であり、短期の収益に直結しにくい点は留意が必要です。

ITトレンド編集部の考察

第3四半期累計の決算は、売上高27億24百万円(前年同期比+4.3%)と増収を確保しながら、営業利益3億94百万円(同-15.6%)と減益になりました。売上が伸びても利益が伴わない状態が続いていることが、今回の決算から読み取れる点です。

通期予想は売上高39億10百万円(前期比+13.4%)、営業利益6億円(同+8.2%)と増収増益の計画です。累計の進捗が売上で約70%、営業利益で約66%であることを踏まえると、第4四半期に売上と利益の両面で大きな上積みが必要になります。9月期決算という期末の特性を踏まえた計画と見られますが、達成のハードルは低くないと考えられます。

一方で、純資産が前年同期末を上回って積み上がっている点は、財務面の安定を示しています。年間配当予想27.0円を維持しながら事業を運営できる体力はあると見られます。第4四半期の売上計上の進み方と、費用増の要因が一時的なものかどうかが、今後の評価を分ける論点になりそうです。

まとめ

  • 2026年9月期第3四半期累計の売上高は27億24百万円(前年同期比+4.3%)と増収
  • 営業利益3億94百万円(同-15.6%)、経常利益4億25百万円(同-10.7%)と減益
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益は2億93百万円(同-10.4%)、EPSは56.16円
  • 第3四半期末の総資産は48億14百万円、純資産は42億14百万円で自己資本は積み上がり
  • 通期予想は売上高39億10百万円(前期比+13.4%)、営業利益6億円(同+8.2%)、当期純利益4億62百万円(同+9.8%)、年間配当予想27.0円

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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