ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■管理する範囲別
- 単一法人で多言語を使い分ける:OracleNetSuite
- 海外子会社を含むグループで管理する:OracleNetSuite、mcframeGA
- ■会計基準・通貨への対応別
- 多通貨での管理:Galileopt DX 財務大将、ジームクラウドAC/ZeeM 会計
- IFRSへの対応:Galileopt DX 財務大将、ジームクラウドAC/ZeeM 会計
- 連結決算への対応:HUEAC、FX5クラウド
海外拠点の経理にクラウド型会計ソフトが使われる理由
海外拠点の経理では、本社との距離や時差が情報共有の壁です。クラウド型会計ソフトはインターネット経由で同じデータにアクセスできるため、この課題への対策として検討されます。インストール型と比べた主な利点を2つ紹介します。
拠点ごとにサーバを置かずに運用できる
インストール型の会計ソフトを海外拠点で使う場合、拠点ごとにパソコンやサーバを用意し、ソフトの更新やバックアップを現地で管理する必要があります。IT担当者がいない小規模な拠点では、この管理が負担になりがちです。
クラウド型であれば、システムの保守やバージョンアップは提供元が行うのが基本です。拠点側はブラウザとインターネット回線があれば利用を始められるため、新しい拠点を立ち上げる際の準備期間を短くできる可能性があります。
本社が現地の数字を早く確認できる
海外拠点の数字を表計算ソフトのファイルでやり取りしていると、送付や集計に時間がかかり、本社が状況を把握するまでに日数を要します。ファイルの版が複数できて、どれが最新かわからなくなることもあります。
クラウド型会計ソフトで本社と拠点が同じデータを参照すれば、拠点が入力した内容を本社がその都度確認できます。月次の締めを待たずに売上や経費の動きを把握できるため、異常な数字に早く気づき、現地へ確認する対応も取りやすくなります。
多言語対応のクラウド型会計ソフトで確認したい機能
多言語対応といっても、対応する言語の数だけで製品を比べるのは不十分です。海外拠点と本社が同じシステムを使う前提で、言語、通貨、法人の管理という3つの面から、必要な機能がそろっているかを確認しましょう。
ユーザーごとの表示言語の設定
海外拠点と本社が同じデータを扱う場合、利用者ごとに表示言語を設定できるかが確認点です。システム全体で1つの言語しか選べない製品では、どちらかの担当者が母国語以外で操作することになり、入力ミスの原因になりかねません。
あわせて、勘定科目名を言語ごとに登録できるか、帳票を英語などで出力できるかも確認しましょう。メニューは翻訳されても、科目名や帳票は登録した言語のままという製品もあります。必要な言語が対応言語に含まれているかも、提供元の資料で確かめます。
現地通貨と円の両建て管理
海外拠点では現地通貨で取引を記録し、本社は円で数字を確認します。そのため、現地通貨と円の両方の金額を保持し、どちらでも帳簿や試算表を表示できる機能があると、拠点と本社の双方で使いやすくなります。
換算に使う為替レートを本社が一括で管理できるか、拠点ごとに設定するのかも確認点です。グループ内で異なるレートを使うと、集計時に数字が一致しない原因となります。レートの登録方法と、換算差額の計算方法をあわせて確認しましょう。
複数法人・複数帳簿の管理
海外子会社が複数ある場合、法人ごとに帳簿を分けつつ、1つの画面で切り替えて確認できるかが重要です。法人ごとに契約やログインが分かれる製品では、本社の担当者が確認する手間が増えます。
また、同じ取引を現地の会計基準と本社向けの基準の両方で記録する、複数帳簿の機能を持つ製品もあります。グループの規模や拠点数によって必要な機能は変わるため、将来の拠点追加も見据えて、管理できる法人数や料金体系を確認しておきましょう。
グループ会計とIFRS・現地会計基準への対応
海外子会社の帳簿は現地の会計基準で作成し、本社は連結決算に向けて、日本基準やIFRS(国際財務報告基準)など親会社の会計方針に数字をそろえる必要があります。クラウド型会計ソフトでこの組み替えをどこまで行えるかは、グループ会計の負担を左右します。
現地基準とIFRS・日本基準の組み替え
海外子会社は、所在国の会計基準と税法にもとづいて帳簿を作り、現地で申告します。一方、本社が連結財務諸表を作るには、原則として子会社の会計方針を親会社とそろえる必要があります。在外子会社の財務諸表がIFRSなどにもとづく場合は、一定の調整を加えたうえで利用できる取り扱いもあります。
この組み替えを表計算ソフトで行うと、調整の根拠が残りにくく、担当者が替わると再現が難しくなります。会計基準ごとの帳簿を持てる、または組み替えの仕訳を記録できる製品であれば、調整の履歴をシステム上に残せます。対応範囲は製品ごとに確認が必要です。
連結に向けた勘定科目の統一
グループで数字を集計するには、各社の勘定科目を共通の科目体系に対応させる必要があります。子会社ごとに科目の名前や分け方が違うままでは、本社で集計するたびに読み替え作業が発生します。
方法としては、全社で同じ科目体系を使う方法と、各社の科目を残しつつ連結用の科目に対応づける方法があります。後者は現地の運用を変えずに済む反面、対応表の管理が欠かせません。どちらの方法を採るかは、拠点数や現地の制度を踏まえて決めましょう。
在外子会社の財務諸表の換算
海外子会社の財務諸表を連結する際は、現地通貨の数字を円に換算します。日本の会計基準では、資産と負債は決算日の為替相場、収益と費用は原則として期中平均相場で換算するなど、項目ごとに使う相場が定められています。
換算によって生じる差額は、損益ではなく純資産の部に計上するなど、取引時の円換算とは扱いが異なります。会計ソフトが連結用の換算に対応しているか、別の連結会計システムと連携するのかを確認し、具体的な処理は監査法人や顧問税理士に相談しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド型会計ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
海外からクラウド型会計ソフトにアクセスする際の注意点
クラウド型会計ソフトは、どこからでもアクセスできる反面、国をまたいだ利用ならではの注意点があります。データの保存場所、認証の仕組み、通信とサポートの3つを、導入前に確認しておきましょう。
データの保存場所と現地の法規制
クラウド型会計ソフトのデータは、提供元が契約するデータセンターに保存されます。国によっては、会計データや個人情報の国外への移転、保存場所に関する規制が設けられている場合があります。
海外拠点で利用する前に、データがどの国のデータセンターに保存されるかを提供元に確認しましょう。そのうえで、現地の法規制に抵触しないかを、現地の専門家や会計事務所に確認しておくと安心です。帳簿の保存方法に関する現地のルールもあわせて確かめます。
多要素認証とアクセス権限の管理
海外拠点を含めて利用者が増えると、IDとパスワードの管理が難しくなります。パスワードに加えて別の要素で本人確認を行う多要素認証や、接続元のIPアドレスを制限する機能があるかを確認しましょう。
あわせて、拠点ごとに閲覧・入力できる法人や科目を制限できるかも重要です。本社は全拠点のデータを見られ、拠点の担当者は自社のデータだけを扱えるようにすると、誤操作の影響を限定できます。退職者のアカウントを速やかに停止する手順も決めておきます。
通信環境と時差を踏まえたサポート体制
クラウド型はインターネット回線の品質に影響を受けるため、拠点によっては画面の表示や処理に時間がかかる場合があります。導入前に、実際の拠点から試用版にアクセスし、操作に支障がないかを確かめましょう。
サポート体制も確認が必要です。問い合わせ窓口の対応言語や受付時間は製品によって異なり、時差のある拠点からの問い合わせが窓口の営業時間外になることもあります。現地での問い合わせ先と、本社が窓口となる範囲を事前に整理しておきましょう。
多言語対応のクラウド会計を海外拠点へ広げる手順
多言語対応のクラウド型会計ソフトを海外拠点へ展開する際は、全拠点に一斉導入するより、段階的に進めるほうが問題を小さいうちに見つけられます。展開の順序と、運用ルールの決め方を紹介します。
1つの拠点で試験運用する
最初は、取引の種類が比較的少ない拠点や、本社との連絡が取りやすい拠点を選んで試験運用します。現地の担当者が実際に入力し、本社が確認するという流れを1~2か月ほど回すと、言語表示や通貨換算の課題が見えてきます。
試験運用で見つかった課題は、科目の対訳や入力ルール、権限の設定に反映します。そのうえで他の拠点へ順次展開すれば、拠点ごとに同じ問題が起こるのを防げます。試験運用の結果は手順書にまとめ、次の拠点の担当者と共有しましょう。
締め日と報告ルールを決める
拠点が増えるほど、締めのタイミングがそろわないと本社の集計が遅れます。各拠点の月次の締め日、本社への報告期限、修正が必要になった場合の連絡方法を、グループ共通のルールとして決めておきましょう。
時差がある場合は、どの国の日付で締めるかも明確にします。ルールは日本語だけでなく、拠点の担当者が理解できる言語でも用意すると安心です。運用開始後も定期的に見直し、拠点や本社の担当者が替わっても回る体制にしておきます。
海外取引やグループ管理で比べるクラウド会計ソフト一覧
この記事で紹介するクラウド会計ソフトを、多言語・多通貨対応やグループ企業管理、IFRS・連結決算への対応などの観点で一覧にまとめました。海外拠点での利用を想定した製品と、グループ全体の会計情報を管理する製品があるため、自社の導入目的にあわせて比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| マネーフォワードクラウド会計 | 複数拠点・複数メンバーでリアルタイムに会計データを共有できるクラウド会計ソフト |
| PCA Arch 財務経理 | パスキー認証のPCA IDで接続するクラウド会計。エンタープライズ版はグループ企業管理に対応 |
| Galileopt DX 財務大将 | クラウドでも提供される財務会計システム。外貨管理オプションや複数元帳管理を備える |
| OracleNetSuite | 対応言語は5言語。国内外の拠点を管理でき、各国でのローカルサポートも手配できるクラウドERP |
| mcframeGA | SaaSでも提供されるグローバル企業向け会計/ERP。各国のビジネス要件に対応する |
| ジームクラウドAC/ZeeM 会計 | 管理会計と財務会計をクラウドで運用できる中堅・大手企業向けの会計システム。IFRSに対応 |
| ZeeM 会計 | オンプレミスとクラウドから選べる会計システム。管理会計へリアルタイムにデータを反映できる |
| HUEAC | 日々の記帳から連結決算まで対応し、グループ全体の決算早期化を図るSaaS型の会計システム |
| FX5クラウド | 中堅・大企業向けのクラウド会計。グループ統一会計システムで連結決算の早期化を支援 |
海外取引やグループ会計に活用できるクラウド会計ソフト
外貨建て取引の管理や海外拠点との会計情報の共有、グループ会社の合算集計、連結決算などに関連する機能を備えた製品を紹介します。多通貨・多言語対応やIFRS対応、グループ管理機能の範囲は製品ごとに異なるため、自社で必要な機能を確認しながら比較しましょう。
マネーフォワードクラウド会計
- 自動入力・自動仕訳で会計業務がどんどんラクに
- 連携機能でデータ入力の手間を削減
- 経営状況をリアルタイムに見える化
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワードクラウド会計」は、複数拠点・複数メンバーで会計情報を共有できるクラウド型会計ソフトです。ユーザーを追加すれば、離れた拠点間でもリアルタイムに会計データを確認できます。銀行口座やカードの取引明細を自動で取得し、勘定科目を提案する機能も搭載。損益計算書や貸借対照表、試算表も自動作成できるため、各拠点の会計状況を本社で把握しやすくなります。海外で利用する場合は、対応言語や通貨、現地の会計制度への対応状況を確認しましょう。
PCA Arch 財務経理
- 日々の業務をスムーズにする財務管理の効率化をサポート
- AIアシスタントが24時間365日、いつでも回答
- データ連携により銀行入出金に関する仕訳処理を大幅削減
ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCA Arch 財務経理」は、パスキー認証を採用した「PCA ID」で各サービスに接続できる、中堅・中小企業向けのクラウド会計ソフトです。エンタープライズ版ではグループ企業管理に対応し、親会社の勘定科目などのマスターを子会社へコピーする機能や、グループでの合算集計を利用できます。シングルサインオンにも対応しており、複数企業の会計情報をまとめて管理したい場合に適しています。海外拠点への導入を検討する際は、外貨建て取引やIFRSへの対応状況も確認しましょう。
Galileopt DX 財務大将
- 豊富なビジネスプロセスモジュールを搭載
- 企業の成長に合わせた柔軟なシステム構築が可能
- インボイス制度やスキャナ保存など、制度改正にも迅速に対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「Galileopt DX 財務大将」は、オンプレミスとクラウドから提供形態を選べる財務会計システムです。IFRSのアドプションを見据えて複数元帳管理に対応しており、会計基準ごとの数字を扱う運用を検討できます。オプションで外貨管理やグループ会社管理、グループ会社合併・本支店合併などを追加可能です。基本科目体系とは別に管理会計用の科目体系も作成できるため、本社向けの集計体系を整えたい企業に向いています。
OracleNetSuite (トライフォース・グローバル・ソリューションズ株式会社)
- 200カ国以上でローカルサポート手配可
- 5言語での多言語対応
- 成長企業向けクラウドERPを提供
mcframeGA (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 33の国と地域で1,500社以上導入実績
- 海外拠点の業務データに本社から容易にアクセス可能
- 標準導入メソッドで最短1ヶ月のリモート導入が可能
ジームクラウドAC/ZeeM 会計 (株式会社クレオ)
- 管理・財務等の会計業務をクラウドへシフトしレガシー問題を解決
- 様々なアプリケーションやクラウドサービスと連携し業務を自動化
- ビジネスインサイトで即時性・簡便性のあるデータ活用が可能
ZeeM 会計 (株式会社クレオ)
- 入力のミスを削減させ、作業効率のアップを図る!
- 易しい操作性で分散入力を促進させる!
- 経営情報をリアルタイムに把握することが可能!
HUEAC (株式会社ワークスアプリケーションズ)
- 日々の記帳から連結決算まで早期化
- 日本の商習慣に対応し、作り込みシステムを排除
- 無償アプデで法改正後もずっと安心
FX5クラウド (株式会社TKC)
- 月間50万行超の仕訳に対応可能なクラウド基盤
- 勘定科目・取引先を一元管理
- 使い慣れたExcelからデータ更新・参照が可能。
まとめ
多言語対応のクラウド型会計ソフトは、海外拠点と本社が同じデータを各自の言語で扱え、グループ全体の数字を早く把握できる点が利点です。選ぶ際は、ユーザーごとの表示言語、現地通貨と円の両建て管理、複数法人の管理、IFRSや現地会計基準への組み替えに対応しているかを確認しましょう。データの保存場所や認証の仕組みも重要です。自社の拠点展開にあう製品を比べたい方は、資料請求を活用してください。

