Webデザインツールとは
Webデザインツールとは、その名のとおりWebサイトをデザインするためのツールです。Webデザインソフトとも呼ばれます。しかし、一口にデザインといっても、多様なプロセスが存在します。イラスト作成や画像編集、UIデザイン制作など、いくつかの工程を経てWebサイト全体がデザインされるのです。
Webデザインツールという名称は、画像編集ツールやイラスト作成ソフトなど、Webデザインに必要なツールの総称として用いられます。ツール選びでは、自社で構築したいホームページにあわせて、必要な機能を備えた製品かどうかが重要です。
【画像加工】無料で使えるWebデザインツール4選
最初に紹介するのは、無料で使える画像加工ツールです。美麗な画像を用いて、見栄えのよいサイトを作りましょう。
GIMP
The GIMP Teamが提供する「GIMP」は、オープンソースの画像編集ソフトです。高品質なフォトエディタ機能から、オリジナルデザインを作成するグラフィックデザイン機能まで搭載されています。カラー管理機能にも優れ、デジタルでも印刷でも、忠実に色を再現可能です。PythonやSchemeといったプログラミング言語による、カスタマイズにも対応しています。
価格 |
無料 |
対応OS |
GNU/Linux、macOS、Windows |
Skitch
Evernote社が提供する「Skitch」は、画像に矢印や図形、文字などを挿入する製品です。Evernoteと連携し、画像を保存できます。キャプチャやマークアップ、保存など多くの機能は無料で利用できますが、PDFマークアップ機能は、有料のプレミアムアカウントプランに申し込む必要があります。
Canva
Canva社が提供する「Canva」は、2013年にリリースされて以来、6,000万人以上のユーザーに利用されてきたツールです。画像だけでなく、動画やプレゼンスライドなど、さまざまなもののデザインに使えます。基本的な機能は無料で利用可能ですが、生産性を高めたい場合は、有料プランを利用する必要があります。
価格 |
有料プランあり(月額1,500円~) |
対応OS |
制限なし(デスクトップアプリはWindowsのみ対応) |
Adobe Express
アドビ株式会社が提供する「Adobe Express」は、10万点以上ものテンプレートや、独自の写真・デザイン素材が特徴です。ゼロからデザインを構築する必要がなく、少ない手間で作成できます。ファイル同時編集や文書の共有など、共同作業機能も豊富です。Web版とアプリ版が提供されています。
価格 |
有料プランあり(月額1,078円) |
対応OS |
制限なし(アプリはAndroid・iOS・Windowsに対応) |
【イラスト作成】無料で使えるWebデザインツール4選
続いて、無料のイラスト作成ツールを紹介します。どのようなイラストを作りたいのか事前に決め、適した機能をもつ製品を選定しましょう。
Inkscape
The Inkscape Teamが提供する「Inkscape」は、オープンソースのイラスト作成ツールです。フリーハンドや形状作成機能といった柔軟なドローツールに加え、テキスト挿入機能を備えています。また、SVGやPNG、PDF、OpenDocument Drawingなど、多種多様なファイルとの互換性も特徴です。
Krita
Krita財団が提供する「Krita」は、オープンソースソフトウェアです。コンセプトアートやマットペイント、漫画作成など、イラスト作成機能を豊富にそろえています。直感的なUIにより、初心者でも抵抗感なく操作可能。手ブレ補正機能があるため、線がうまく書けなくても安心です。
価格 |
無料 |
対応OS |
Windows、Linux、macOS |
MediBang Paint Pro
株式会社MediBangが提供する「MediBang Paint Pro」は、無料でありながら多機能な製品です。デジタルイラストに必須のレイヤー機能から、カスタマイズ可能な50種類のブラシ、定規やコマ割り機能まで充実し、さまざまなイラスト作成に対応しています。有料のブラシやテクスチャが、使い放題になる有料プランもあります。
価格 |
有料プランあり(年額2,480円~) |
対応OS |
Windows、Mac |
Piskel
Piskelが提供する「Piskel」は、オープンソースソフトウェアです。一般的なイラストではなく、ドット絵の作成に特化しています。GIFアニメや、複数画像を1枚にまとめたスプライトシートなどの作成に利用可能です。ブラウザ版と、デスクトップ版が用意されています。
価格 |
無料 |
対応OS |
Windows、Mac、Linux |
【UIデザイン】無料で使えるWebデザインツール2選
次は、UIデザイン用のツールを紹介します。選ぶツールによって、サイトの見栄えだけでなく、利便性まで左右される可能性があります。自社にあうものを慎重に選定しましょう。
Figma
Figma社が提供する「Figma」は、チームでのコラボレーション機能が充実したツールです。ブレインストーミングでアイデアを共有したり、ダイヤグラム機能でフローを整理したりできます。構想から実行まで、すべての設計作業を一元化することで、効率的なデザイン制作を支援します。
価格 |
有料プランあり(月額$12~) |
対応OS |
制限なし |
InVision Studio
InVision社が提供する「InVision Studio」は、世界中で多くのデザイナーによって使われている製品です。クリエイティブフローを最初から最後まで行います。iPhoneXやiMacなど、デバイスにあわせたサイズのレイアウトが用意されており、そのレイアウト上に直感的なマウス操作でUIをデザインできます。
価格 |
有料プランあり(月額$4~) |
対応OS |
制限なし |
【Webサイト制作】無料で使えるWebデザインツール3選
最後に紹介するのは、Webサイト制作ツールです。Webサイトの制作から、公開まで管理できます。
STUDIO
STUDIO株式会社が提供する「STUDIO」は、ノーコーディングで自由度の高いWebサイト制作が可能なツールです。コーポレートサイトやブログ、イベントサイト、ポートフォリオまで、幅広いサイトを構築できます。CMS機能も搭載され、コンテンツの編集や投稿が可能です。サイト作成後は、クリック1つで公開できます。
価格 |
有料プランあり(月額980円~) |
対応OS |
制限なし |
Wix
Wix.com社が提供する「Wix」は、500種類以上のテンプレートが搭載され、ドラッグアンドドロップを基本とした直感的な操作でWebサイトを制作できます。SEOツールやエフェクト機能など、サイトの制作・運営に必要な機能が豊富です。決済や予約機能を提供する、ビジネス・Eコマース向けプランもあります。
価格 |
有料プランあり(月額900円~) |
対応OS |
制限なし |
Jimdo
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが提供する「Jimdo」は、世界中で、3200万以上ものWebサイト制作に使われてきたツールです。手作業によりサイトを構築するクリエイタープランと、AIが提示する質問に答えるだけで自動構築するAIビルダープランが用意されています。日本語でのサポートがあるため安心です。
価格 |
有料プランあり(月額990円~) |
対応OS |
制限なし |
無料のWebデザインツールの選び方
無料のWebデザインツールを選定する際は、どのような点に留意すればよいのでしょうか。導入後に後悔しないよう、以下のつのポイントに注意して最適な製品を選びましょう。
導入の目的はなにか
Webデザインツールを導入する目的は何でしょうか。Webサイトに美麗なイラストを掲載したいのであれば、イラスト作成ツールが必要です。レイヤー機能や手ブレ補正、ブラシカスタマイズ機能などが充実していると、なおよいかもしれません。あるいは、同じイラストでも漫画調にしたいのなら、また異なる機能が求められるでしょう。
このように、導入目的によって必要な機能は異なります。自社で必要な機能を事前に洗い出し、目的にあわせて製品を選びましょう。
必要な機能を無料で使えるか
導入目的に基づいて必要な機能を洗い出し、その機能を備えた製品を見つけたからといって、すぐに安心してはいけません。なぜなら、使いたい機能が無料とは限らないからです。
「無料Webデザインツール」といっても、一部の機能は有料プランでなければ使えない場合があります。導入後に気づくと、別のツールへ乗り換えるのに余計な手間がかかるため、事前の確認が重要です。
Web上で操作方法を調べられるか
Webデザインツールの操作が難しく、初心者が習熟するまでには多くの時間を要する場合があります。
操作方法がわからないときに頼れるのが、ネット検索です。ところが、検索して出てくるノウハウの量は、製品によって差があります。多くのユーザーに使われるツールほど情報が見つかりやすく、困ったときの問題解決が容易です。できるだけ多くの情報が出回っているツールを選ぶとよいでしょう。
Webデザインツールは無料版でも十分に活用できる
Webデザインツールには、無料で提供されているものも少なくありません。上手く活用することで、上質なWebサイトを作れるでしょう。ただし、選定する製品によって出来栄えが大きく左右されるかもしれません。以下の点に留意して選びましょう。
- ●導入の目的はなにか
- ●必要な機能を無料で使えるか
- ●Web上で操作方法を調べられるか
以上を参考に、自社に最適なWebデザインツールを選んでください。