Web改ざん検知の仕組みと主なやり方
Web改ざん検知は、公開しているホームページのファイルが勝手に書き換えられていないかを、繰り返し確認する仕組みです。やり方によって見張れる範囲や手間が変わります。まずは代表的な3つのやり方を整理します。
| やり方 | 特徴 |
|---|---|
| ファイルの特徴を数値にして比べる | 正常なときの値と今の値を比べて違いを見つけます。処理は軽い一方、変わった場所まではわかりません。 |
| 元のファイルと見比べる | 控えと見比べて、変わった場所を特定できます。控えを置く場所と、控えの更新作業が必要です。 |
| 外から見に行って確かめる | サーバへの設置がいらず導入しやすい形です。見張れるのは外から見えるページに限られます。 |
ファイルの特徴を数値にして比べるやり方
ハッシュ値とは、ファイルの中身から計算して出す文字列のことです。中身が1文字でも変わると、この文字列も変わります。この性質を利用して、正常なときの値と今の値を比べ、違いがあれば書き換えを疑うやり方です。ファイルの中身そのものを保存しておかなくてよいため、見張るページが多くても軽い処理で確認できます。
ただし、値が変わったことはわかっても、どこがどう変わったのかまではわかりません。自社が正しく更新したときにも値は変わるため、更新のたびに「これが正常な状態です」と登録し直す作業が必要です。更新の多いホームページでは、この作業の手間を見込んでおきましょう。
元のファイルと見比べるやり方
正常な状態のファイルを別の場所に控えとして保管し、公開中のファイルと1行ずつ見比べるやり方です。どこが変わったのかをはっきり特定できるため、担当者が状況をつかみやすくなります。製品によっては、保管しておいた控えを使って自動で元の状態に戻す機能もあります。
ただし、控えを置いておく場所が必要で、ホームページの規模が大きいほど容量や処理の負担が増えます。自社で更新したときに控えの更新を忘れると、正しい変更まで書き換えとして知らされ続けます。更新作業の手順に、控えの入れ替えを組み込んでおきましょう。
外から見に行って確かめるやり方
サーバの中にプログラムを入れず、外からホームページを定期的に見に行って、内容が変わっていないかを確かめるやり方です。サーバへの設置作業がいらないため、他社と共同で使うレンタルサーバの場合や、契約の都合でプログラムを入れられない場合でも導入しやすい形です。
このやり方で見張れるのは、外から普通に見られるページの範囲です。設定ファイルや、ログインした先にあるページなど、外から見えない部分の変化はわかりません。どこまで見張れるのかを、導入前に確認しておきましょう。
Web改ざん検知を導入するメリット
書き換えは、見た目が変わらない形で行われることもあります。人の目だけに頼らない確認手段を持つと、会社にどんな利点があるのかを整理します。
被害が広がる前に手を打てる
書き換えられたページは、訪問者をあやしいサイトへ誘導したり、意図しないプログラムを動かしたりする踏み台に使われることがあります。気づくのが遅れるほど、影響を受ける訪問者が増えていきます。定期的に確認する仕組みがあれば、気づくまでの時間を短くできます。
異常を見つけたときに管理者へ知らせが届く設定にしておけば、担当者が画面を見ていない時間帯でも状況をつかめます。ページの公開を一時的に止める、控えから元に戻すといった最初の対応を早く始められる点で、効果が期待できます。
ホームページへの信頼を保ちやすくなる
書き換えられたサイトは、検索エンジンやセキュリティ製品から「危険かもしれません」と警告される場合があります。警告が出たままだと訪問者が離れ、問い合わせや申し込みの機会を失う恐れがあります。会社としての信頼にも影響します。
確認する仕組みを持ち、対応した記録を残しておくことは、取引先や社内への説明にも役立ちます。いつ気づいて、どう対応したのかを示せる状態にしておけば、事実にもとづいた説明ができます。
少ない人数でも見張り続けられる
公開しているページが数十から数百ある場合、担当者が目で全部を確認し続けるのは現実的ではありません。確認の回数が減ると、変化に気づくまでの時間が延びます。自動で確認する仕組みを入れれば、人手が少なくても見張りを続けられます。
確認の結果を一覧や報告書で受け取れる製品なら、担当者は違いが出た場所だけを見れば済みます。毎日の確認作業を減らしながら、必要なときだけ詳しく調べる形に変えられる点は、少人数で運営する会社にとっての利点です。
Web改ざん検知のデメリットと注意点
導入すればすべての問題が解決するわけではありません。仕組みの性質上、避けにくい制約もあります。ここでは3つの注意点を取り上げます。
書き換えそのものを防ぐ仕組みではない
改ざん検知は、変化が起きたことを見つける仕組みです。侵入や書き換えを事前に止める役割は持っていません。侵入を防ぐには、ソフトの弱点をふさぐ更新作業や、入れる人を限る設定、通信を見張る仕組みなど、別の対策とあわせて考える必要があります。
勝手な書き換えは、ホームページを動かすソフトの弱点、管理画面のパスワードの流出、サーバ設定の不備、外部から読み込んでいる部品の改変など、いくつもの経路で起こり得ます。検知を入れただけで安心せず、原因になりそうな場所を洗い出し、優先順位を決めて対応しましょう。
誤った知らせへの対応に手間がかかる
自社が正しく更新した場合や、広告やアクセス解析といった外部の部品によって表示が変わった場合も、違いとして知らされることがあります。知らせが届くたびに担当者が中身を確認する運用では、件数が増えるほど負担が重くなります。
製品によっては、見張りの対象から外す場所を指定したり、更新作業中は知らせを止めたりする設定があります。細かく除外を設定できるか、更新の予定を先に登録できるかを確認しておくと、対応にかかる時間を抑えられます。
見張れる範囲と回数に制約がある
外から見に行くやり方では、外から取得できる部分だけが対象です。サーバの中に入れる形でも、見張る場所として登録したところ以外は確認されません。何を対象にするかを決める作業は、導入時に必ず発生します。
確認する間隔も見落としやすい点です。1日1回の確認では、その間に起きた変化に気づくまで時間がかかります。間隔を短くすると、サーバへの負担や料金が上がることもあります。ページの重要度に応じて、対象と回数の組み合わせを決めましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWeb改ざん検知の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
デメリットをふまえた製品選びの確認項目
制約がわかると、確認すべき項目も見えてきます。見つけた後にどう動けるかと、自社の環境や体制にあうかという2つの角度から整理します。
見つけた後の連絡と復旧の手順を確認する
見つける精度だけでなく、見つけた後にどう動けるかを確認しましょう。知らせの宛先を複数登録できるか、メール以外の方法でも受け取れるか、知らせの中に変わった場所の情報が入るかは、最初の対応の速さに関わります。休日や夜間に見つかった場合の連絡経路も、あわせて決めておきたい点です。
復旧については、控えから自動で戻す機能があるか、手作業で戻す場合の手順はどうなるかを確認します。過去の記録を後から見られるかも重要です。記録が残っていれば、同じ場所で繰り返し起きているのか、一度きりのことなのかを判断する材料になります。
自社の環境と体制にあうかを確認する
使っているサーバの種類や契約の形によって、選べるやり方は変わります。他社と共同で使うサーバでプログラムを置けない場合は、外から見に行く形が候補です。サーバの中のファイルまで見張りたい場合は、中に入れる形を選びます。契約中の事業者に、設置してよいかを先に確認しておきましょう。
運用の面では、毎日の確認を誰が担当するのか、判断に迷ったときにどこへ相談するのかを決めておく必要があります。専門の担当者を置きにくい場合は、見張りから最初の対応まで任せられるサービス型を検討する方法もあります。どこまで相談できるのかを、見積もりの段階で確認しましょう。
Webサイトの改ざんを検知するサービス
検知の方式や監視の頻度、検知後の対応範囲といった観点から、比較の候補になるサービスを紹介します。
SITE PATROL CLOUD
- WEBサーバの個性に合わせて最適な手法をコーディネート
- 改ざん検知のサービス運用経験に基づく、ノウハウの蓄積
- 大小様々な規模のサイトへの豊富な導入実績!
アットシグナル株式会社が提供する「SITE PATROL CLOUD」は、Webサイトの改ざんを監視するクラウド型のサービスです。対象のページを定期的に確認し、内容に変化が生じた際に管理者へ知らせます。プランによってはサーバへの機器設置やソフトウェアの導入を伴わない構成も選べるため、既存のサイトを動かしたまま監視を始めやすいサービスです。監視の対象や頻度は、サイトの規模や更新の状況にあわせて相談できます。
SiteSafetyCenter (トレンドマイクロ株式会社)
- URLを入力すると即時に4段階の安全評価が得られる。
- 評価結果に疑義がある場合、内容変更リクエストを送信可能。
- 無料のWebチェックツールで社外サイトの安全性を確認できる。
Web改ざん検知サービス (さくらインターネット株式会社)
- 日立システムズの検知エンジンを随時アップデート
- 改ざん検知で自動的にメンテナンス画面へ切り替え可能。
- HTMLソースレベルで改ざん箇所をハイライト表示
ALSOK ホームページ改ざん対策 (ALSOK株式会社)
- Webサイトの改ざんを瞬時に検知・復旧し被害を最小限にする
- 24時間365日の監視で継続的な安全を確保
- クラウド基盤で導入を円滑にし運用負担を軽減
Web改ざん検知に関するよくある質問
導入を考える担当者からよく寄せられる疑問をまとめました。社内での比較検討にお役立てください。
- Q1: ウイルス対策ソフトなどがあれば改ざん検知は不要ですか?
- 役割が違うため、置き換えられる関係ではありません。あやしい通信を止める仕組みは入られないようにするもので、改ざん検知は書き換えが起きたことを見つけるものです。防ぐ対策をすり抜けた場合に備える手段として、組み合わせて検討する形が考えられます。
- Q2: 確認する間隔はどのくらいが目安ですか?
- ページの重要度や更新の多さで変わります。申し込みや支払いを扱うページは短い間隔、あまり更新しない資料のページは長めの間隔というように、分けて設定する方法があります。間隔を短くすると費用や負担が増えるため、製品ごとに設定できる範囲を確認しましょう。
- Q3: 見つけた後は自社だけで対応できますか?
- 公開を止めることや控えから戻すことは自社でできる場合がありますが、どこから入られたのかを突き止めるには専門的な調査が必要になることがあります。迷う場合は、社内のシステム担当や、制作を頼んだ会社、製品を提供している会社に相談する流れを先に決めておきましょう。
- Q4: 導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
- やり方や見張る対象の数で変わります。外から見に行く形なら、見張りたいページのアドレスを登録するだけで使い始められる製品もあります。サーバの中に入れる形では、動作確認や除外の設定を調整する時間を見込みましょう。今の運用手順への組み込みも予定に入れることが重要です。
まとめ
Web改ざん検知には、被害が広がる前に手を打てること、ホームページへの信頼を保ちやすくなること、少ない人数でも見張り続けられることという良い点があります。一方で、書き換えを防ぐ仕組みではない点や、誤った知らせへの対応、見張れる範囲と回数の制約という課題も残ります。自社のサーバ環境と運用体制を確認し、見つけた後の連絡や復旧の手順まで含めて比べましょう。複数の製品を比べたい方は、資料請求を活用してみてください。


