IBM Asperaとは
IBM Asperaは大容量ファイルを、転送距離やネットワークの状況に左右されることなく高速かつ安全に転送するソフトウェアです。FASPと呼ばれる転送プロトコルを使うことで、HTTPのような旧来の転送方法の数十倍から数百倍もの転送速度を実現。また、ソフトウェア製品であるため、インフラを増強しなくても導入できるのが魅力です。
IBM Asperaの強み
IBM Asperaには独自プロトコル「FASP」を筆頭に、さまざまな特長があります。
◇帯域幅制御
帯域幅をどれほど有効活用できるかは、ファイルの転送速度を大きく左右します。IBM Asperaは帯域幅使用状況アルゴリズムにより、帯域幅容量を高速で自動算出。他のトラフィックを妨げることなく、最大限に帯域幅を活用することで高速通信を実現します。
◇TCPトラフィックに対する柔軟性
IBM AsperaのFASPは、上述したように利用可能な帯域幅を最大限活用できます。しかし、利用する帯域幅を減らし、TCPトラフィックに譲る伝送速度制御メカニズムも搭載。標準TCPトラフィックのために一時的に帯域幅の使用量を控え、その後自動的に幅を増加させるといった柔軟な対応が可能です。
◇オープンアーキテクチャの柔軟性
IBM Asperaは、最新のソフトウェアAPIを搭載。あらゆる主要なOSとクラウドプラットフォームの間で、ファイルとディレクトリの転送をサポートします。
◇監視とレポート
リアルタイムにシステムの状態を監視し、レポートを作成します。また、転送前後のカスタム処理のために、転送進行状況レポートとパフォーマンス統計を利用できます。
IBM Asperaでできること
IBM Asperaを導入すると、具体的にどのようなことができるのでしょうか。
◇ストリーミング
IBM Asperaは動画のストリーミング配信に対応しています。地理的に離れていても、大容量の映像ファイルをほぼ遅延なしに配信可能です。
◇クラウド
独自のAspera Direct-to-Cloud技術により、クラウドプラットフォーム上で高速なファイルのアップロード・ダウンロードを実現します。一時停止や自動再開、レポート作成、暗号化など、転送管理機能も充実しています。
◇オートスケール
Asperaの転送プラットフォームはオートスケール機能が搭載されています。これは、転送サーバが自動的に停止・開始を行って適切なスケールに調節し、転送負荷を管理する機能です。スケールの状況は、スケールアウト・データ・ストアにより情報が収集され、レポートが作成されます。