CDNのおさらい
CDNとは、Contents Delivery Networkの略で、端的にいうと、Webサイトにおけるコンテンツ配信を加速化させるためのネットワーク網のことです。
従来では、自社で管理・運用しているオリジンサーバを通じてWebサイト上のコンテンツの配信を行っており、その結果としてサーバに負担がかかって、Webサイトの表示速度に遅れが生じてしまうことが問題となってました。さらには海外からアクセスがあった場合も、ユーザにコンテンツを配信するまでに表示遅延が起きていました。
CDNサービスを利用すれば世界中に設置されたCDNサーバを通じてコンテンツ配信が分散されて実行されるため、オリジンサーバの負担を軽減し、かつ配信の速度を向上させることが可能になります。
自社に合ったCDNサービスの見極め方
以下で、それぞれのCDNサービスの中から自社にあったものを見分けるポイントをご紹介します。
①対策したいエリアは対応されているか?
海外展開しているWebサービスで、海外でのユーザ数を増加させたい・海外でのシェアを獲得していきたい、というニーズの元にCDNサービスを検討される場合は、この点が重要です。
サーバとユーザの距離に比例して表示速度は低下し、距離が離れれば離れるほどに表示までのスピードは遅くなります。ユーザの近くからコンテンツを配信する、という方法もありますが、管理コスト等も考慮すると現実的ではないでしょう。
そこでCDNサービスが効果を発揮します。わざわざ現地にサーバを設置しなくても、CDNサービスを利用すれば、事業者が所有するネットワークを通じて現地のサーバからコンテンツ配信を行うことが可能となるのです。この結果、海外のユーザにも利用環境を提供することが可能になり、快適にWebサービスを利用してもらうことができます。
しかしながら、CDNサービス提供事業者の中には、海外に多くCDNサーバを配置している事業者もいれば、日本国内のネットワークに強みを持つ事業者もいます。上記でお伝えしたような好循環を実現させるためにも、事業者が自社のターゲットユーザのいるエリアにCDNサーバを設置しているかどうか、は必ずチェックして起きましょう。
②料金体系は自社に合った内容か?
基本的にはCDNサーバから配信されるデータ量に応じて課金する事業者が一般的です。そのほかには、月額で一定までのデータ量を配信できる月額固定制や、配信したピーク帯域に対して課金する帯域課金制、中にはデータ量に加えてHTTP/HTTPSリクエスト数も課金対象としている事業者もいます。
サーバから配信されるデータ量で換算すると安いのに、リクエスト数の料金も含めると割高になってしまった、というケースもあります。導入後にこのような事態に陥らないためにも、導入前に料金体系や課金される対象などを入念に確認しておきましょう。
③サポート体制は整っているか?
CDNサービス事業者のサポート体制は、導入前に必ずチェックしておきたい項目だといえます。いつ、どのタイミングでシステムに支障が生じるか、は予測できません。ダウンタイムが長引いてしまうと、ユーザの信頼を損なう可能性もあります。不測の事態に対応するためにも運用時のトラフィック・サーバ・アプリケーション等を24時間365日体制で監視してくれる事業者や、いつでもメールや電話などで問い合わせができる状態を保っている事業者を選ぶことはとても重要です。
まとめ
以上、CDNサービスを選ぶ際に外せないポイントをご紹介しました。これらを踏まえて、導入後にコンテンツ配信の速度向上に成功し、成果をあげるようなイメージができるCDNサービスを見つけましょう。