フィルタリングとは
フィルタリングとは、主に未成年者の違法・有害なウェブサイトへのアクセスを制限し、安心してインターネットを利用できるよう手助けするサービスのことです。フィルタリングを事前に設定しておくと、子どもがアダルト系やギャンブルなど有害なサイトを見る危険を回避できます。
2018年に「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」の改正法が施行され、18歳未満の青少年がスマートフォンや携帯電話の契約・機種変更をする際、携帯電話事業者はフィルタリングサービスを提供することが義務づけられました。
参考:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)|e-GOV
参考:青少年インターネット環境整備法・関係法令|内閣府
フィルタリングの対象基準と方式
フィルタリングの方法は大きく分けると、下記のとおり2種類です。
- ■ホワイトリスト方式
- 一定の審査基準を満たした安全なサイトのみアクセス可能で、それ以外のサイトはブロックされる方式のこと
- ■ブラックリスト方式
- ホワイトリストとは逆に、有害と思われる特定のサイトへのアクセスだけを制限し、それ以外のサイトは閲覧できる方式のこと
フィルタリングを利用しない場合のリスク
フィルタリングをしないと、どういったリスクがあるのでしょうか。考えられる2つのリスクを見ていきましょう。
個人情報の漏えいや個人の特定のリスク
未成年は大人に比べるとネットリテラシーが低いです。どんなWebサイトが危険であり、SNSでどこまで情報を公開していいのかわかりません。また、スマートフォンの機能を十分に理解できていない子どもも多いでしょう。
悪質なサイトにアクセスして個人情報が盗まれたり、SNSに写真をアップし、そこから位置情報が漏れてしまったりするリスクがあります。何気ない写真や投稿といったさまざまな情報が組み合わさることで、個人が特定されてしまうのです。
犯罪に巻き込まれてしまうリスク
中高生が興味本位で違法・有害サイトへアクセスし、凶悪犯罪に巻き込まれることは少なくありません。また、SNSを通じて知らない人と実際に会うケースも増えています。中には写真や年齢といった素性を偽り、未成年を狙う犯罪者が存在するため、非常に危険です。
さらに、「ゲーム攻略サイト」など、有害でないように見えるコンテンツに犯罪者が罠を仕掛けている場合もあります。これは興味をそそるような文言でクリックを誘い、その後に高額な料金を請求する詐欺です。
フィルタリングの具体的な方法
フィルタリングはどのように設定すればよいのでしょうか。具体的な方法を3つ解説します。
スマートフォンのフィルタリング機能を利用する方法
iPhoneやAndroidにはフィルタリング機能が標準搭載されています。無料で操作も簡単なため、まずこちらから確認してみるとよいでしょう。
iPhoneのフィルタリング設定方法
iPhoneのフィルタリング設定方法は下記のとおりです。
- ■iPhoneのフィルタリング設定方法
-
- 1.「設定」→「スクリーンタイム」をタップし、「コンテンツとプライバシーの制限」を選択
- 2.「コンテンツとプライバシーの制限」を「ON」にし、「コンテンツ制限」を選択
- 3.制限したいコンテンツを選択して完了
Androidの場合
Androidではアプリごとの設定が必要です。ここではChromeでの設定方法を紹介します。
- ■Androidのフィルタリング設定方法
-
- 1.Chromeを開き、画面右上の三点アイコンをタップし、「PC版サイト」を選択
- 2.Googleを開き、画面左上の三本線アイコンをタップし、「Setting」を選択
- 3.検索の設定画面で「セーフサーチフィルタ」の「不適切な検索結果を除外」にチェック
携帯電話各社のサービスを利用する方法
携帯電話各社がさまざまなフィルタリングサービスを提供しています。
小学生、中学生、高校生別のフィルタリングが行え、保護者の利用目的に合わせたカスタマイズが可能です。また、子どもが勝手にフィルタリングを解除しないよう、パスワードの設定も行えます。ただし、携帯会社によってサービスの内容には違いがありますので、利用状況にあわせて適切に設定しましょう。
- 主要携帯電話事業者のフィルタリングサービス案内ページ
- ■NTTドコモ
- 「フィルタリングサービス」
- https://www.nttdocomo.co.jp/service/filtering/
- ■KDDI
- 「フィルタリングサービス」
- https://www.au.com/mobile/service/filtering/
- ■ソフトバンク
- 「ウェブ安心サービス」
- https://www.softbank.jp/mobile/service/web_safety/
- ■ワイモバイル
- 「フィルタリングサービス」
- https://www.ymobile.jp/service/filtering/
フィルタリングアプリを利用する方法
フィルタリングアプリとは、携帯電話各社やセキュリティベンダーが提供しているフィルタリングソフトの1つです。iPhone、Androidのどちらでも利用できます。
スマートフォンの機能や携帯キャリアのサービスよりも詳細な設定が行えるため、カスタマイズ性を重視する場合におすすめです。たとえば、ネット依存対策を目的として長時間の利用を制限したり、利用状況の確認が行えたりする機能を搭載しています。
効果的なフィルタリングをして安全にネットを利用しよう!
2021年4月に行われた総務省による実態調査の中には、下記の結果が出ています。
- ・フィルタリングの利用率は低く、継続的な利用促進のための取組が必要。
- ・高校生におけるインターネットの危険性を啓発する。
- ・特に、低年齢層の子供を持つ保護者向けには、スマートフォン購入時にフィルタリングの案内をすることが望ましい。
- ・保護者には「リテラシーの向上」を、子供には「自身で危険性を判断できるようになる」教育や情報・サービス展開を行うことが望ましい。
参考:【実態調査】我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査結果(2021年4月20日掲載)|総務省
子供の安全のために保護者がネットリテラシーを高め、利用環境を整えることはとても大切です。フィルタリング設定だけでなく親子で話し合い、目的に応じて柔軟に活用していきましょう。