キッティングサービスとは
キッティングサービスとはどのようなサービスなのでしょうか。
PCやスマホの初期設定をアウトソーシングできる
キッティングとは、PCやスマホなどのデバイスの初期設定を行うことを意味します。具体的には、購入してまっさらな状態のデバイスに業務用ソフトのインストールやセキュリティ対策を行い、すぐに使える状態に整える作業を指します。
企業がデバイスを購入して社員が使える状態にする場合、大量のデバイスに対してキッティングを施さなければなりません。一つひとつの作業は軽くても、数が多ければ大きな負担となるでしょう。
そこで、この作業を代行してくれるのがキッティングサービスです。新入社員の一括採用時やデバイスの買い替え時期にキッティングサービスを利用することで、膨大な作業をアウトソースできます。
サーバやプリンターなどさまざまな機器に対応
単にキッティングといった場合、基本的にはPCやスマホ、タブレット端末といったクライアントデバイスの初期設定を指します。しかしそのほかにもサーバやプリンター、ハンディスキャナ、バーコードリーダなど、業務で用いるさまざまな機器の初期設定をキッティングと呼ぶこともあります。
キッティングにおける課題
自社でキッティングを行う場合、以下の課題点があげられます。
作業工数が多い
まず、単純に作業工数が多いのが問題です。壊れたデバイスだけを買い替えるケースであれば、せいぜい数台分のキッティングを行えば済むでしょう。しかし、新卒一括採用時や古くなった社内のデバイスを全面的に買い替える場合などは、一度に膨大な数のデバイスを購入する必要があります。すべての端末に迅速にキッティングを行うには、多くの人手が必要です。人件費の増大を考慮すると軽視できない負担といえるでしょう。
人為的ミスの可能性がある
キッティングは非常に繊細な作業です。ほんのわずかな設定が間違っているだけで、業務に大きな支障をきたす場合があります。
例えば、ネットワーク設定が不十分ではデバイスはネットワークにつながりません。これではメールをはじめとした業務連絡手段が失われ、そのデバイスを使うはずだった社員の業務に大幅な遅れが生じてしまいます。
設定ミスが1台の端末でのみ発生しているのならすぐに修復可能ですが、そもそもキッティングの方法自体が間違っていれば、すべてのデバイスに問題が生じます。これを修復するには原因を特定し、全デバイスを回収して再度キッティングをし直すという膨大な作業が生じるのです。
セキュリティ対策を徹底しなければならない
デバイスは情報の塊です。利用者の個人情報から業務上の機密情報までがデバイスに詰まっています。そのため、セキュリティ対策は慎重に行わなければなりません。
たとえば、デバイスが紛失した際に備え、データの暗号化や遠隔操作によるデータ削除などの対策を施す必要があります。また、社員が業務に無関係なゲームや音楽のアプリをインストールし、その結果としてウイルスに感染しないよう、操作権限の管理も求められるでしょう。
しかし、どのようなセキュリティ対策を施すべきかを考え、それをキッティング時に行うのは簡単なことではありません。セキュリティ対策について正しい知識・技術をもつ人なら可能でも、その人手や人件費の確保が大きな課題となります。
キッティングサービスの導入メリット
キッティングサービスを導入すれば、上述した課題を解決できます。サービスのメリットを詳しく見ていきましょう。
作業負荷の軽減
キッティングサービスを利用すると、キッティング作業の負担がなくなります。購入したデバイスを箱より取り出すところから、電源ボタンを押すだけで使える状態にするまで、すべての初期設定を代行してもらえるのです。
自社でキッティングを行う場合はノウハウがないため、どの程度の時間や労力、人件費がかかるのかを想定するのも困難でしょう。その点、キッティングサービスならどのくらいの負担が発生するのかが委託料という形で可視化され、そのコストを支払うだけですべてのキッティング作業から解放されます。
デバイスごとに適切なセキュリティ設定が可能
キッティングサービスを提供するアウトソーサーは、キッティングに関して専門知識を持っています。それはキッティング時に施すセキュリティ対策についても例外ではありません。企業で運用されるデバイスにどのようなセキュリティ対策を施さなければならないのか、専門知識を持ったアウトソーサーがキッティングを受託します。
先述したように、ビジネスで利用するデバイスのセキュリティ対策には細心の注意を払わなければなりません。自社で行うのではなく、プロに委託したほうが安心できるでしょう。
作業時間が速い
キッティングサービスのアウトソーサーは、当然ながらキッティング作業を効率的に行うノウハウを持っています。たとえば、よく用いられる手法がクローニングです。これは、まず1台のPCに設定を施してマスターPCとし、ほかのPCに設定をコピーする手法です。1台ずつ設定する必要がなく、作業時間を大幅に短縮できます。
そのため、自社でキッティングを行うよりもアウトソースしたほうが結果的に短期間でデバイスを使えるようになります。いつデバイスが使えるようになるのか、見通しを立てやすいのもメリットでしょう。
キッティングサービスについて知り、導入を検討しよう
キッティングサービスとは、PCやスマホといった機器の初期設定を代行してくれるサービスです。自社でキッティングを行う場合は、その作業工数の多さやセキュリティ上の不安、人為的ミスのリスクが課題となりますが、キッティングサービスなら安心です。ローリスクなのはもちろん、人件費を削減できることで結果的にローコストになるケースもあります。メリットとデメリットを比較し、サービスの導入を検討してみましょう。