情報漏えい対策の総合的ソリューションにSPS
数あるセキュリティソリューションの中では、アンチウイルスやファイアウォールといった機器やソフトウェアの対策が広く注目されており、印刷セキュリティ(SPS)などはあまり注目を集めないかもしれません。
確かに広く知られていたり、ニュースで取り上げられるサイバー攻撃への対策としてはこうしたソリューションのほうが重要だと言えますが、ではなぜSPSを検討する必要があるのでしょうか。
端的に書けば、SPSを導入するのは社内での紙媒体を通じた情報の行き来や、情報そのものの管理に役に立つソリューションだと言えるでしょう。
その特徴を活かせば、社内の機微な情報がいつ、どこで紙に印刷されたのかを追跡して情報管理を可能にしたり、不要な印刷を制限して情報漏えいリスクの高まりを防いだりすることができます。このような点から、SPSの導入には情報管理を強化する効果があるといえます。
社内の情報管理の強化に課題がある場合は権限管理機能を
もう少し個別の課題についてみていきましょう。印刷セキュリティソリューションについては、さまざまな活用の仕方があり、すでに述べた通り不要な印刷の制限や、権限の管理により適切な人が適切な手続きでなければ、文書の印刷ができないように設定したりすることもできます。
こうした機能を活用して、社内の機微な情報、つまりその情報が漏えいしてしまえば、取引先や自社に損害が発生しかねない情報をきちんと管理する体制を整備することができます。
より具体的な課題としてはどのような例があるでしょうか?
具体的には、流出しては困る顧客の機微な情報や顧客リストの管理を強化することができ、実際にその文書を必要とし、業務で使う人のみに印刷できるようにすれば、少なくともまったく関係のない部署の社員が当該情報を印刷して、持ち出したり、それが流出してしまうような事故を避けられます。これがまず一つの分かり易い例だと言えるでしょう。
つまり、社内の情報漏洩対策として印刷セキュリティソリューションを導入する場合は、権限管理などの機能があるソリューションを導入することが一つの方法だと言えます。
コンプライアンスの強化に課題があればログ蓄積機能は必須
もう一つの例を見てみましょう。それはコンプライアンス対策に課題がある場合です。現在では、さまざまな情報漏えい事故が起きていますが、ひとたび事故が起こればマスコミからの取材に応えなければならない一方で、社会や株主に対する説明責任を果たさなくてはなりません。
こうした時に必要となるのが、どのようなプロセスで機密情報が印刷された文書が作られ、やりとりされたのかという記録ではないでしょうか。
しかし当然ながら、文書印刷などのプロセスのそれぞれについて記録をとって置かなければ、社外からの問い合わせに答えられませんし、説明責任を果たすこともできません。したがって、そうした対外的に説明できる環境を整えるという基準からも、印刷セキュリティソリューションを選択することができます。
具体的には、印刷セキュリティソリューションの中には、ログの記録、保存を機能として備えているものもありますので、こうした点を重視する場合には、ログ機能を中心に選別するということも一つの方法だと言えます。
課題を見極め、適切なソリューションを見つける
こうしてみれば、印刷セキュリティソリューション自体にもいくつかの機能があり、企業・組織の課題に応じて構築や運用ができると言えます。
そこで重要になるのは、現在、自社では何が課題となっており、その解決のためにはどのSPSを選択することが最適なのかということを明確化することだと言えるでしょう。そうした点に注意して、ソリューションの選定が必要と言えそうです。