ワンタイムパスワードのメリット
ワンタイムパスワードのメリットは、大きくわけて3つあります。「ユーザビリティを損なわずに認証を強化できること」「パスワード流出時のリスクを低減できること」「高い汎用性と活用の幅」です。それでは順番に見ていきましょう。

メリット(1) ユーザーが簡単に使える認証強化
ワンタイムパスワードのメリットの一つは、比較的簡単に情報セキュリティを強化できることです。それではなぜ簡単なのか、その理由について詳しく解説していきます。
ユーザーエクスペリエンスを損なうことなくセキュリティ強化
ログインのプロセスを複雑にすると、ユーザーがログインする際に手間をとられてしまい、ストレスを感じたり、サービスの利用を控えたりする可能性があります。
一方で、ワンタイムパスワードを利用すると、IDとパスワードによるログインはほぼ同じプロセス上にあるため、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性も低いといえます。
パスワード変更の負担を軽減する
また多くの企業では、セキュリティ強化のために定期的なパスワード変更を社員に求めています。しかし、パスワードの管理はユーザーの負担となり、セキュリティ意識の低下につながりかねません。具体的には、パスワード忘れや多くのシステムで共通のパスワードを使用するなどして、結果的にセキュリティレベルを低下させる状況の発生が懸念されます。
このようなケースでも、ワンタイムパスワードの採用はユーザー負担を軽減するといえるでしょう。なぜなら、1回限りの使い捨てパスワードは、覚える必要も変更する必要も管理の必要もないからです。
メリット(2)パスワード流出時のリスクを低減
ワンタイムパスワードを使う2番目のメリットは、万が一パスワードが流出した際の危険を最小限にできることです。それでは具体的に見ていきましょう。
二段階認証でパスワード流出対策ができる
通常のID・パスワードによる認証とワンタイムパスワードを組み合わせることで、二段階認証を実現できます。二段階認証を利用すると、通常のログインの情報が漏れてもワンタイムパスワードがセキュリティの「歯止め」として機能し、他者からの不正ログインを防げます。
ワンタイムパスワードは流出してもリスクがない
また、ワンタイムパスワードの流出が発生した場合も、各パスワードは一度しか使用できないため安心です。換言すれば、すでに使用済みのパスワードではログインの認証をすり抜けられず、不正なログインを阻止できるのです。
まとめると、ユーザビリティを大きく損なわずにセキュリティを強化できることも、一つのメリットだといえるでしょう。
メリット(3)さまざまなところで導入できる高い汎用性
最後のメリットとして、ワンタイムパスワードの汎用性があります。活用シーンやデバイス、サービスを選ばないワンタイムパスワードは、さまざまなウェブサービスで導入されています。ここでは、高度なセキュリティが求められるネットバンキングでの導入事例を見てみましょう。
メガバンクの認証でも多く利用される
メガバンクのネットバンキングは、ユーザーが希望するとワンタイムパスワードをログイン認証に組み込める仕組みを採用しています。ワンタイムパスワードの利用には、スマートフォンのアプリやトークン(ワンタイムパスワード生成器)と呼ばれる小さな電子機器が必要です。アプリは無料でダウンロードでき、トークンも無料で配布され使い方も簡単なため、ユーザーの利便性にも配慮したサービスといえます。
ここまでワンタイムパスワードのメリットについて解説してきましたが、デメリットはあるのでしょうか。こちらの記事では、覚えておきたいデメリットとその対策を紹介しています。あわせてご覧ください。
ワンタイムパスワードのメリットを理解しよう!
このように、ワンタイムパスワードには、「簡単な認証強化」「高いユーザビリティの確保」「さまざまなシーンで活用できる高い汎用性」といったメリットがあります。ぜひこの機会に、業務システムセキュリティ強化のため、ワンタイムパスワードの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、最新のワンタイムパスワード製品を紹介しています。製品の選び方や注意点も解説しているため、最新情報を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
