リアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood」とは
気候変動によって、水害リスクが増加しています。
生命や財産、社会インフラを水害から守る対策が求められています。
「DioVISTA/Flood」は、水害とたたかうエンジニアをITで支援します。
そして、私たちは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」に呼応し、
水害に対するレジリエンスおよび適応力強化を支援することを目標としています。
リアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood」でできること
■シミュレーション動作モード
・降雨から河川増水による堤防決壊(破堤モデル)までのシミュレーションを24時間連続計算
・任意の降雨や堤防決壊条件などを設定したシミュレーションを実施
・盛土/カルバートの作成・編集
・計算メッシュサイズの設定 など
■シミュレーションモデルの条件設定
・河道断面データ、縦断データ、距離標データから作成した河道データの取り込み
・地図上をクリックして、堤防の位置や河川横断面位置を指定して作成可能
・上流端流量時系列の設定 など
■分析機能
・洪水氾濫シミュレーションの結果から、最大の浸水深を表示
・任意断面に沿った水位・地形断面図の作成
・流域平均降雨量時系列グラフの作成
・河川から氾濫する流量の出力
■表示機能
・河道縦断図・横断図の表示
・シミュレーション結果の浸水深をGIS*上に重ね合わせて表示
・シミュレーション結果のアニメーション表示
・降雨データの分布図を地図上に色分け表示
.落水線の表示
*GIS:Geographic Information System(地理情報システム)
■地図操作
地球全体から家屋一軒一軒までをスムーズに拡大・縮小して、地形を立体的に表示します。
※「DioVISTA」で使用する地図データに関する表示
・この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)、数値地図50mメッシュ(標高)および数値地図5mメッシュ(標高)を使用しています (承認番号 平17総使、第635号)。
・この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の基盤地図情報および電子地形図(タイル)を使用しています(承認番号 平29情使、第641号)。
・株式会社ゼンリン住宅地図(Zmap-TOWN II)を使用しています(許諾番号:ZO6A-第2396号)。
リアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood」の強み
【1】高速、高精度
もっとも精度が高いとされる2次元不定流を日立独自の手法で計算の高速化を実現。
何度でもシミュレーションできます。
【2】柔軟な条件設定
堤防決壊の場所、盛土、雨の降り方など条件を自由に設定できますので、
利用地域に則したシミュレーションが可能です。
【3】簡単操作
降雨開始から河川が氾濫して浸水するまでの一連の状況を自動でシミュレーションします。
≪適用分野≫
◆土木分野
・浸水想定区域図の作成
・水害原因の推定
・洪水時のダム操作支援
◆防災分野(地方自治体、河川管理者)
予測困難な事態が発生した場合でも、その条件を反映したシミュレーションができます。
堤防が決壊したとき、上流のダムを放流するときなど、予測困難な事態が発生した場合でも、
その条件をその場で入力し、再度シミュレーションができます。
・河川水位・浸水域の予測
・避難対象地区の決定支援
◆損害保険分野
100年に1度、1000年に1度程度起こるとされる大雨など、
さまざまな確率で発生する降雨による水害をシミュレーションできます。
計算速度が速く、これによって多数のシナリオの評価を実現しています。
・想定最大損失額の推定
・事業継続計画の策定支援
◆鉄道、電力事業分野
鉄道の安全・確実な運行のためには、水害に弱い地点とその原因を把握して、対策を施すことが重要です。
浸水予測情報提供システム」を導入することで、橋梁ケタ下水位を把握することや河川氾濫に対するリスクをシミュレーションできます。
・設備の安全性の把握