データレスクライアントの市場規模は?
データレスクライアントと同じく、テレワークなどで使うPCの情報漏えい対策を支える分野では、調査会社のITRがDaaSの市場規模を発表しています。同社の2024年3月の発表では、国内のDaaS(クラウド上の仮想デスクトップ)市場は2022年度に366億9,000万円で、前年度比11.9%増でした。2022〜2027年度のCAGR(年平均成長率)は7.9%で、2026年度には500億円規模に達すると予測されています。仮想デスクトップをクラウドで提供するサービスの市場で、データレスクライアントそのものの数字ではありません。
一方、ITトレンドに掲載されているデータレスクライアントは5製品で、提供企業も5社です。ここからは、ITトレンドの資料請求ランキングと製品ページの掲載内容から、データレスクライアントの動きを見ていきます。
【資料請求ランキングTOP5】いま注目されるデータレスクライアント
まずは、資料請求ランキングから人気の製品を紹介します。ランキングは、製品を比較・検討している企業の関心を表すデータです。
ITトレンドのデータで見ると、2026年10月時点のデータレスクライアントは「Soliton SecureWorkspace」が資料請求ランキング1位です。2位はZENMU Virtual Drive、3位はFlex Work Place Passage / Passage Driveでした。5製品ともPCに業務データを残さない製品で、隔離領域や秘密分散など、データを守る仕組みの違いで比べられている点が特徴です。
次の図は、2026年10月19日更新の資料請求ランキングTOP5です。週間のランキングのため、順位は時期によって入れ替わります。
| 順位 | 製品名 | 提供企業 | 製品の特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | Soliton SecureWorkspace | 株式会社ソリトンシステムズ | 既存のPCにデータを残さない隔離領域をつくり、VDI相当の業務環境を実現する。 |
| 2位 | ZENMU Virtual Drive | 株式会社ZenmuTech | 秘密分散技術でデータをPC内と外部に分けて保管し、盗難時の情報漏えいを抑える。 |
| 3位 | Flex Work Place Passage / Passage Drive | 横河レンタ・リース株式会社 | オンプレ版とクラウド版で既存のWindows PCをデータレス化し、紛失に備える。 |
| 4位 | Shadow Desktop | アップデータ株式会社 | PC内のデータをクラウドやサーバーへ自動で上げ、操作感を変えずにデータレス化。 |
| 5位 | セキュアコンテナ | e-Janネットワークス株式会社 | 既存のPCをデータレス化し、非公開型VPNとの組み合わせで社内に安全に接続できる。 |
※「ランキング」は、資料請求数にもとづくITトレンドの資料請求ランキング(2026年10月19日更新)です。
※「製品の特徴」は、ITトレンドの製品ページの掲載内容をもとにまとめています。提供形態と参考価格は製品一覧に掲載がないため、提供企業を示しています。
※データレスクライアントのカテゴリには、集計できるレビューがまだありません。
▼最新の人気ランキングもあわせて確認
いま資料請求が集まっているデータレスクライアントは、月間ランキングで確認できます。
[分析]2026年のデータレスクライアント市場の3つの傾向
ここでは、ITトレンドに掲載されている5製品の製品ページと資料請求ランキングから、市場の傾向を整理します。
1.データを守る仕組みは製品ごとに違う
製品ページの紹介を見ると、5製品はどれもPCに業務データを残さない製品ですが、その仕組みはそれぞれ違います。Soliton SecureWorkspaceはPC内に隔離領域をつくり、ZENMU Virtual Driveは秘密分散でデータをPC内と外部に分けます。Shadow Desktopは、PC内のデータをクラウドやサーバーへ自動でアップロードする方式です。
2.VDIと比べたコストや使い勝手を掲げる製品が多い
5製品のうち3製品が、製品ページでVDI(仮想デスクトップ)と比べた利点を掲げています。Soliton SecureWorkspaceとShadow Desktopは、VDIと同等のセキュリティを低コストで実現するとしています。ZENMU Virtual Driveも、VDIのコストや利便性の課題を軽くするとしています。仮想デスクトップに代わる選択肢として検討されていることがうかがえます。
3.通信できないときも作業を続けられる製品が多い
5製品のうち3製品が、通信できない状態でも作業を続けられることを挙げています。Soliton SecureWorkspaceは、常時の通信が不要としています。Flex Work Place Passage / Passage DriveとShadow Desktopも、オフラインで業務を続けられるとしています。なお、5製品とも製品一覧に提供形態や参考価格の掲載はありませんでした。
どれを選ぶべき?課題別のおすすめ
- ■VDIの代わりに、いまのPCで安全な業務環境をつくりたい企業
- Soliton SecureWorkspace / Shadow Desktop / ZENMU Virtual Drive
- ■オンプレミスかクラウドかを選び、既存のWindows PCをデータレス化したい企業
- Flex Work Place Passage / Passage Drive
- ■社外から社内への安全な接続も、あわせて整えたい企業
- セキュアコンテナ
同じランキング上位でも、合う製品は企業ごとに変わります。この分野ではPCの使い方で向く製品が違うため、オフラインでの利用や社内への接続など、必要な条件を先に決めると、比べる製品を絞りやすくなります。
ランキングをどう活かす?比較するときの注意点
- ●週間のランキングは短い期間の資料請求数で、時期によって順位が入れ替わる
- ●このカテゴリには集計できるレビューがまだなく、使い勝手は資料やデモで確かめる必要がある
- ●製品一覧に参考価格の掲載がなく、VDIなどほかの方式とも費用をそろえて比べる必要がある
ランキングは、いま候補に挙がりやすい製品を知る手がかりとして役立ちます。最終的には、利用するPCの台数やOS、オフラインでの作業の有無、社内システムへの接続方法に合うかを軸に比較することが大切です。
自社に合うデータレスクライアントを比較検討しよう
この記事では、関連する市場の調査とITトレンドの資料請求ランキングから、データレスクライアントの市場の様子と人気の製品を紹介しました。気になる製品は資料請求して一覧で比較し、自社のPCの運用に合うかを確かめてみてください。
以下の記事では、データレスクライアントの仕組みや選び方とともに、製品を比較して紹介しています。あわせてご覧ください。

