ホテル管理システム(PMS)とは
ホテル管理システム(PMS:Property Management System)とは、宿泊施設の運営業務を一元管理するためのシステムです。予約管理、顧客情報管理、客室管理、売上管理など、ホテルや旅館の日常業務に必要な機能を統合的に提供します。
従来は紙ベースや複数のシステムで管理していた業務を、1つのプラットフォームで効率化できるため、多くの宿泊施設で導入が進んでいます。特に近年は、人手不足の解消や業務効率化のニーズが高まり、クラウド型PMSの需要が急速に拡大しています。
ホテル管理システム(PMS)を比較する際は、施設規模・運営形態への適合性、操作性、外部システムとの連携、カスタマイズ性・拡張性、セキュリティと信頼性、費用対効果、サポート体制の7点を確認することが重要です。
ホテル・宿泊施設向けシステム(PMS)についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ホテル管理システム(PMS)のタイプ
ホテル管理システム(PMS)は、対応する施設規模や得意とする業務によって、主に以下の3タイプに分けられます。自施設の客室数や運営体制、効率化したい業務にあわせて選びましょう。
| タイプ | おすすめの施設 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ▶省人化・無人運営向け | 無人ホテル、民泊、アパートメントホテル、省人化を進めたい施設 | セルフチェックインやスマートロックと連携し、フロント業務を効率化できる |
| ▶旅館・中小規模施設向け | 旅館、民宿、小規模ホテル、ゲストハウス | 必要な機能を低コストで導入しやすく、操作性にも優れる |
| ▶大規模ホテル・チェーン向け | シティホテル、大規模ホテル、複数施設を運営するホテルチェーン | 予約・顧客・売上・会計などの幅広い業務を一元管理できる |
省人化・無人運営向け
フロント業務の省人化や、宿泊施設の無人運営を実現したい場合に適したタイプです。オンラインでの事前チェックインや決済、本人確認、スマートロックによる鍵の受け渡しなどを自動化できます。
予約受付からチェックアウトまでを非対面で完結できる製品もあり、人手不足への対応や深夜・早朝のチェックインにも有効です。無人化を進める場合は、トラブル発生時の遠隔サポートや、多言語対応、清掃管理機能の有無も確認しましょう。
旅館・中小規模施設向け
旅館や民宿、小規模ホテルなど、比較的客室数が少ない施設に適したタイプです。予約管理や客室管理、顧客管理、売上管理などの基本機能を備えながら、低コストで導入しやすい傾向にあります。
シンプルな画面で操作できる製品も多く、専任のシステム担当者がいない施設でも運用しやすい点が特徴です。サイトコントローラーや予約エンジンとの連携可否に加えて、料理や送迎、宴会など旅館特有の業務を管理できるかも確認しましょう。
大規模ホテル・チェーン向け
客室数の多いシティホテルやリゾートホテル、複数施設を運営するホテルチェーンに適したタイプです。予約・客室・顧客管理だけでなく、売掛管理や会計、宴会、レストラン、施設管理など、ホテル運営に関わる幅広い業務を一元化できます。
複数施設の予約状況や売上を本部で確認できる製品や、施設ごとの運用にあわせてカスタマイズできる製品もあります。既存の会計システムや自動精算機、サイトコントローラーとの連携性も重要な比較ポイントです。
ホテル管理システム(PMS)の機能
以下に、PMSが備える代表的な機能を紹介します。
- ■PMSの主要機能
- ●予約管理・在庫管理
- ●顧客情報管理・顧客対応履歴
- ●客室管理・清掃管理
- ●売上管理・レポート作成
- ●チェックイン・チェックアウト業務
- ●料金設定・プラン管理
ホテル管理システム(PMS)の価格相場
ホテル管理システム(PMS)の料金は、施設単位の月額固定型や、客室数・ベッド数に応じた従量課金型があります。公開価格では、月額980円~18,000円程度、客室数課金型は1室あたり月額2,000円~3,000円程度が目安です。大規模ホテルやチェーン向け製品は、個別見積もりとなるケースが多くあります。
| 製品名 | 料金体系 | 参考価格 |
|---|---|---|
| PMS 宿泊管理システム | 客室数に応じて変動 | 月額5,000円~ |
| Staysee | 月額固定 | 月額980円~ |
| innto | ベッド数に応じて変動 | 月額199円/ベッド~ |
| AirHost ONE(HMS) | 客室数に応じて変動 | 月額2,000円~3,000円/室 |
| Check Inn | 施設・客室数に応じて変動 | 月額18,000円/施設~ |
詳しい料金については、各社製品の資料を取り寄せ見積もりを依頼することをおすすめします。以下のボタンから、一括資料請求(無料)も可能です。ぜひご利用ください。
ホテル管理システム(PMS)を導入するメリット
ホテル管理システムの導入により、宿泊施設はさまざまな恩恵を受けられます。業務効率化から収益向上まで、その効果は多岐にわたります。
業務効率化と人件費削減
PMSの導入により、手作業で行っていた予約管理や顧客情報の入力作業が自動化されます。また、各予約サイトからの予約情報を一元管理できるため、ダブルブッキングのリスクを回避し、スタッフの作業負担を大幅に軽減可能。セルフチェックイン機能を活用すれば、フロント業務の無人化・省人化も実現できます。
収益最大化の実現
リアルタイムでの在庫管理と動的な料金設定により、需要に応じた最適な価格戦略を実施できます。過去の予約データや稼働率の分析により、繁忙期・閑散期の予測精度が向上し、レベニューマネジメントの効果が最大化されるでしょう。
顧客満足度の向上
顧客情報の一元管理により、リピーター識別や個別対応が可能になります。また、事前チェックイン機能やモバイルアプリとの連携により、ゲストの利便性が大幅に向上し、顧客体験の質を高められます。
データ活用による経営改善
売上データや稼働率、顧客属性などの各種データを自動集計・分析することで、経営判断に必要な情報をタイムリーに取得できます。これにより、データドリブンな経営戦略の立案が可能になります。
宿泊施設が抱えやすい課題と、PMS導入によって期待できる改善効果を整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
ホテル管理システム(PMS)の選び方・比較ポイント
ホテル管理システムを選定する際は、自施設の規模や運営形態、予算などを総合的に考慮する必要があります。次の7つのポイントを重視して比較検討してみてください。
施設規模と運営形態への適合性
まず重要なのは、システムが自施設の規模と運営形態に適しているかという点です。小規模な民宿・ペンションから大型リゾートホテルまで、施設の規模によって必要な機能は大きく異なります。また、有人運営か無人運営か、チェーン展開か単独運営かによっても最適なシステムは変わってきます。
客室数が少ない施設では、シンプルで導入しやすいシステムが適している一方、客室数が多い施設では、複雑な予約管理や詳細なレポート機能が必要になります。自施設の特性を明確にしたうえで、それに最適化されたシステムを選択することが重要です。
操作性とユーザビリティ
システムの操作性は、日常業務の効率に直結する重要な要素です。直感的で分かりやすいインターフェースを持つシステムを選択することで、スタッフの教育コストを削減し、ミスを防げます。
そのためには、デモンストレーションや無料トライアルを活用して、実際の操作感を確認することが推奨されます。特に、繁忙時でも迅速に操作できるかどうか、新人スタッフでも使いこなせるかどうかを重点的にチェックしましょう。
外部システムとの連携機能
現在利用している予約サイトやサイトコントローラー、会計システムなどとの連携可能性を確認することが重要です。シームレスなデータ連携により、重複作業を削減し、ヒューマンエラーを防止できます。
特に、楽天トラベル、じゃらん、Booking.comなどの主要OTA(オンライン・トラベル・エージェント)との連携状況、決済システムとの連動性、清掃管理システムとの統合可能性などを詳しく調査しましょう。
カスタマイズ性と拡張性
施設の成長や事業拡大に対応できる柔軟性を持つシステムの選択もポイントです。将来的な機能追加やカスタマイズに対応できるかどうかを確認し、長期的な視点でシステムを評価しましょう。
また、新しい技術やトレンドへの対応力も重要な判断材料です。IoT機器との連携やAI機能の搭載予定など、将来性のあるシステムを選択することで、継続的な競争力維持が可能になります。
セキュリティと信頼性
顧客の個人情報や決済情報を扱うシステムにとって、セキュリティは最重要事項です。SSL暗号化、データバックアップ体制、アクセス権限管理などの基本的なセキュリティ機能に加え、GDPR対応やプライバシーマーク取得などの第三者認証も確認しましょう。
また、システムの稼働率やサポート体制も重要な要素です。24時間365日の安定稼働と、トラブル発生時の迅速なサポートが保証されているかの確認が必要です。
費用対効果
初期導入費用に加え、月額利用料、保守費用、オプション費用など、総コストを正確に把握することが求められます。また、システム導入による業務効率化や収益向上の効果と比較して、費用対効果を慎重に検討しましょう。
特に、隠れた費用の有無や、利用者数・客室数の増加に伴う料金体系の変化、解約時のコストなどを事前に確認しておくことが大切です。
サポート体制と教育プログラム
システム導入後の継続的なサポート体制は、安定運用に不可欠です。導入支援、操作研修、トラブル対応、システムアップデート対応など、包括的なサポートが提供されるかを確認しましょう。
また、マニュアルの充実度、オンライン研修の有無、ユーザーコミュニティの活発さなども、システムを有効活用するための重要な要素です。
比較検討から導入準備、運用開始までの流れを整理したい方は、以下の記事もあわせて確認しておきましょう。
【比較表】おすすめのホテル管理システム(PMS)
ここでは、ITトレンド編集部がおすすめするホテル管理システムを比較表で紹介します。製品の詳細はのちほど解説するので、気になる製品をぜひチェックしてみてください。気になる製品の資料をまとめて請求し、対応機能や連携できるサービス、料金、サポート体制を比較してみましょう。
▶省人化・無人運営に強みをもつホテル管理システム(PMS)
フロント業務の省人化や無人運営を目指す施設には、セルフチェックインやオンライン決済、スマートロック、清掃管理などを一元化できるPMSがおすすめです。
aipass
- PMSと宿泊ゲスト専用アプリの一体型
- 豊富な省人化・無人化機能や外部連携
- 分かりやすい画面で教育コストを削減
aipass株式会社が提供する「aipass」は、宿泊管理システム(PMS)・スマートチェックイン・宿泊ゲスト専用アプリを一体化したホテル向けシステムです。予約管理からチェックイン・チェックアウト、滞在中の案内までをデジタルで完結でき、省人化・無人運営を実現します。外部システムとの連携にも対応し、現場の業務効率化とゲスト体験の向上を同時に支援。直感的で分かりやすい画面設計により、スタッフの教育コスト削減にも貢献します。
株式会社スマートオーダーのPMS 宿泊管理システム
- 宿泊施設がスマートに管理でき、運営コスト削減・効率化
- 指紋認証や暗証番号解錠など無人化設備で省人化を促進
- 次世代SNSを活用したインバウンド集客の強化が可能
株式会社スマートオーダーが提供する「PMS 宿泊管理システム」は、予約・客室・清掃・決済・セルフチェックインなど、宿泊施設の運営業務を一元管理できるクラウド型PMSです。国内OTAとの連携や複数チャネルの料金・メッセージ管理にも対応し、日常業務の効率化と運営コストの削減を支援します。さらに、スマートロックや指紋認証、暗証番号解錠などの無人化設備と連携できるほか、SNSを活用したインバウンド集客にも強みがあります。
HOTEL SMART
xxx株式会社が提供する「HOTEL SMART」は、60,000室以上で導入されているクラウド型ホテル管理システムです。予約管理や売上分析に加え、オプション販売によるアップセル機能やリピート顧客獲得機能など売上向上を目指せる機能を搭載。セルフチェックイン機能により、有人無人問わず様々な運営形態に対応できる柔軟性の高いシステムです。
AirHost
株式会社エアホストが提供する「AirHost」は、ホテル・民泊向けオールインワン管理システムとして数多くの施設に導入されています。予約管理からチェックイン、清掃、スマートロック連携まで一元管理し、民泊だけでなくホテルや旅館にも対応。サイトコントローラー、PMS、ブッキングエンジン機能を統合した包括的なソリューションを提供します。
▶旅館・中小規模施設におすすめのホテル管理システム(PMS)
旅館や民宿、ゲストハウスなどの中小規模施設には、操作しやすく、必要な機能を低コストで利用できるPMSがおすすめです。予約・客室・売上管理に加えて、サイトコントローラーや自社予約システムを一体で利用できる製品もあります。
CheckInn (Check Inn 株式会社)
- ポップアップ自社予約でHP離脱率低下に貢献
- Googleホテル広告掲載で自社予約率を向上
- 初期費用無料で月額18,000円から利用可能
陣屋コネクト
株式会社陣屋コネクトが提供する「陣屋コネクト」は、老舗旅館「陣屋」の経営立て直し実績から生まれたクラウド型ホテル・旅館情報管理システムです。600施設以上での導入実績を持ち、旅館業界の実務経験に基づいて開発された機能により、従業員のサービスレベル向上と業務効率化を実現。経営分析機能も充実しており、データドリブンな旅館・ホテル経営をサポートします。
Staysee
ステイシー株式会社が提供する「Staysee」は、初期費用無料・月額980円(税込み)から利用できるクラウド型PMS・ホテル管理システムです。1,600以上の施設で導入されており、旅館からゲストハウス、民泊まで幅広い業態に対応。直感的な操作画面と多彩な機能により、小規模から中規模の宿泊施設のさまざまな管理業務を効率化できます。
▶大規模ホテル・チェーン施設におすすめのホテル管理システム(PMS)
客室数の多いホテルや複数施設を運営するホテルチェーンには、大量の予約処理や本部での一元管理、売掛・会計管理、外部機器との連携に対応したPMSがおすすめです。
GLOVIAsmartホテル (富士通株式会社)
- 全国1,000施設以上で導入実績があり、運用実績が豊富
- ホテル業務の効率化とコスト削減を一元管理で支援。
- クラウド/パッケージ選択可、クラウドは月額利用
Core Cast
株式会社ネットシスジャパンが提供する「Core Cast」は、予約・顧客・会計・清掃管理など、ホテル運営に必要な400種類以上の機能を標準搭載したクラウド型PMSです。自動チェックイン機やルームキー発行機などの外部機器とも連携でき、フロント業務の省人化を支援。小・中規模施設向けのライトパッケージも用意されており、施設規模や運用方法にあわせて導入できます。
ホテルマネージャーシリーズ
株式会社ユーコムが提供する「ホテルマネージャーシリーズ」は、宿泊特化型ホテルからフルサービスホテル、小規模施設から大規模チェーンまで幅広く対応するホテル管理システムです。40年以上の開発実績と800施設以上の導入実績があり、施設の業態や運用にあわせたカスタマイズが可能。導入前の相談から稼働後の運用支援まで、充実したサポートを受けられます。
ホテル管理システム(PMS)導入時の注意点
ホテル管理システムの導入を成功させるためには、事前の準備と適切な導入プロセスが重要です。以下の注意点を押さえて、計画的に進めましょう。
現状業務の詳細分析
システム導入前に、現在の業務フローを詳細に分析し、課題を明確化することが重要です。どの業務にどの程度の時間がかかっているか、どこにボトルネックがあるかを正確に把握することで、システムに求める要件を明確に定義できます。
また、スタッフへのヒアリングを通じて、現場レベルでの改善要望を収集することも重要です。経営者の視点だけでなく、実際にシステムを使用するスタッフの意見を反映することで、導入後の運用がスムーズになります。
段階的導入の検討
大幅なシステム変更は業務に混乱をもたらすリスクがあります。可能であれば、段階的な導入を検討し、スタッフが新システムに慣れる時間を確保することが重要です。
例えば、まず予約管理機能から開始し、徐々に顧客管理、売上分析機能を追加していくといったアプローチが効果的です。また、繁忙期を避けて導入することで、リスクを最小限に抑えられます。
データ移行の計画
既存システムから新システムへのデータ移行は、最も重要かつ慎重に行うべき作業です。顧客情報、予約データ、売上履歴などの重要なデータが正確に移行されるよう、事前にテスト移行を実施し、データの整合性を確認しましょう。
また、移行作業中のデータ更新方法や、移行完了後の旧システムとの並行運用期間なども詳細に計画しておくことが重要です。
スタッフ教育と運用体制
新システムの効果を最大化するためには、適切なスタッフ教育が不可欠です。システムの基本操作だけでなく、新しい業務フローや緊急時の対応方法まで、包括的な教育プログラムを実施しましょう。
システム管理者の指名や、トラブル発生時の連絡体制、定期的なシステムメンテナンススケジュールなど、継続的な運用体制を事前に整備することが求められます。
導入時によくある失敗パターンや、事前に押さえておきたい対策を確認したい方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ
ホテル管理システム(PMS)の導入は、宿泊施設の業務効率化と収益向上を実現するための重要な投資です。システムを選定する際は、機能や価格だけでなく、自施設の課題や将来ビジョンに合致するかを総合的に見極めることが大切です。また、導入後の運用体制やスタッフ教育を含めたトータルな準備により、システムの効果を最大限に引き出せます。
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