ABテストツールの連携性で最初に整理したいこと
連携と一口にいっても、仕組みや目的はさまざまです。確認の土台として、連携方式の違いと、データの流れを整理しておきましょう。
タグやAPI、ファイルなど連携方式の違い
ABテストツールの連携方式には、サイトに設置するタグで情報を受け渡す方式、APIでシステム同士が直接やり取りする方式、ファイルを出力して取り込む方式があります。自社の環境にあう方式を見極めましょう。
方式によって、設定に必要な知識やデータが反映されるまでの時間が異なります。連携先ごとにどの方式で接続するのかを、事前に確認しておくことが大切です。特にAPIは、開発の知識が求められる場合があり、社内の担当者で対応できるかの確認も必要です。
連携で実現したいことの整理
連携の目的には、テスト結果をアクセス解析ツールで見る、顧客の属性で表示を出し分ける、結果を社内のレポートに載せるなどがあります。目的が決まっていないと、必要な連携が判断できません。目的別に必要な機能を絞ると、比較が楽になります。
まず業務で困っている場面を書き出し、それを解決する連携を絞り込みましょう。連携の数が多い点と、自社に必要な連携がそろっていることは、同じ意味ではありません。自社の目的に合う連携を優先して選びましょう。
データの流れと責任分界の確認
連携では、どの方向にどのデータが流れるのかを図にしておくと整理しやすくなります。ABテストツールから連携先へ送るデータと、連携先から受け取るデータは、別々に確認が必要です。図にすると、関係者への説明にも使えます。
連携の不具合が起きたとき、原因がどちら側にあるかは一概に決められません。ツール側、連携先側、自社の設定のいずれも関係する場合があるため、相談先を事前に確認しましょう。責任の所在があいまいだと、対応が遅れる場合があります。
アクセス解析やタグ管理ツールと組み合わせる際の確認点
テストの結果を正しく読むには、アクセス解析ツールとの連携が重要です。タグ管理ツールを使う場合の配信設定とあわせて、確認点を整理します。
| 連携先 | 主な目的 | 確認する点 |
|---|---|---|
| アクセス解析ツール | テスト別の成果を既存の指標で見る | パターン名を送れるか、指標の定義が同じか |
| タグ管理ツール | タグの配信を一元管理する | 配信条件と表示のタイミングが想定どおりか |
| ECカートシステム | 購入などの成果を計測する | 購入完了の情報を受け取れるか |
アクセス解析ツールとの指標のそろえ方
アクセス解析ツールにテストのパターン情報を送れると、普段使っている指標でパターンごとの成果を比べられます。ただし、送れる項目や集計の単位は、製品の組み合わせによって異なります。事前に対応状況を確かめておくと、導入後の戸惑いを減らせます。
ABテストツール側の成果の数え方と、アクセス解析ツール側の数え方が違うと、数値が一致しない場合があります。どちらの数値を判断の基準とするか、運用の前に決めておきましょう。基準を決めずに運用すると、報告のたびに混乱が生じかねません。
タグ管理ツールで配信するときの設定
タグ管理ツールを使うと、サイトのソースを直接変更せずに、ABテストツールのタグを配信できる場合があります。担当者がサイトの改修を待たずに設定できる点は利点です。設定の履歴を残せる点も、運用面では役立ちます。
一方で、配信の条件や順序によって、タグの読み込みが遅れる場合があります。読み込みが遅れると表示のちらつきが起きる恐れがあるため、設置の方法は提供会社の案内にもとづいて確認しましょう。表示の確認は、複数の端末やブラウザで行うと安心です。
計測の重複と欠落を防ぐ確認
タグを複数の経路で設置していると、同じ訪問が二重に数えられる場合があります。反対に、設置漏れのページがあると、一部の訪問が計測されません。設置状況の一覧を台帳にして、更新のたびに見直しておくと安心です。
連携後は、テスト用のアクセスを実際に発生させて、数値が各ツールに反映されるかを確かめましょう。反映の遅れを考慮し、確認する時間帯や日をずらして見ることも大切です。不一致が見つかった場合は、設定を見直す手がかりになります。
ECカートやMAツールとつなぐ際に確認する点
購入や会員登録といった成果を測るには、ECカートシステムやMAツール(見込み客の管理やメール配信を自動化するツール)との連携が役立ちます。連携できる範囲と、手作業が残る部分を見極めましょう。
ECカートシステムとの連携範囲
ECカートシステムとの連携では、購入完了ページで成果の情報を受け取る方法があります。カートの画面を提供会社が管理している場合、タグを設置できる範囲に制限がある場合があります。事前に、設置できる範囲を提供会社へ問い合わせましょう。
商品ごとの売上や購入金額まで連携できるのか、購入の件数だけなのかは、組み合わせによって異なります。計測したい成果を先に決め、連携の可否を各社に確認しましょう。連携できない部分は、別の方法で補えるかも確認します。
MAツールとのセグメント連携
MAツールと連携すると、顧客の属性や行動にもとづいたセグメントごとに、表示を出し分けられる場合があります。メール経由で来訪した人にだけ別の表示を見せる、といった使い方です。対象となるセグメントの条件が細かいほど、設定の確認が重要です。
連携の方向が片側だけの場合、セグメント情報を手作業で反映する必要が出ます。双方向でデータを受け渡せるのか、更新の頻度はどの程度かを確認しておきましょう。手作業が残る範囲を、導入前に把握しておきましょう。
顧客情報を連携するときの取り扱い
顧客のIDやメールアドレスなどを連携する場合は、個人情報の取り扱いに注意が必要です。個人情報保護法や自社のプライバシーポリシーにもとづき、利用目的の範囲を確認してください。同意の取得方法についても、あらかじめ整理しておくと安心です。
Cookie(ブラウザに保存される小さなデータ)などの情報を外部に送信する場合は、電気通信事業法の外部送信規律への対応が必要になる場合があります。判断に迷うときは、法務部門や専門家に相談しましょう。連携先に送るデータの内容も、一覧にして整理しておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でABテストツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携とCSV出力で確認したい条件
標準の連携で足りない部分は、APIやCSV出力で補う場合があります。使える範囲と制限を、導入前に確かめておきましょう。
APIで操作できる範囲と認証方式
APIでは、テストの一覧取得や結果の取得、設定の変更などができる場合があります。ただし、画面で行える操作のすべてがAPIで行えるとは限りません。製品ごとに対応するAPIの範囲は異なるため、必要な操作が対象かを確認しましょう。
認証の方式やアクセス権の管理方法も、製品によって異なります。APIを使う開発には専門知識が必要なため、自社で対応できるか、情報システム部門や開発担当者に相談しておくと安心です。認証情報の管理方法も、あわせて決めておきましょう。
呼び出し回数や取得件数の制限
APIには、一定の時間内に呼び出せる回数や、一度に取得できる件数に上限が設けられている場合があります。上限に達すると、処理が止まるか、一部の処理が失敗する場合があります。上限の数値は、契約のプランによって異なる場合があるため、確認が必要です。
連携の頻度やデータの量を見積もり、上限に収まるかを確認しましょう。上限を超えたときの通知や再実行の方法、上限の引き上げができるかも、あわせて聞いておきましょう。提供会社の資料や問い合わせで確認できる内容です。
CSV出力の項目と形式の確認
CSV出力は、テストの結果を表計算ソフトや社内のレポートに載せるときに便利です。出力できる項目や期間、出力する単位が、自社の分析に足りているかを確認しましょう。出力の画面を実際に見て、項目名を確認すると安心です。
文字コードや日付の形式、区切りの方法によっては、取り込み先で文字化けや表示の崩れが起きる場合があります。実際に出力したファイルを試し、取り込めるかを検証してください。自動で定期的に出力できるかも、運用の負担を左右します。
ABテストツールを比較する進め方と質問の整理
連携性を比較するときは、要件の一覧化、検証、質問の整理の順に進めます。比べる項目をそろえると、判断のぶれを抑えられます。
- ■連携先
- アクセス解析、タグ管理、ECカート、MAツールなど接続したい相手を書き出す
- ■方式
- タグ、API、ファイルのうち、どの方式で接続するかを確認する
- ■範囲
- 送受信できるデータの項目と更新の頻度を確認する
- ■制限
- 呼び出し回数や出力件数の上限を確認する
連携要件を一覧にまとめる
上の項目を表にして、必須の連携と、あると望ましい連携に分けて整理します。現在使っているツールの名前と、バージョンや契約のプランも書き出しておくと、確認が早く進みます。更新があった場合に見直せるよう、日付も記録しておきましょう。
連携先のツール側にも制限や追加費用がある場合があります。ABテストツールの資料だけで判断せず、連携先の契約内容もあわせて確認しましょう。連携にかかる全体の費用を、見積もりの段階で把握しましょう。
検証環境で連携の動作を確かめる
候補を絞ったら、試用やデモの環境で、実際に連携を設定して動作を確かめます。テスト用のデータで、数値が連携先に届くか、想定した形式で表示されるかを見ましょう。複数の担当者で結果を見比べると、見落としを防げます。
本番環境のタグや設定を変更する場合は、社内の権限と手順に従ってください。影響が心配なときは、情報システム部門や提供会社に相談し、許可された方法で検証しましょう。検証の記録は、あとで社内に報告する際にも使えます。
提供会社への質問事項を整理する
連携の可否は、公開資料だけでは判断できない場合があります。連携の方式、対応する範囲、制限、追加費用、不具合が起きたときの相談先を質問項目にして、各社に同じ内容で確認しましょう。質問の内容を事前にそろえると、回答の比較が容易です。
回答は書面やメールで残し、比較表にまとめると社内で共有しやすくなります。回答があいまいな点は、デモでの実演や追加資料を依頼すると、判断の材料が増えます。不明な点は、そのままにせず再度質問しましょう。
連携先との接続を確認したいABテストツール
アクセス解析との連携やタグの設置方法といった、連携の観点から確認したい製品を紹介します。
APOLLOOptimize (株式会社APOLLO11)
- タグを埋めるだけで30分でテストスタート
- ビジュアルエディタで直感的に簡単編集
- GA4連携でコンバージョン設定・イベント送信が可能。
KAIZEN ENGINE (株式会社Kaizen Platform)
- タグ設置だけで表示速度を平均40〜50%向上。
- 画像最適化とalt自動生成でUXとアクセシビリティ改善。
- A/Bテストと行動分析で離脱要因を可視化し改善。
ABテストツールに関するよくある質問
ABテストツールの連携性についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:連携できると書かれていれば、そのまま使えますか?
- A:連携の方式やデータの範囲、設定の手間は製品ごとに異なります。「連携可能」という記載だけで判断せず、自社が必要とする項目を送受信できるかを確認しましょう。デモや検証環境で動作を確かめると安心です。
- ■Q2:連携の設定には専門知識が必要ですか?
- A:タグ管理ツールを使う連携などは、画面の操作で設定できる場合があります。一方、APIを使う連携には開発の知識が必要な場合があります。社内で対応できないときは、提供会社や制作会社の支援範囲を確認しましょう。
- ■Q3:標準の連携がない外部ツールとつなぐ方法はありますか?
- A:APIやCSV出力で補える場合があります。ただし、取得できる項目や更新の頻度に制限があり、手作業が残る場合もあります。どこまで自動化できるかを、導入前に提供会社へ確認しましょう。
- ■Q4:連携を追加すると別途費用がかかりますか?
- A:連携機能がプランに含まれるのか、オプションなのかは、製品によって異なります。連携先ツール側の契約が必要になる場合もあるため、見積もりの段階で全体の費用を確認しましょう。
まとめ
ABテストツールの連携性は、連携先と連携方式、データの範囲と制限に分けて確認します。アクセス解析やタグ管理、ECカート、MAツール、APIやCSV出力のそれぞれで、自社の要件を満たせるかが判断の軸です。複数の製品の資料を請求し、同じ質問で比較してみてください。

