高機能な製品が50名規模で割高になる理由
機能が豊富なクラウドセキュリティは、大規模な環境を想定して設計されている場合があります。50名ほどの企業では、環境の規模と製品の想定がずれて、費用に見合う効果を得にくくなるケースを押さえておきましょう。
対象のクラウド資源が少ない場合の費用のかさみ方
クラウドセキュリティの料金は、監視する仮想サーバーやアカウントの数に応じて決まる場合があります。一方で、最低限の契約量や基本料金が設定されている製品もあり、守る対象が少なくても一定の費用がかかります。
その結果、資源の数に対して費用が高く感じられるケースが生じます。特に、少ない資源に高機能な製品を割り当てた場合は目立つ傾向です。見積もりでは、現在の資源の数を伝えたうえで、1資源あたりの実質的な費用を計算しておくと比較しやすくなります。
使いこなせない機能が残る状況
高機能な製品には、複数のクラウドをまたぐ分析や、細かな権限の管理など、多くの機能が備わっています。利用しているクラウドが1つだけの環境では、これらの機能を使う場面がほとんどない場合があります。機能の豊富さが、そのまま自社への適合を意味するわけではありません。
使わない機能にも費用が含まれている状態は、割高に感じる原因の一つです。導入前に、自社の環境で実際に使う機能を書き出し、不要な機能が多くないかを確認しましょう。
少人数の運用担当者に生じる負担
50名規模の企業では、情報システムの担当者が少人数か、他の業務と兼務している場合があります。検知の件数が多い製品を入れると、確認や対応に追われて、他の業務を圧迫するおそれがあります。人手が限られる場合ほど、運用の負担の見積もりが欠かせません。
対応しきれないまま警告が放置されると、導入の効果が薄れてしまいます。運用に割ける時間を見積もったうえで、通知の数や重要度の基準を調整できる製品かどうかを確かめましょう。
企業規模別に見るクラウドセキュリティの懸念点
企業規模によって、クラウドの使い方や体制は変わります。規模ごとに生じやすい懸念点を知っておくと、自社に近い規模を手がかりにして、確認すべき項目を絞り込めます。ここでは3つの規模を例に挙げて説明します。
少人数の組織で気をつけたい運用面の懸念
少人数の組織では、専任のセキュリティ担当者を置けない場合があります。そのため、設定の手間が少なく、画面を見ればすぐに状況が分かる製品かどうかが大切です。専門の知識がなくても読み取れる説明があると安心です。
導入時の設定支援や、日本語での問い合わせ窓口があるか、対応する時間帯はいつかも確認しましょう。担当者が不在のときに備えた体制や、手順書の整備も、あらかじめ考えておきたい点です。引き継ぎのしやすさも重要です。
拠点やアカウントが増える中堅企業の懸念
100名から数百名ほどの規模になると、部署や拠点ごとに別のクラウドアカウントを使う場面が増えます。アカウントが増えるほど、点検の対象を漏れなく登録する作業が難しくなる点に注意が必要です。担当者が部署ごとに分かれると、全体像の把握も難しくなります。
複数のアカウントをまとめて管理できるか、部署ごとに画面や権限を分けられるかを確認しましょう。利用者や監視する資源が増えたときの費用の増え方も、事前に把握しておくと安心です。
大規模な企業で問われる統制と監査への対応
大規模な企業では、グループ全体のクラウドを統一した基準で管理する必要が生じます。監査に備えて、点検の履歴や対応の記録を一定の期間にわたり残せることも求められる場合があります。
報告書の出力や、役割に応じたアクセスの制御、既存のログ管理との連携など、確認項目は多岐にわたります。要件の整理に時間がかかるため、早めに検討を始めましょう。関係部署と要件をそろえ、比較の基準を文書にしてから製品の比較に入るのが得策です。
費用対効果を見極める料金体系の確認
同じ企業規模でも、料金の決まり方によって総額は大きく変わります。提示された金額だけで判断せず、何に応じて費用が増えるのかを確認することが、過剰な投資を避けるための基本です。
課金の単位と対象範囲の確認
料金の算定には、監視対象の資源の数やアカウントの数、利用者の数、処理するデータの量など、さまざまな単位が使われます。どの単位で課金されるかによって、自社に有利かどうかが変わります。単位の定義も、提供会社によって異なる場合があります。
仮想サーバーが少なくアカウントが多い企業と、その逆の企業では、適した料金体系が異なります。自社の環境を数値で整理して、複数の製品の見積もりを同じ条件で取り、総額で比べましょう。
最低契約量や初期費用の有無
製品によっては、最低限の契約量や契約期間が決まっています。契約量が自社の規模より大きい場合は、使わない分の費用も負担する結果となります。また、契約期間の縛りがあると、見直しに時間がかかる場合もあります。
初期設定の費用や、導入支援の料金が別途かかる場合もあります。月額の費用だけでなく、初年度と2年目以降の総額を確認し、解約時の条件もあわせて確かめましょう。契約書の内容は、法務の担当者にも確認してもらうと安心です。
規模の拡大に応じた契約変更のしやすさ
事業の成長に伴い、クラウドの利用が増える可能性があります。契約後に監視対象を追加できるか、プランを切り替える際の条件はどうかを、あらかじめ確認しておくと安心です。
反対に、組織の再編や事業の縮小で利用が減ったときに、契約量を下げられるかも見ておきたい点です。柔軟に見直せる製品なら無駄なく対応でき、更新の時期に条件を再交渉できるかも確かめておくと安心です。変更の手続きが画面上で完結するかも確認してください。
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企業規模にあわせた導入範囲の決め方
最初から広い範囲を守ろうとすると、費用も運用の負担も大きくなります。守る対象の優先順位を決め、段階的に広げる方針で進めると、規模にあった導入に近づけます。
守るべき資産と優先順位の整理
まず、クラウド上にどのような情報やシステムがあるかを、部署ごとに書き出します。顧客情報や売上のデータなど、漏えいした場合の影響が大きいものから、優先的に守る対象を決めましょう。
検証用の環境や、短期間だけ使うシステムは、優先度を下げる判断もできます。ただし、本番のデータを複製している場合は、同じ水準での保護が必要です。優先順位が決まれば必要な機能の範囲も見えてくるため、決めた内容は社内で共有しておきましょう。
小さく始めて広げる段階的な導入
最初は重要な環境に絞って導入し、運用に慣れてから対象を広げる進め方があります。試用期間や小規模な契約から始められる製品なら、費用の無駄を抑えられます。最初の範囲で効果を確かめてから、次の判断に進めます。
段階的に導入する場合は、後から対象を追加するときの費用や手順を確認しておきましょう。追加のたびに大きな作業が発生しないかも、見ておきたい点です。導入の段階ごとに、評価の基準を決めておくとよいでしょう。
必要な機能の絞り込みと不要な機能の見極め
機能の一覧を見るときは、自社の課題と対応づけることが大切です。設定不備の検知が主な課題なら、まずその機能の質を確かめ、他の機能は必要になった段階で追加する考え方もあります。自社の課題を先に言葉にしておくと、機能の取捨選択がしやすくなります。
機能ごとに追加できる製品であれば、必要な分だけ契約できます。反対に、一括の契約しか選べない製品もあるため、契約の形態も比較しましょう。不要な機能を外した分、費用を抑えられる可能性があります。
50名規模で比較したい製品の候補
50名規模では、機能の多さよりも、守る対象と契約の考え方が自社にあうかが重要です。サイト防御の製品と、SaaSやクラウドの設定点検の製品を、費用の見方とあわせて紹介します。
BLUE Sphere
- WAF/DDoS防御/DNS監視/サイバー保険がオールインワン
- ドメイン無制限で複数サイトを1つの契約で守る!
- 三井住友海上火災保険「サイバープロテクター」が無償で付帯!
株式会社アイロバが提供する「BLUE Sphere」は、WAF、DDoS防御、DNS監視をまとめて備えたクラウド型のセキュリティサービスです。1社1契約で登録Webサイトが無制限になり、価格は一般的な最大トラフィックではなく「平均トラフィック」を基準に設定されています。費用の考え方を、トラフィックの実態にあわせて確認したい場合の比較材料です。提供形態はクラウド、SaaS、サービスです。全ての規模の企業を対象としています。
Cloudbric WAF+
- 特許取得のロジック&AIエンジンを搭載、高い攻撃検知力
- WAF/DDoS攻撃遮断/API保護/ボット対策/Malicious IP遮断
- 24時間365日監視体制と専門家にお任せのマネージドサービス付帯
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「Cloudbric WAF+」は、WAFにDDoS攻撃遮断やAPI保護、ボット対策などを加えた、クラウド型のWAAPサービスです。不正アクセスの検知に対応しており、保護対象のFQDN数とWebサーバーからの下りのデータ転送量を基準に、10種類のプランから選べます。保護したいサイトの数や通信量にあわせて、契約内容を検討したい場合の候補です。全ての規模の企業が対象です。
AppOmni (株式会社日立ソリューションズ)
- SaaSの権限や設定の不備を自動で診断
- 自社のセキュリティポリシーに沿った診断が可能
- 疑わしいアクセスを検知し管理者へ通知
ソフトバンクのクラウドパトロール (ソフトバンク株式会社)
- クラウドの設定ミスをCIS基準で自動チェック
- 公開資産を洗い出し脆弱性を優先度順に提示
- 検出結果をレポートやメール・Slackで通知
Falcon Shield (株式会社マクニカ)
- 業務で使う多数のSaaSの設定状況を横断で確認
- ユーザーやデータの状況を一覧で可視化
- 不審なID操作を検知し、対処手順も提示
クラウドセキュリティに関するよくある質問
クラウドセキュリティの企業規模にまつわる懸念点について、導入前に寄せられやすい質問と回答をまとめました。
- ■Q1:50名規模の企業でも、クラウドセキュリティは必要ですか?
- A:クラウド上に顧客情報や業務のデータを置いている場合は、規模にかかわらず設定ミスなどのリスクがあります。必要な範囲を見極め、自社の規模にあった製品を選ぶことが大切です。
- ■Q2:高機能な製品を選んで費用が割高にならないか、どう確認すればよいですか?
- A:課金の単位と最低契約量を確認し、現在の資源の数で見積もりを取りましょう。使わない機能が含まれていないか、機能を絞ったプランがあるかもあわせて問い合わせると判断しやすくなります。
- ■Q3:担当者が少ない場合、どんな製品が向いていますか?
- A:重要度の判定が分かりやすく、通知の数を調整できる製品が運用しやすくなります。導入時の設定支援や日本語での問い合わせ窓口があるかも、選ぶ際の材料にしてください。
- ■Q4:企業の成長に備えて、先に高機能な製品を契約しておくべきですか?
- A:先に契約すると、使わない期間の費用がかかる場合があります。プランの変更や対象の追加が柔軟にできる製品を選び、必要になった段階で拡張する方法も選択肢です。
まとめ
クラウドセキュリティは、企業規模にあった製品を選ぶことが大切です。50名規模では、守る対象に対して高機能な製品が割高になる場合があります。料金の課金単位や最低契約量を確認し、優先順位をつけて小さく始める進め方が有効です。まずは複数製品の資料請求で、費用と機能を比べてみてください。

