Web改ざん検知サービスに搭載される機能の全体像
まずは代表的な機能であるリアルタイム検知と定期スキャンの違いを押さえておくと、以降で紹介する各機能の理解がしやすくなります。
リアルタイムでの変化検知の仕組み
リアルタイム検知は、Webページのコードやファイルを一定の間隔で自動的に取得し、直前の状態と比較することで変化を捉える仕組みです。監視の間隔が短いほど、変化に気づくまでの時間を短縮できる可能性があります。
ただし、間隔を短くするほどサーバーへのアクセス回数が増えるため、サイトの規模やアクセス集中の状況によっては、検知の頻度と負荷のバランスを確認しておく必要があります。契約前に、監視間隔の設定範囲や対象ページ数の上限を確認しておくとよいでしょう。
定期スキャンによる網羅的な確認
定期スキャンは、サイト全体を一定の周期でまとめて確認する機能です。リアルタイム検知だけでは見落としやすい、更新頻度の低いページの変化も対象に含められる場合があります。
スキャンの対象範囲がサイト全体か、指定したディレクトリのみかによって、確認できる範囲に差が出ることがあります。導入前に、どのページまでがスキャン対象になるのかを確認し、自社サイトの構成と照らし合わせておくことが大切です。また、スキャンの実行頻度が固定なのか、任意のタイミングで手動実行できるのかも、更新作業とあわせて確認しておくと運用の見通しが立てやすくなります。
改ざんを検知した際の自動復元機能
検知だけでなく、改ざん前の状態に戻す自動復元機能を備えたサービスもあります。復元の仕組みと注意点を確認します。
バックアップとの連携による復元の流れ
自動復元機能は、あらかじめ保存しておいた正常な状態のバックアップと、検知した改ざん箇所を照合し、該当部分を元の状態に書き戻す仕組みで動作する場合が多くあります。
この仕組みを活用するには、バックアップの取得頻度や保存世代数を把握しておく必要があります。バックアップの取得タイミングが古い場合、復元後の状態が最新の更新内容を反映していない可能性があるため、更新頻度に応じた設定を確認しましょう。
自動復元を導入する際に確認したい前提条件
自動復元機能があるからといって、すべての改ざんが自動で元通りになるとは限りません。改ざんの手口や範囲によっては、手動での確認や修正が必要になる場合があります。
導入時には、自動復元の対象となるファイル形式や、復元後に手動確認が必要なケースの有無を、公式情報やサポート窓口で確認しておくことが望ましいといえます。復元後は原因調査もあわせて行う必要があります。あわせて、復元処理が自動で実行されるのか、担当者の承認を経てから実行されるのかも、誤操作を防ぐ観点から確認しておきたい項目です。
改ざん発生時のアラート通知機能
検知した内容を担当者へ速やかに伝えるアラート通知機能は、対応の初動を左右する重要な要素です。通知の仕組みを確認します。
通知の即時性を左右する要素
アラート通知の速さは、監視間隔の設定や、検知から通知までの処理にかかる時間によって変わります。監視間隔が短くても、通知処理に時間がかかれば、実際に気づくタイミングは遅れる場合があります。
通知の即時性を確認する方法としては、検知から通知までの目安時間を問い合わせる、実際の通知画面のサンプルを確認するといった方法があります。数値上の間隔だけでなく、実運用でのタイムラグも含めて確認しておくとよいでしょう。
通知先や通知方法の設定範囲
通知先をメールアドレスのみに限定しているサービスもあれば、チャットツールとの連携に対応しているサービスもあります。自社の運用に合わせて通知方法を選べるかどうかは、確認しておきたい項目です。
また、通知先を複数人に設定できるかどうかも重要です。担当者一人だけに通知が届く設定では、不在時に対応が遅れる可能性があるため、複数の宛先やグループ宛への通知に対応しているかを確認しましょう。あわせて、夜間や休日に検知した場合の通知有無や、対応可能な時間帯についても、契約前にすり合わせておくと運用時のずれを防ぎやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWeb改ざん検知の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
マルウェア埋め込みの検知に関わる機能
Web改ざんの中には、見た目を変えずに不正なコードを埋め込む手口も含まれます。ここではマルウェア検知に関わる機能を確認します。
検知対象となるファイルやコードの範囲
マルウェア検知機能は、HTMLファイルだけでなく、JavaScriptファイルや画像ファイルに埋め込まれたコードまで対象にする場合があります。対象範囲はサービスによって異なるため、事前確認が必要です。
対象範囲が限定的なサービスを選んだ場合、想定していなかった種類のファイルへの埋め込みを見落とす可能性があります。自社サイトで使用しているファイル形式が検知対象に含まれているか、契約前に確認しておきましょう。
マルウェア検知の精度を左右する要素
マルウェアの検知精度は、非公開の指標であることが多く、製品間で数値として単純に比較できるとは限りません。比較の際は、検知の仕組みや更新頻度など、確認可能な項目に着目することが実務的です。
具体的には、検知パターンの更新頻度や、新しい手口への対応方針が公開されているかを確認する方法があります。加えて、検知後にどのような情報がログとして残るかも、原因調査の観点から確認しておく価値があります。誤検知が発生した場合の再確認手順が用意されているかどうかも、運用負荷を左右するため事前に確認しておくとよいでしょう。
検知結果をレポートで確認する機能
検知結果を振り返り、運用改善につなげるためには、レポート機能の内容を把握しておくことが役立ちます。
レポートに含まれる情報の内容
レポート機能では、検知日時や検知箇所、対応状況などが一覧化される場合があります。含まれる項目はサービスによって異なるため、自社が確認したい情報が含まれているかを事前に確認しておく必要があります。
例えば、月次でのサマリーレポートに加えて、個別の検知イベントごとの詳細ログを出力できるサービスもあります。運用体制に応じて、必要な粒度の情報が得られるかを確認しましょう。
レポートを運用改善に活用する視点
レポートは受け取るだけでなく、定期的に振り返ることで、監視ルールや対応フローの見直しに活用できます。検知件数の推移や対応にかかった時間を記録しておくと、改善点を把握しやすくなります。
ただし、レポートの数値だけで安全性を判断するのではなく、実際の対応内容や再発の有無もあわせて確認することが大切です。数値と実態の両面から運用を見直す姿勢が求められます。加えて、レポートの保存期間や過去分の閲覧可否も、監査対応や振り返りの観点からあわせて確認しておくとよいでしょう。
機能を比較する際に確認したい選定ポイント
ここまで紹介した機能は、サービスによって対応範囲や仕組みが異なります。最後に、自社に合う機能を見極めるための視点を整理します。
自社の運用体制に合う機能か確認する
多機能なサービスであっても、自社の運用体制で使いこなせなければ効果は限定的になります。まずは自社の担当者数や対応可能な時間帯を踏まえ、必要な機能を絞り込むことが現実的です。
例えば、24時間体制で確認できる担当者がいない場合は、通知の蓄積や翌営業日への引き継ぎがしやすいレポート機能を重視するといった選び方もあります。運用の実態に合わせて優先順位を決めましょう。
公式情報で機能の対応範囲を確認する
個別の機能の有無は、カテゴリー一般の機能として推測するのではなく、各サービスの公式情報で確認することが重要です。同じ名称の機能でも、対応範囲や制限が異なる場合があります。
不明な点がある場合は、資料請求や問い合わせを通じて、対象範囲や制限事項を具体的に確認しましょう。複数のサービスを比較する際は、同じ質問項目をそろえて問い合わせると、比較がしやすくなります。監視対象ページ数や利用料金の従量条件についても、あわせて確認しておくと導入後の想定外の負担を避けやすくなります。
検知から復元まで機能面で選ぶ改ざん監視サービス
リアルタイム検知や自動復元、通知、レポートといった機能の対応範囲をふまえて、比較検討の参考になるサービスを紹介します。
SITE PATROL CLOUD
- WEBサーバの個性に合わせて最適な手法をコーディネート
- 改ざん検知のサービス運用経験に基づく、ノウハウの蓄積
- 大小様々な規模のサイトへの豊富な導入実績!
アットシグナル株式会社が提供する「SITE PATROL CLOUD」は、クラウド型のWeb改ざん検知サービスです。Webサイトを定期的に自動巡回し、コードやファイルの変化を検知した際には管理者へ通知します。検知結果を記録として確認できるため、対応状況の振り返りや運用ルールの見直しにも活用しやすく、機能面での対応範囲は公式サイトや資料請求を通じて確認できます。
Sucuri (GoDaddy Mediatemple, Inc)
- 月額19USD~のプランがあり、小規模組織でも導入しやすい。
- ノーコードでカスタマイズ、業務に即した構成が可能。
- 38言語以上に対応、日本語サポートあり。
WebMonitor (GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)
- 世界トップレベルのホワイトハッカーが脆弱性診断を実施
- サイバー攻撃防御・分析サービスの運用とアラート対応を支援。
- ASMツールで全社的な脆弱性管理を実現
SiteSafetyCenter (トレンドマイクロ株式会社)
- URLを入力すると即時に4段階の安全評価が得られる。
- 評価結果に疑義がある場合、内容変更リクエストを送信可能。
- 無料のWebチェックツールで社外サイトの安全性を確認できる。
まとめ
Web改ざん検知サービスには、リアルタイム検知や自動復元、アラート通知、定期スキャン、マルウェア検知、レポートなど複数の機能があり、対応範囲や仕組みはサービスごとに異なります。自社の運用体制に合う機能を見極め、公式情報で対応範囲を確認したうえで、比較検討を進めてみてください。製品選定の参考にしてください。


