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決算個社IT・インターネット2026年09月07日

【株式会社fonfun(証券コード:2323)徹底解説】2026年3月期通期──M&A効果で純利益150.8%増

【株式会社fonfun(証券コード:2323)徹底解説】2026年3月期通期──M&A効果で純利益150.8%増

株式会社fonfunは、「テクノロジーで社会をもっとスマートに。」をミッションに掲げ、SMS配信サービス「バンソウSMS」やクラウド電話「CallConnect」などを展開する「クラウドソリューション事業」と、企業のDX内製化支援を手がける「DXソリューション事業」の2セグメントを軸とする情報・通信企業です。2026年3月期(通期)の連結業績は、売上高21億11百万円(前年同期比+66.4%)、営業利益2億42百万円(同+61.9%)、経常利益2億71百万円(同+65.6%)、当期純利益4億24百万円(同+150.8%)と、大幅な増収増益となりました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
株式会社fonfun(証券コード:2323)の決算解説

本記事では、2026年3月期を振り返る市場・業界の変化、業績の推移、M&Aを通じた事業拡大の背景、そして翌期の見通しを整理します。


1. 2026年3月期を振り返る市場・業界の変化

2026年3月期のわが国経済は、生成AIをはじめとする先端技術の社会実装が急速に進展し、産業構造の抜本的な転換期を迎えました。IT業界においては、深刻な労働力不足を背景とした業務効率化ニーズに加え、既存システムの刷新(いわゆる「2025年の崖」への対応)が一段落したことで、市場の関心に大きな変化が見られました。

具体的には、従来のコスト削減を目的とした「守りのDX」から、蓄積されたデータを収益化につなげる「攻めのDX」へと需要がシフトしています。この変化に伴い、単一のツール導入にとどまらない、より複雑で多領域にわたる課題解決が求められるようになり、DX需要は一過性のブームを超えて高止まりの状態で推移しました。

こうした環境の中、fonfunは持続可能な成長基盤の強化と企業価値向上を目的として、積極的な組織規模の拡大を推進しました。2025年12月には持分法適用会社であった株式会社マイクロウェーブデジタルを完全子会社化し、2026年3月には株式会社YNPを完全子会社化するなど、M&Aを通じた事業基盤の拡充を進めた1年となりました。


2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社fonfun 2026年3月期決算短信(PDF)

2026年3月期の売上高は21億11百万円(前年同期比+66.4%)となりました。セグメント別では、クラウドソリューション事業が9億56百万円(同+19.9%)、DXソリューション事業が11億54百万円(同+145.3%)と、いずれも増収を確保しましたが、特にDXソリューション事業がM&Aによる連結子会社化の効果もあり大きく伸長しました。

利益面では、営業利益2億42百万円(前年同期比+61.9%)、経常利益2億71百万円(同+65.6%)、当期純利益4億24百万円(同+150.8%)と、いずれも大幅な増益となりました。当期純利益の伸び率が特に高いのは、段階取得に係る差益11百万円などの特別利益が寄与したことによるものです。なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較は一部提出会社個別の財務諸表との比較を参考情報として記載しています。

翌期(2027年3月期)の業績見通しは、売上高35億99百万円(前年比+70.5%)、営業利益4億72百万円(同+95.1%)、経常利益4億47百万円(同+64.7%)、純利益4億46百万円(同+5.1%)としています。2025年12月・2026年3月に完全子会社化したマイクロウェーブデジタルとYNPの業績が通年で寄与することが、大幅な増収増益予想の主な要因です。


3. 直近決算の重要ポイント

今回の決算で最も注目すべきは、M&Aを通じた事業規模の急拡大です。2025年12月1日付でマイクロウェーブデジタルの株式を追加取得し完全子会社化(2026年3月31日付で吸収合併)したほか、2026年3月2日付でYNPを完全子会社化しました。これらの施策により、グループ全体の技術力とリソースが拡充され、複雑化する顧客課題への対応力が強化されています。

事業面では「ストック収益による安定」と「高付加価値支援による成長」の両輪で事業を推進しました。クラウドソリューション事業では、「バンソウSMS」「リモートメール」「CallConnect」「れすだく」等のストック収益ビジネスを拡充し、安定的な収益基盤を堅持しています。DXソリューション事業では、クライアント企業のレガシーシステムからの脱却やDX内製化支援を軸としたコンサルティングを実施しました。

財政状態については、総資産が32億85百万円となり、のれん13億54百万円を含む無形固定資産が資産の大きな構成要素となっています。純資産は14億13百万円で、自己資本比率は40.7%となりました。M&Aに伴う借入金の活用により、財務レバレッジを効かせた成長投資を進めている段階といえます。


4. 通期実績が示す収益モデルの現在地

fonfunの収益構造は、SMS配信やクラウド電話などのSaaS型ストック収益を核とするクラウドソリューション事業と、受託開発・技術者派遣を中心とするDXソリューション事業の2本柱で構成されています。2026年3月期はDXソリューション事業の伸びが顕著であり、売上構成における同事業の比率が高まる1年となりました。

会社側は、長期的な経営ロードマップにおいて「DX」をコアコンピタンスと再定義し、「DX」による付加価値の最大化を通じて企業価値向上を目指す企業集団への変革を進める方針を示しています。クラウドソリューション事業では既存サービスの機能強化や利便性向上による解約率低減と安定収益の維持・拡大を、DXソリューション事業では受託開発・SES体制の強化によるケイパビリティ拡大を目指すとしています。

戦略的なM&Aについては、DX・ソフトウェア開発企業やIT技術リソース提供(SES企業等)の領域をターゲットとし、技術力・顧客基盤・人材獲得を推進する方針です。今後もM&Aを成長エンジンとした事業拡大を継続する姿勢がうかがえます。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:「守りのDX」から「攻めのDX」への需要シフト
既存システム刷新の一巡を経て、企業のDX投資はデータ収益化を志向する「攻めのDX」へと軸足を移しています。fonfunのDXソリューション事業が、この需要変化をどこまで取り込めるかが今後の成長の鍵になると考えられます。

ポイント2:M&Aを軸とした事業規模拡大の戦略
2社の完全子会社化により事業規模を急拡大させたfonfunの戦略は、IT・DX業界における人材獲得競争の激化を背景とした業界再編の一例と見られます。M&Aで獲得した技術力・顧客基盤をどう統合し収益化するかが、今後の焦点です。

ポイント3:ストック収益比率の向上が示す収益安定性
クラウドソリューション事業のSaaS型サービス群は、契約が続く限り安定的な収益をもたらすストック型のビジネスモデルです。DXソリューション事業の受託型収益と組み合わせることで、成長性と安定性を両立させる収益構造の構築が進んでいます。


6. ITトレンド編集部の考察

2026年3月期を一言で表すと「M&Aによる事業規模拡大が奏功し、大幅な増収増益を達成した1年」です。売上高+66.4%、当期純利益+150.8%という伸び率は、既存事業の自然成長だけでなく、マイクロウェーブデジタルとYNPの完全子会社化が大きく寄与した結果と見られます。

注目したいのは、この2社の連結効果が通期ではまだ限定的である点です。マイクロウェーブデジタルは2026年3月31日付での吸収合併、YNPは同年3月2日付での完全子会社化であり、2026年3月期の業績への寄与は一部にとどまっています。翌期(2027年3月期)の業績見通しで売上高+70.5%という大幅増収を見込んでいるのは、この2社の業績が通年で寄与することが主因です。

今後は、M&Aで獲得した技術力・顧客基盤をどう統合し、クラウドソリューション事業のストック収益とDXソリューション事業の受託収益をバランスよく成長させられるかが、fonfunの中期的な企業価値向上の焦点になるとみられます。


7. まとめ

株式会社fonfunを一言で表すと、「積極的なM&Aで事業規模を拡大し、大幅な増収増益を達成した情報・通信企業」です。

2026年3月期(通期)の業績は以下のとおりでした。

  • 売上高 21億11百万円(前年同期比+66.4%)
  • 営業利益 2億42百万円(同+61.9%)
  • 経常利益 2億71百万円(同+65.6%)
  • 当期純利益 4億24百万円(同+150.8%)

セグメント別では、クラウドソリューション事業が9億56百万円(同+19.9%)、DXソリューション事業が11億54百万円(同+145.3%)と、いずれも増収を確保しました。

翌期(2027年3月期)の業績見通しは、売上高35億99百万円(前年比+70.5%)、営業利益4億72百万円(同+95.1%)、経常利益4億47百万円(同+64.7%)、純利益4億46百万円(同+5.1%)としています。マイクロウェーブデジタルとYNPの通年寄与が、翌期の大幅増収増益予想を支える要因となっています。


ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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