統合開発環境の市場規模は?
統合開発環境(IDE)は、コードの記述やデバッグなど、ソフトウェア開発に必要な機能を一つにまとめたツールです。同じくアプリケーション開発を支える分野では、ITRがローコード/ノーコード開発市場の規模を発表しています。ITRによると、国内のローコード/ノーコード開発市場は2024年度に994億円で、前年度比15.1%増でした。2025年度も14.9%増が予測されていますが、統合開発環境そのものの数字ではありません。
ITトレンドには、統合開発環境(IDE)として17製品が掲載され、提供企業は9社です。現在、ITトレンドから資料請求できる製品はなく、17製品とも情報のみの掲載です。
ここからは、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、統合開発環境の動きを見ていきます。
ITトレンドに掲載されている主な統合開発環境(IDE)
まずは、ITトレンドに掲載されている統合開発環境を紹介します。製品ページの掲載内容は、各社がどんな言語や開発の場面を想定しているかを知る手がかりです。
ITトレンドのデータで見ると、2026年10月時点の統合開発環境は幅広い言語や環境に対応する汎用型の製品が17製品中8製品を占めます。ITトレンドから資料請求できる製品はまだなく、17製品とも情報のみの掲載です。汎用型と、特定の言語に特化した製品が並ぶ点が特徴です。
次の図は、掲載されている製品のうち主な10製品を、製品ページの掲載内容をもとに用途で分けたものです。その下の表では、ITトレンドから資料請求できるかどうかもあわせて示しています。
| 製品名 | 提供企業 | 資料請求 | 製品の特徴 |
|---|---|---|---|
| AWS Cloud9 | アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 | 情報のみ掲載 | ブラウザだけで使えるクラウドの開発環境。リアルタイムの共同作業にも対応。 |
| PaizaCloudクラウドIDE | paiza株式会社 | 情報のみ掲載 | ブラウザを開くだけで使えるクラウドの開発環境。環境構築の手間を省ける。 |
| IntelliJ IDEA | JetBrains s.r.o. | 情報のみ掲載 | JavaやKotlinなど多言語に対応し、コード補完やデバッグ、リファクタリングを備える。 |
| Visual Studio Community | 日本マイクロソフト株式会社 | 情報のみ掲載 | Windows・Web・モバイル向けの開発を支える。個人や小規模組織は無料で使える。 |
| ApacheNetBeans | Apache Software Foundation. | 情報のみ掲載 | Javaなど複数言語に対応するオープンソースのIDE。デスクトップ・Web開発を支援。 |
| Qt Creator | The Qt Company Oy | 情報のみ掲載 | 単一のコードベースで、OSやデバイスを問わず展開できる製品開発の環境。 |
| AppCode | JetBrains s.r.o. | 情報のみ掲載 | Objective-CやSwift、C++など多数の言語に対応し、Xcodeとも連携できる。 |
| CLion | JetBrains s.r.o. | 情報のみ掲載 | C/C++開発に特化したIDE。主要なビルドシステムやリモートデバッグに対応。 |
| WebStorm | JetBrains s.r.o. | 情報のみ掲載 | JavaScriptやTypeScriptなどフロントエンド開発に特化し、主要フレームワークに対応。 |
| GoLand | JetBrains s.r.o. | 情報のみ掲載 | Go言語の開発に特化したIDE。コード補完やテスト、バージョン管理の連携を備える。 |
※「製品の特徴」は、ITトレンドの製品ページの掲載内容をもとにまとめています。
※「情報のみ掲載」の製品は、ITトレンドから資料請求できません。
[分析]2026年の統合開発環境市場の3つの傾向
ここでは、ITトレンドに掲載されている17製品の製品ページから、市場の傾向を整理します。
1.汎用型と、特定の言語に特化した製品に分かれる
掲載17製品のうち8製品は、複数の言語や環境に対応する汎用型です。残る9製品のうち7製品は、C/C++向けのCLionやGo言語向けのGoLandのように、特定の言語や分野に特化しています。製品ページでリファクタリングの機能を掲げる製品は7製品あり、開発の効率化が共通のテーマです。
2.提供企業9社のうち、JetBrainsが8製品
17製品の提供企業は9社で、そのうちJetBrainsが8製品を掲載しています。IntelliJ IDEA、WebStorm、GoLandのように、言語ごとに製品を分けて提供している点が特徴です。Apache Software Foundationも2製品を掲載しており、提供企業の顔ぶれは限られています。
3.ブラウザで使う製品や、無料・オープンソースの製品も
AWS Cloud9とPaizaCloudクラウドIDEは、ブラウザだけで使えるクラウド型の開発環境です。無料やオープンソースを掲げる製品も4製品あり、Visual Studio Communityは個人や小規模組織なら無料で使えます。導入しやすい製品がそろう一方、レビューがあるのはAWS Cloud9の5件だけです。
どれを選ぶべき?目的別のおすすめ
- ■JavaやKotlinなど、複数の言語を一つの環境で開発したい企業
- IntelliJ IDEA / Visual Studio Community / ApacheNetBeans
- ■C/C++やGo、フロントエンドなど、特定の言語に絞って開発したい企業
- CLion / GoLand / WebStorm
- ■環境構築をせず、ブラウザだけで開発や学習を始めたい企業
- AWS Cloud9 / PaizaCloudクラウドIDE
同じ統合開発環境でも、対応する言語や使い方は製品ごとに大きく違います。そのため、主に使うプログラミング言語と、開発する環境(PC・ブラウザ)を先に決めておくと比べやすくなります。
掲載製品をどう活かす?比較するときの注意点
- ●掲載されている17製品はいずれも情報のみ掲載で、ITトレンドから資料請求できない
- ●オープンソースの製品には、AptanaStudio3のように積極的なメンテナンスが行われていないものもある
- ●無料で使える範囲や商用利用の条件は製品ごとに違うため、利用条件を確かめる
掲載製品の顔ぶれは、どんな種類の製品があるかを知る手がかりとして役立ちます。最終的には、使う言語と、チームの開発環境や利用条件に合うかを軸に比較することが大切です。
自社に合う統合開発環境(IDE)を比較検討しよう
この記事では、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、統合開発環境の市場の様子を紹介しました。気になる製品は製品ページで対応する言語や機能を確かめ、自社の開発に合うかを見極めてみてください。
以下の記事では、統合開発環境(IDE)を比較し、言語別のおすすめや選び方も紹介しています。あわせてご覧ください。

