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決算個社IT・インターネット2026年09月09日

【株式会社アドバンスト・メディア(証券コード:3773)徹底解説】2027年3月期 第1四半期──IFRS適用と新規連結で売上収益39.9%増

【株式会社アドバンスト・メディア(証券コード:3773)徹底解説】2027年3月期 第1四半期──IFRS適用と新規連結で売上収益39.9%増

株式会社アドバンスト・メディアは、AI音声認識「AmiVoice」を中核に事業を展開する情報・通信企業です。コンタクトセンター向け、議事録・文字起こし向け、医療業界向けなど、業界特化型の音声認識ソリューションを提供しています。「日本語×音声認識×業界特化」という強みを軸に、AIで仕事の効率と効果を高めるAISH(AI Super Humanization)の実現を掲げています。

2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の連結業績は、売上収益21億12百万円(前年同期は15億9百万円、+39.9%)となりました。営業利益は2億86百万円(前年同期は1億99百万円、+44.0%)、税引前四半期利益は3億33百万円(同+41.7%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2億22百万円(同+43.0%)です。なお当第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を適用しており、前年同期の数値もIFRSベースに組み替えて比較しています。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【株式会社アドバンスト・メディア(証券コード:3773)徹底解説】2026年3月期 通期──増収も営業減益、純利益は過去最高益の17億39百万円

本記事では、今期スタートを取り巻く市場環境、業績推移、M&Aとセグメント再編の内容、そして通期目標に対する進捗を整理します。


1. 今期スタートを取り巻く市場環境

当第1四半期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向が見られました。一方で、物価上昇の継続や為替相場の変動、国際情勢の影響などにより、景気の先行きは不透明な状況が続いています。会社側も決算短信でこうした認識を示しています。

同社の事業環境では、各企業が生産性向上にAI技術を活用するニーズが高まっています。この動きを背景に、AI音声認識AmiVoiceの各種製品やサービスの導入・利用の継続が堅調に推移しました。生成AIの普及によって、音声データをテキスト化して活用する需要の裾野が広がっていると考えられます。

同社は2027年3月期に売上収益100億円、営業利益15億円の達成を目指しています。前期実績の売上収益70億63百万円からは大幅な増収が必要な水準です。この目標に向け、自社の成長に加えてM&Aを含む他社連携による販路拡大を進める方針を掲げています。


2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社アドバンスト・メディア 2027年3月期 第1四半期決算短信(PDF)

当第1四半期連結累計期間の売上収益は21億12百万円となり、前年同期の15億9百万円から+39.9%の増収となりました。中核事業であるCTI事業で継続性のあるサブスク利用のストック型案件の獲得が堅調に進んだことが主因です。あわせて利益率の高いフロー型案件も一定数獲得できました。

加えて、2026年4月14日付で連結子会社化した株式会社featの売上収益の計上を開始しています。この新規連結が増収率を押し上げる要因となりました。他事業においてもサブスク型のストック売上収益が概ね順調に獲得できています。

利益面では、営業利益が2億86百万円(前年同期比+44.0%)となりました。主にCTI事業で利益率の高いフロー型案件を獲得できたことが寄与しています。税引前四半期利益は3億33百万円(同+41.7%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2億22百万円(同+43.0%)と、いずれも4割超の増益です。

財政状態では、第1四半期末の総資産が172億95百万円、資本合計が127億41百万円となりました。通期予想は、売上収益100億円(前期比+41.6%)、営業利益15億円(同+6.2%)、税引前当期利益15億円(同-1.4%)、当期利益11億円(同+2.2%)です。年間配当予想は22円としています。


3. 直近決算の重要ポイント

今回の決算で最も注目すべきは、会計基準の変更と報告セグメントの再編です。当第1四半期より従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)を適用しました。前年同期および前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えられているため、過去の開示値との単純比較には注意が必要です。

セグメント区分も変更されました。従来の「音声事業」を、AI音声認識を中核とするプラットフォーム提供事業と、AIを活用した人材・業務支援サービス事業に区分しています。前者が「AISHプラットフォーム事業」、後者が「AISHサービス事業」です。事業実態をより適切に表し、経営資源の配分と業績評価の精度を高めることが目的とされています。

もう一つの重要な動きが、株式会社featの連結子会社化です。同社はソフトウェアの第三者検証を中心に事業を展開しており、2026年4月14日付で子会社となりました。M&Aを含む他社連携による販路開拓と販売拡大を進めるM-Dev戦略の一環と位置づけられています。


4. 今期の重点領域と収益構造

新セグメント区分では、AISHプラットフォーム事業の売上収益が17億29百万円(前年同期比+16.2%、セグメント間取引調整前)、セグメント利益が2億98百万円(同+51.8%)となりました。株式会社アドバンスト・メディア本体が中心であり、収益の主軸であることに変わりはありません。CTI事業でストック型案件の獲得が進み、利益率の高いフロー型案件も加わって増収増益となりました。

AISHサービス事業は売上収益4億1百万円、セグメント利益19百万円です。株式会社featの新規連結により、前年同期の33百万円から大幅に規模が拡大しました。人材派遣や受託を通じて、AIを活用した業務支援を提供する事業領域です。

事業部別に見ると、プラットフォーム事業の中核はCTI事業部で、売上収益9億15百万円のうちストック売上収益が7億99百万円を占めます。ストック比率は87.4%です。VoXT事業部はストック比率99.0%、医療事業部は55.8%となっており、事業部によってストック化の進み方に差がある構造が見て取れます。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:ライセンス数の着実な積み上げ

CTI事業部のライセンス数は前期末の95,430から当第1四半期末に97,804へ増加しました。VoXT事業部の主力2製品は21,925から22,367へ、医療事業部は68,991から69,444へと伸びています。建設・不動産業界向けのBDC本部は85,932から90,034へ拡大しました。

ライセンス数の積み上げは、そのままストック型収益の基盤拡大につながります。四半期単位でも各事業部が増加を確保しており、継続課金モデルの浸透が進んでいると考えられます。

ポイント2:M&Aによる非連続な成長

株式会社featの連結子会社化により、AISHサービス事業の売上収益は前年同期の33百万円から4億1百万円へ拡大しました。自社の内部成長だけでは実現しにくい規模の拡大です。M-Dev戦略として、M&Aを含む他社連携で市場規模の拡大を図る方針が示されています。

一方で、買収後の統合プロセスをどう進めるかは今後の課題です。会社側もPMI(M&A後の統合プロセス)を進めていると説明しており、統合効果の発現時期が注目されます。

ポイント3:通期目標100億円との距離

通期の売上収益目標は100億円です。第1四半期の実績21億12百万円は、この目標に対して約21%の進捗にとどまります。前期実績70億63百万円から+41.6%という高い増収目標であり、四半期ごとの積み上げペースが問われる展開です。

営業利益は通期予想15億円に対して2億86百万円で、進捗率は約19%です。第1四半期時点では目安を下回る水準であり、下期にかけて利益を積み上げられるかが焦点になると考えられます。


6. ITトレンド編集部の考察

2027年3月期第1四半期を一言で表すと、「会計基準とセグメントを刷新し、M&Aを伴って高い増収でスタートした四半期」です。売上収益+39.9%、営業利益+44.0%という数字は力強く、増収率を上回る増益率を確保した点も評価できます。

成長の中身を見ると、自社の内部成長と新規連結の両方が寄与しています。CTI事業部を中心とするストック型案件の積み上げは着実であり、ライセンス数も各事業部で増加しました。加えて株式会社featの連結が、規模の拡大を一段押し上げる形となっています。

ただし通期目標との距離は残ります。売上収益100億円に対する第1四半期の進捗は約21%、営業利益15億円に対しては約19%です。前期の営業利益14億40百万円からの伸び率が+6.2%にとどまる計画であることも踏まえると、増収を利益にどこまで結びつけられるかが今期の実質的なテーマになりそうです。


7. まとめ

株式会社アドバンスト・メディアを一言で表すと、「業界特化型のAI音声認識を軸に、M&Aも活用して非連続成長を狙う企業」です。

2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の業績は以下のとおりでした。

  • 売上収益 21億12百万円(前年同期は15億9百万円、+39.9%)
  • 営業利益 2億86百万円(前年同期は1億99百万円、+44.0%)
  • 税引前四半期利益 3億33百万円(同+41.7%)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益 2億22百万円(同+43.0%)
  • 当第1四半期よりIFRSを適用、前年同期の数値も組み替えて比較

セグメント別では、AISHプラットフォーム事業が売上収益17億29百万円(同+16.2%)、セグメント利益2億98百万円(同+51.8%)となり、AISHサービス事業は株式会社featの新規連結で売上収益4億1百万円へ拡大しました。

通期(2027年3月期)の予想は以下のとおりです。

  • 売上収益 100億円(前期比+41.6%)
  • 営業利益 15億円(同+6.2%)
  • 税引前当期利益 15億円(同-1.4%)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益 11億円(同+2.2%)
  • 年間配当予想 22円

第1四半期の進捗は売上収益で約21%、営業利益で約19%です。ストック型収益の積み上げとM&A効果の発現が、通期目標の達成を左右するポイントになりそうです。


ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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