クラウドセキュリティを導入するメリット
クラウドセキュリティと従来型セキュリティの違いは以下の通りです。
種類 |
データの保存場所 |
運用やデータ管理 |
スケーリング |
導入期間 |
コストパフォーマンス |
従来型セキュリティ |
社内運用しているデータセンター |
自社 |
時間がかかる |
長い |
低い |
クラウド型セキュリティ |
サービス事業者が管理するデータセンター |
サービス事業者 |
すぐに実施できる |
短い |
高い |
コストを抑えながら対策できる
クラウドセキュリティサービスは、新たに設備や機器を導入する必要がありません。したがって、従来型のセキュリティと比べて導入コストを抑えられます。また、サービス提供会社がシステムの管理や保守を行うため、人材の教育・確保にかかるコストも不要です。
かつて人気だったオンプレミス型セキュリティサービスでは、機器の購入や初期設定などで数千万円かかることも珍しくありませんでした。
短期間で対策できる
クラウドセキュリティはサービスとして提供されているため、契約後すぐに導入・運用できます。自社でネットワークを構築したり、アプリケーションを改修したりする必要もありません。サービス管理会社の専門的な知見をもとに、自社に合ったセキュリティ環境を迅速に構築できます。
従来型のセキュリティは、自社で機器を購入したりシステムを設計したりしなくてはいけません。そのため、導入まで数か月かかることも珍しくありませんでした。
負担を軽減しながら運用できる
クラウドセキュリティでは、サービス管理会社側がシステムを運用・保守してくれます。そのため、社内で専門知識やスキルをもつ人材を一から教育したり、外部から人材を採用したりする必要がありません。会社にかかる負荷を大幅に軽減できるでしょう。
ただし中にはサービス管理会社側が対応できないこともあります。サービス導入の際はどのような業務を代行してもらえるのか事前に確認しましょう。
クラウドセキュリティの導入で特に気を付けるべきこと
クラウドセキュリティの導入で特に注意すべき点について解説します。
IDやパスワードの漏えい
クラウドセキュリティではIDやパスワードでシステムにログインします。そのため社内の情報管理体制がしっかり整っていないと、情報の外部漏えいにつながる可能性が高いです。また、クラウドセキュリティはクラウド環境で稼働します。したがって、コンピュータウィルスやマルウェアといったサイバー攻撃の対象にもなります。
クラウドセキュリティを導入する際は、不正ログインやアクセス対策をしっかりと行っているところを選びましょう。もちろん、社内でもセキュリティ教育を行う必要があります。
データ消失
サービス管理会社のサーバで障害や不具合が発生すると、自社に過失がなくてもデータ消失につながるおそれがあります。また、管理会社の人的ミスによってデータが外部漏えいすることも考えられます。クラウドセキュリティ導入の際はデータがどのように復旧されるのかしっかりと確認しておきましょう。システム自体が操作ミスの発生しないようなインターフェースになっているかも重要です。
クラウドセキュリティ製品の特徴
クラウドセキュリティサービスは、ベンダーごとにさまざまな製品がリリースされています。たとえばメールを悪用したサイバー攻撃に特化した製品は、メールを悪用した新種のマルウェアやフィッシング詐欺などの防止に効果的です。
また、データ漏えいなどで顧客や取引先企業から損害賠償請求をかけられた時でも、被害額を軽減できる「サイバー保険付きのWAF製品」もあります。1つの契約でドメインを無制限に登録できるため、複数のWebサイトを保有している方にもおすすめです。
クラウドセキュリティサービスはそれぞれ機能性や特徴が異なります。自社アプリケーションとの相性や導入目的などにあわせて最適なものを選びましょう。
クラウドセキュリティを導入し、データの安全性を高めよう
クラウドセキュリティは、短期間で自社に合わせたセキュリティ対策ができるサービスです。従来型セキュリティよりも大幅にコストを抑えられるため積極的に活用しましょう。ただし外部の管理会社にシステムの保守管理を任せることになります。したがって、IDやパスワードの漏えい、データの消失には十分注意する必要があります。
クラウドセキュリティを導入して、データの安全性を高めてください。