アプリケーションデリバリコントローラの市場規模は?
アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)は、Webサーバーなどへの通信を振り分け、アプリケーションを安定して届ける製品です。ADCに限った市場規模は、公開されている統計や調査会社の発表では確認できません。同じネットワーク機器の分野では、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)がLANスイッチの2025年度の需要を1,681億円と見通しています。国内と輸出を合わせた額で、2030年度は1,720億円の予測ですが、ADCそのものの数字ではありません。
出典:CIAJ「通信機器中期需要予測[2025-2030年度]を発刊」(2025年12月10日)
ITトレンドには、アプリケーションデリバリコントローラとして3製品が掲載され、提供企業も3社です。いまはITトレンドから資料請求できる製品がなく、3製品すべてが情報のみの掲載です。
ここからは、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、ADCの動きを見ていきます。
ITトレンドに掲載されている主なアプリケーションデリバリコントローラ
まずは、ITトレンドに掲載されているアプリケーションデリバリコントローラを紹介します。いずれも情報のみの掲載のため、製品ページの掲載内容から用途を整理しました。
ITトレンドのデータで見ると、2026年10月時点のADCは仮想環境にも展開できる負荷分散の製品が3製品中2製品を占めます。いまはITトレンドから資料請求できる製品はなく、3製品とも情報のみの掲載です。3製品とも通信の処理を担う機器ですが、仮想環境への展開や、圧縮・キャッシュなどの付加機能に違いがある点が特徴です。
次の図は、掲載されている3製品を、製品ページの掲載内容をもとに用途で分けたものです。その下の表では、ITトレンドから資料請求できるかどうかもあわせて示しています。
| 製品名 | 提供企業 | 資料請求 | 製品の特徴 |
|---|---|---|---|
| LoadMaster | 株式会社OPENスクエア | 情報のみ掲載 | SSLアクセラレーションやL7コンテントスイッチに加え、データ圧縮やキャッシュに対応。 |
| ArrayAPVシリーズ | アレイ・ネットワークス株式会社 | 情報のみ掲載 | 負荷分散とSSLアクセラレーターを統合し、仮想アプライアンスでも展開できる。 |
| Alteon | 日本ラドウェア株式会社 | 情報のみ掲載 | 負荷分散と可用性の向上でアプリ配信を最適化し、仮想環境にも対応する。 |
※「製品の特徴」は、ITトレンドの製品ページの掲載内容をもとにまとめています。
※「情報のみ掲載」の製品は、ITトレンドから資料請求できません。
[分析]2026年のADC市場の3つの傾向
ここでは、ITトレンドに掲載されている3製品の製品ページから、市場の傾向を整理します。
1.負荷分散を軸に、仮想環境への展開を掲げる製品が多い
掲載3製品のうち2製品は、サーバーの負荷分散を担い、仮想環境にも展開できる製品です。ArrayAPVシリーズは、SSLオフロードと負荷分散を1台で行えることや、仮想アプライアンスでの展開を掲げています。Alteonも、仮想化環境でADCを素早く展開できることを特徴に挙げています。物理の機器だけでなく、仮想環境での利用も前提になりつつあることがうかがえます。
2.通信の圧縮やキャッシュ、攻撃対策まで備える製品も
LoadMasterは、全モデルでSSLアクセラレーション機能を搭載し、HTTP通信のデータ圧縮やキャッシュに対応します。侵入防止(IPS)機能によるDoS攻撃対策も掲げています。通信の処理に加えて、配信の効率化や攻撃対策までを1台で担う製品です。
3.掲載は3製品、資料請求できる製品はまだない
ITトレンドに掲載されているのは3製品で、提供企業も3社です。いずれも情報のみの掲載で、資料請求できる製品はまだありません。レビューはLoadMasterに1件あるだけで、導入後の評価を比べられる段階にはありません。
どれを選ぶべき?目的別のおすすめ
- ■仮想環境も含めて、サーバーの負荷分散を行いたい企業
- ArrayAPVシリーズ / Alteon
- ■SSL処理に加えて、通信の圧縮やキャッシュ、攻撃対策も1台で行いたい企業
- LoadMaster
ADCは、どの環境に置くかや、通信の振り分け以外に何を任せたいかで合う製品が変わります。比べる前に、物理と仮想のどちらの環境で使うかを決めておくと選びやすくなります。
掲載製品をどう活かす?比較するときの注意点
- ●掲載製品はすべて情報のみ掲載で、ITトレンドから資料請求できないため、各社に直接問い合わせる必要がある
- ●掲載は3製品と少なく、レビューもLoadMasterの1件だけ
- ●対応するインターフェースや導入形態(物理・仮想)が製品ごとに違うため、自社のネットワーク構成とあわせて確かめる
掲載製品の顔ぶれは、どんな種類の製品があるかを知る手がかりとして役立ちます。最終的には、処理する通信の量や、物理・仮想といった利用する環境に合うかを軸に比較することが大切です。
自社に合うADCを比較検討しよう
この記事では、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、ADCの市場の様子を紹介しました。気になる製品は製品ページで機能や導入形態を確かめ、自社のシステムに合うかを見比べてみてください。
以下の記事では、アプリケーションデリバリコントローラ(ADC)の製品を比較しています。あわせてご覧ください。

