導入条件から考えるアプリ解析ツールの選び方
導入条件を整理する際は、まず自社の所在地や取り扱うデータの性質に応じた基本的な確認事項から見ていきましょう。
国産のアプリ解析ツールを検討する視点
国産のアプリ解析ツールは、日本語でのマニュアルやサポートを受けやすい傾向がありますが、国産であることが機能面での優位性を直接示すわけではありません。提供会社の開発体制や更新頻度によって、機能の充実度は製品ごとに異なります。
選定の際は、国産か海外製かという軸だけでなく、自社が求める機能やサポート範囲を満たしているかを個別に確認することが重要です。海外製ツールでも日本語対応や国内サポート窓口を用意している場合があるため、あわせて比較しておくとよいでしょう。国産だから安心、海外製だから不安と単純に決めつけず、提供会社の実績やサポート体制を具体的に確認する姿勢が求められます。契約前に問い合わせ窓口の対応時間や言語をあわせて確認しておくと、導入後の相談がしやすくなります。
セキュリティ要件が厳しい企業で確認したいこと
セキュリティ要件が厳しい企業では、データの保存場所や暗号化方式、アクセス権限の管理方法を具体的に確認する必要があります。自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて、適合するかを個別に判断することが求められます。
製品によってセキュリティ対策の内容は異なるため、認証の取得状況だけで安全性を判断せず、実際の運用ルールや障害時の対応体制まで確認することが望まれます。情報システム部門と連携して確認を進めるとよいでしょう。障害発生時に通知を受けられる仕組みや、復旧までのプロセスが明示されているかも、選定時にあわせて確認しておくと安心です。
認証取得状況とAPI連携の要件
ISMSなどの認証や、外部システムとのAPI連携は、企業によって必須条件になる場合があります。それぞれの確認ポイントを整理します。
ISMS対応状況の確認方法
ISMSは情報セキュリティマネジメントシステムに関する認証の一つで、取得している製品は一定の情報管理体制を整えていると考えられます。ただし、認証の有無だけで運用の安全性をすべて判断できるわけではありません。
認証取得状況は公式サイトや資料請求時の情報で確認できる場合が多いため、契約前に取得範囲や更新状況もあわせて確認しておくと安心です。認証対象がツール全体か一部の機能かによっても、確認すべき内容は変わります。取得済みと記載があっても更新時期が古い場合があるため、最新の認証状況をベンダーに直接確認することも選択肢の一つです。監査対応が必要な企業では、認証取得の証明書や運用ルールの提示を求められる場合もあるため、事前に開示可能な範囲を確認しておくとよいでしょう。
API連携が必須の場合に確認すべき点
広告プラットフォームやCRM、BIツールなど、外部システムとのAPI連携が必須の場合は、対応可能な連携先やAPIの仕様を事前に確認する必要があります。連携実績が公開されている製品であれば、比較の参考になります。
API連携は、ツール側の仕様だけでなく連携先システムの仕様変更によっても影響を受ける場合があります。連携が停止した際の通知や、再設定のしやすさもあわせて確認しておくと、運用開始後のトラブルに対応しやすくなります。連携先が複数になるほど管理が煩雑になりやすいため、連携状況を一覧で確認できる画面があるかも比較材料になります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアプリ解析ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
分析項目のカスタマイズ性
自社独自の分析項目を設定したい場合、カスタマイズ性の高さが選定の判断材料になります。既存システムとの整合性もあわせて確認しましょう。
分析項目を自由に設計できるかの確認
標準機能だけでは自社の事業モデルに合った分析ができない場合、独自のイベントや計測項目を追加できる自由度の高さが重要な確認事項になります。カスタマイズの範囲は製品によって異なります。
カスタマイズ性が高い製品ほど、初期設定や運用時の管理に専門知識を要する場合があります。自社で設定・運用できる体制があるか、あるいはベンダーの設定支援を受けられるかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。独自の分析項目を追加した場合、SDKのアップデートのたびに設定が崩れることもあるため、変更時の検証手順を用意しておくと安心です。
既存システムとの整合性を確認する視点
すでに社内で利用しているBIツールや基幹システムがある場合、データの形式や連携方法が整合するかを確認する必要があります。整合性が取れないと、データを二重に管理する手間が発生する場合があります。
導入前にテスト環境でデータ連携を試し、想定通りに反映されるかを確認する方法が有効です。連携がうまくいかない場合の原因は、ツール側だけでなく既存システム側の設定にある場合もあるため、双方から確認することが望まれます。検証を行う際は、本番環境への影響を避けるため、ベンダーが案内する検証手順に沿って、情報システム部門と連携しながら進めることが望まれます。
海外展開・多言語対応の要件
アプリを海外展開する場合、多言語対応や海外の広告プラットフォームとの連携状況が導入条件になります。
多言語対応の範囲を確認する方法
多言語対応と一口にいっても、管理画面の表示言語のみに対応している場合と、レポートやサポート対応まで多言語化されている場合があります。自社が必要とする範囲を明確にしたうえで比較することが重要です。
海外拠点のメンバーが管理画面を利用する場合は、実際の操作画面を確認し、翻訳の精度や表現のわかりやすさもあわせて確認しておくと、導入後の混乱を防ぎやすくなります。サポート窓口が日本語のみに対応している場合、海外拠点からの問い合わせ対応に時間がかかる可能性もあるため、対応言語の範囲も確認しておきましょう。
海外の広告プラットフォームとの連携状況
海外向けにアプリを展開する場合、現地で主流の広告プラットフォームとの連携実績があるかを確認する必要があります。連携対応が国内向けに限定されている製品もあるため、事前の確認が欠かせません。
連携対応の遅れは、製品の開発体制や優先度によって差が出る場合があるため、国産か海外製かという属性だけで判断せず、各社の対応実績を個別に確認することが望まれます。導入事例や公式サイトの情報だけでなく、実際に問い合わせて対応状況を確認する方法も有効です。
クロスプラットフォーム対応の確認ポイント
iOSとAndroidの両方でアプリを提供している場合、クロスプラットフォームでのデータ統合が比較の重要な軸になります。
iOS・Android両対応で確認したい機能差
iOSとAndroidでは、OSの仕様や広告識別子の取り扱いが異なるため、両方に対応しているツールでも、取得できるデータの範囲に差が出る場合があります。契約前に両OSでの機能差を具体的に確認しておきましょう。
特にOSの仕様変更が行われた際、対応の反映スピードは製品によって異なります。過去の対応実績や、仕様変更時の情報提供の仕組みがあるかも、あわせて確認しておくと安心です。仕様変更への対応が遅れると、一時的にデータの一部が正しく計測されない可能性もあるため、変更情報を早期に受け取れる体制も比較材料になります。
複数OS間でのデータ統合の考え方
iOS版とAndroid版を別々に分析すると、アプリ全体としてのユーザー行動を把握しにくくなる場合があります。両OSのデータを1つの画面で統合して確認できる機能があるかを比較しましょう。
統合して分析する際は、OSごとに計測項目の定義がそろっているかも確認が必要です。定義がそろっていないと、比較しても正しい傾向をつかめない可能性があるため、導入前に計測設計をすり合わせておくことが望まれます。開発担当者と分析担当者が計測項目の認識をすり合わせておくことで、OS間での数値の食い違いに気づきやすくなり、正確な比較がしやすくなります。
導入条件を踏まえて確認したいアプリ解析ツール
セキュリティ要件やAPI連携、クロスプラットフォーム対応など、ここまで整理した導入条件を踏まえ、比較の参考になるアプリ解析ツールを紹介します。自社の条件に合うかを製品ページで確認してみてください。
APPBOX
- 0から作るよりもスクラッチ開発で早期にアプリの提供が可能
- 他社開発の既存アプリも好みの機能を組み込んで更に進化できる
- アプリにモジュールを組み込むことで既存アプリの活用が可能
株式会社アイリッジが提供する「APPBOX」は、国内向けに提供されているアプリ解析ツールです。ユーザーの行動ログを収集し、画面遷移や離脱状況を可視化できるほか、セグメント配信によるプッシュ通知にも対応しています。日本語でのサポートを受けられる点が特徴で、国内での運用体制を整えたい企業の比較先候補になります。
Adjust (adjust株式会社)
- キャンペーンの自動最適化で広告運用を効率化
- 単一のビューで複数アプリの情報を確認・比較
- グローバル基準のセキュリティ環境でデータとユーザーを保護
ThinkingData (シンキングデータ株式会社)
- グローバルでの豊富な支援実績(1,500社、8,000アプリ以上)
- ノーコードで誰でもデータアナリストになれるUI
- ゲームカテゴリー別の最適化ソリューション
まとめ
アプリ解析ツールの導入条件は、国産かどうかだけでなく、セキュリティ要件やISMS対応、API連携、カスタマイズ性、多言語対応、クロスプラットフォーム対応など多岐にわたります。自社の条件を整理したうえで複数の製品を比較し、資料請求を通じて具体的な対応範囲を確認してみてください。条件を満たすかどうかは製品情報だけで判断せず、必要に応じてベンダーへ直接問い合わせることも検討しましょう。


