スマートデバイス連携システムのタイプと機能
スマートデバイスの活用は一言でいうと、「従来IT化されていなかった分野の開拓」です。わかりやすい例が、外出先で活用できるサービスや営業担当者の業務支援や行動の把握です。工場は機械化され、オフィスはIT化されてきました。しかし、外出先まではシステム化されていません。この分野を「スマートデバイス連携システム」は開拓するのです。
具体的な目的には「業務システム連携」「ワークスタイル変革」「現場業務支援」などが考えられます。これらを実現できるかどうかは「スマートデバイス連携システム」の機能やタイプにかかっています。なお、複数の機能を備えているシステムも多くあります。
業務システム連携タイプ
既存の業務システムにスマートデバイスからアクセスできるようにします。CRM、SFA、販売管理システムなどに外出先からアクセスし、業務を効率化します。シングルサインオンやSSL接続で通信路の安全性を担保する機能などが搭載されています。
現場作業支援タイプ
「業務システム連携タイプ」が既存業務システムへの連携であるのに対し、この「現場作業支援タイプ」は新たな支援システムを構築することができます。たとえばサービスマン向けの「報告書作成支援システム」を構築し、お客様先での報告書入力、サーバへの転送、上司の承認などの一連の作業が完了できるようになります。また、GPS機能なども利用できます。
情報共有タイプ
スマートデバイスから社内のファイルサーバにアクセスします。また、顧客データやプレゼンテーション資料なども活用でき、外出先での業務を支援します。
グループウェアタイプ
グループウェアを外出先から利用できるようにするタイプです。メールやスケジュール確認、ワークフローの申請や承認、共有データへのアクセスなどが可能です。
コンテンツ配信タイプ
マニュアルなどの販売資料、カタログなどのプレゼンテーション資料を作成・登録し、サーバで一元管理します。
その他タイプ
- ■BYOD(Bring Your Own Device)実現タイプ
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従業員個人が保有するスマートデバイスを業務で利用できるようにする機能を提供します。
- ■WiFiソリューションタイプ
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アクセスポイントを頼ることなく、無線LAN搭載デバイス間で通信できるようにします。
スマートデバイス連携システム選定のポイント
スマートデバイスが潮流となっていますが、外出先で使える端末活用の模索は今に始まったことではありません。1990年代には電子手帳(PDA)がありました。同時に携帯電話も登場し著しく進化していきます。
スマートフォンは、このPDAと携帯電話の機能を併せ持ったデバイスと考えることができます。
PDAも携帯電話も業務システムへの活用が検討されてきましたが、以下の理由で多くは挫折しています。「スマートデバイス連携システム」の活用では、この課題をいかに解消できるかがポイントとなります。
運用性
PDAの業務システム活用を拒んだのは、端末が増えることで情報システム部門の管理能力を超える危険性があったからです。人数を増やすことなく管理できるか、各種管理画面の使いやすさ、管理の自動化、ディレクトリサービスとの連携、などを確認しましょう。
セキュリティ
現在ほどではないにせよ、2000年前後にもセキュリティの重要性は叫ばれていました。PDAに機密情報を持たせたくない、会社のシステムにアクセスさせたくないと考えたのは、なくした場合のことを考えてのことです。通信経路の暗号化、端末認証/証明書、自社ポリシーへの適合、盗難時/紛失時の対応など、情報漏えいの不安を払拭できる機能が不可欠になります。
操作性
「業務改善」「ワークスタイル革新」といわれて、抵抗を示すのは現場の従業員でした。いまだに小さな画面やキーの操作を苦手とする方はいます。マニュアルや講習会無しに、スムーズに導入できる操作性かどうかを確認しましょう。
スマートデバイス連携システム選定ポイントをおさえて検討する
スマートデバイス連携システム選定の際は、タイプと機能を調べ、自社に合ったものを選びましょう。また、運用性、セキュリティ、操作性を考慮し導入を進めましょう。
スマートデバイス連携システムの構築・導入に際しては、システム構築サービスの提供事業者(SIer)の実績とコンサルティング能力も確認しましょう。自社に最適なスマートデバイスの業務活用を目指してください。
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