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AI-OCRとは?OCRとの違いや導入事例、種類も徹底解説

2025年10月16日 最終更新

AI-OCR製品一覧
AI-OCRとは?OCRとの違いや導入事例、種類も徹底解説

AI-OCRを活用すると、これまで手作業で行っていた紙書類のデータ入力作業が効率化し、業務の生産性向上にもつながるため、多くの企業から注目されています。

この記事ではAI-OCRの概要からOCRとの違い、導入のメリットや注意点まで解説します。また、AI-OCR製品の一括資料請求も可能なため、製品を検討したい方はぜひご利用ください。

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目次
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    AI-OCRとは

    AI-OCRとは

    AI-OCRとは、紙の書類をスキャナーなどで読み取りテキストデータとして保存するOCR(光学文字認識)に、AI(人工知能)の学習能力を組み合わせた技術です。

    従来のOCRでは、手書き文字やクセのある文字を正確に読み取るのが難しいという課題がありました。例えば、漢字の力(ちから)とカタカナのカ(か)を手書きで書いた場合、機械には判別が困難です。しかし、AIの特徴であるディープラーニングや機械学習を利用することによって認識精度が大幅に向上し、これまで困難とされていた手書き文字の認識を可能にします。

    近年ペーパーレス化が進んでいるものの、いまだに多くのビジネスシーンで手書きの文章が用いられています。AI-OCRによって手書きの文章を高精度で電子化できれば、業務効率の大幅な改善が見込めます。

    AI-OCRとOCRの違い

    AI-OCRとOCRの違いを、主な項目ごとに以下の表にまとめました。

    項目OCRAI-OCR
    認識対象印刷文字(活字)が中心印刷文字+手書き文字も高精度に認識
    対応書類定型フォーマットが前提非定型フォーマットにも対応可能
    読み取り精度かすれ・崩れ・似た字で誤認しやすい機械学習で精度向上/ゆがみ・癖字にも強い
    学習・改善ルール固定/改善は手作業が中心学習データ追加で継続的に改善
    代表的な用途活字の請求書や明細の文字抽出申込書・アンケート・手書き伝票の電子化

    AI-OCRとOCRの大きな違いは、AIを活用しているかどうかという点です。従来のOCRでも活字を読み取ることは可能です。しかし、手書きの文字やフォーマットの異なる帳票の正確な処理や読み取りができない点から、実際のビジネスシーンでは使いにくいとされていました。

    一方、AI-OCRではAI技術の活用により、手書き文字の判別やフォーマットが異なる帳票にも対応可能です。100%ではないものの、機械学習を繰り返すことで高精度な読み取りを実現しており、従来のOCRよりも実用的な存在として注目を集めています。

    AI-OCRの種類

    AI-OCRは、主に3つの種類に分けられます。それぞれの特徴について説明します。

    AI-OCRの種類まとめ表

    特徴や適した利用シーンを以下の表で比較しました。

    項目定型フォーマット型非定型フォーマット型業務特定非定型
    フォーマット型
    特徴指定箇所のみを正確に読み取るAIが文字の位置や内容を自動判断特定業務に特化、提供企業がAIに学習済み
    事前設定必要(どこを読み取るか指定)不要(AIが自動判断)不要(あらかじめ学習済み)
    AI学習基本的には不要必要(使用前に学習させる)提供企業が学習済み
    得意な帳票同じ形式の帳票が大量にあるもの形式がバラバラな帳票特定業務でよく使う帳票
    代表的な例アンケート、タイムカード、日報など領収書、レシート、請求書など請求書、納品書、支払明細など
    導入メリット高速処理で安定した読み取り精度多様な帳票に柔軟に対応できる設定不要で業務システムと連携しやすい

    以下では、それぞれの種類について詳しく解説しています。

    定型フォーマット型

    定型フォーマット型は、あらかじめ帳票のどこにどのような情報が記載されているのか決まっているタイプです。事前に決められた部分のみ読み取ればよいので、スムーズにデータが抽出されます。

    このタイプは同じ種類の帳票を大量に処理する場合に適しています。アンケートやタイムカード、日報などが代表例です。

    非定型フォーマット型

    非定型フォーマット型は、どのような帳票を読み取るのかAI-OCRに事前登録しないタイプです。帳票のどこに何が書いてあるのか指定せずに済みますが、AIが自分で判断できるよう機械学習させておく必要があります。

    このタイプが適しているのは、数はあまり多くないものの、定型フォーマットを指定しづらい帳票です。領収書やレシート、請求書など、レイアウトを自社でコントロールできない帳票が該当します。

    業務特定非定型フォーマット型

    業務特定非定型フォーマット型は、請求書や納品書など、特定の業務に特化した帳票であれば事前登録なしで使用できるタイプです。提供企業があらかじめAIに特定のフォーマット学習をさせているため、ユーザーが事前に学習させる必要はありません。

    また、業務特化である特性を利用し、AIで仕訳データの抽出から作成までを自動化できるため、会計システムなどとの連携も可能です。

    AI-OCRのメリット

    AI-OCRを導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。

    業務の生産性が向上する

    AI-OCRは従来型のOCRと比較して高い文字認識力を誇り、99%以上の実績をもつ製品も珍しくありません。

    読み取りミスが少なくなれば、人が目視でチェックして修正する手間も少なくなります。チェック作業は単調なうえ、数も多いことから、これまで従業員にとって大きな負担となっていました。この負担が軽減されれば、企業の生産性に直結する、より重要な業務に専念できるようになるでしょう。

    多様なフォーマットに対応できる

    ビジネスシーンには請求書や領収書、発注書など多種多様なフォーマットの帳票や書類が存在します。従来のOCRでは、文字の読み込み位置や項目といった詳細を定義づけたうえで読み込みを行うため、異なるフォーマットを読み込ませるときは毎回設定する必要があり手間がかかっていました。

    一方、AI-OCRは文字の位置や項目を自動で検出して読み込むため、設定作業が不要です。多種多様なフォーマットをスキャンするだけで紙書類の処理が可能なため、担当者の負担軽減にもつながるでしょう。

    RPAとの連携でさらに業務効率を向上させられる

    RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、人が行っている定型作業を自動化するための技術です。利用者のPC操作や作業内容を記録し、再現することで自動化を実現します。

    AI-OCRとRPAを連携させれば、帳票の読み取りから集計・加工・出力といったフロー全般を自動化できるため、より業務効率化につながります。また、定型業務を自動化すれば、新製品開発などのクリエイティブな業務に、さらに多くの人的リソースを投資できるでしょう。

    以下ではAI-OCRの主要製品を紹介しています。具体的な製品をチェックしたい方はぜひご覧ください。

    関連記事 【最新】AI-OCRおすすめ20選!価格・機能満足度を徹底比較

    【事例】AI-OCRツールの導入効果

    ここではAI-OCRツールの具体的な導入効果を解説します。実際の導入事例をもとに、稟議申請や業務改善の参考にしてください。

    AI-OCRツールの効果事例のまとめ表

    ITトレンドの製品ページや導入事例から、定量効果や業務変化などの改善効果をまとめました。詳細は本文をご確認ください。

    導入による成果定量効果概要とポイント該当製品のページ
    データ入力工数の大幅削減アンケート入力作業時間約75%削減/人員4名→3名群馬県が庁内DXの一環としてAI-OCRを導入。データ入力を自動化し、県民サービス向上を実現SmartRead
    運用コストの大幅削減年間コスト約300万円→約50万円(1/5)精度・コスト両面で改善。商社における注文書処理を最適化AISpect
    大規模ペーパーレス化とコスト削減年間約570万枚のペーパーレス化/営業経費約7億円削減JTBグループ3社でAI-OCRを導入し、業務フローのデジタル化を推進。大幅なコスト削減を実現スマートOCR

    データ入力工数の大幅削減

    群馬県では「最先端クラス・デジタル県」の実現を目指し、庁内DXを推進。その一環として、県民アンケート回答データの入力業務にAI-OCRを導入しました。

    結果、入力作業時間を約75%削減し、担当人員も4名から3名に削減。空いた時間を県民サービスの向上に活用できるようになりました。AI-OCRが他業務への展開を促す足がかりにもなっています。

    参考:SmartReadとは?価格や機能・使い方を解説|ITトレンド

    運用コストの大幅削減

    AISpectのトライアルを通じて読み取り精度の向上と運用コスト削減を確認し、本格導入に至りました。結果として、年間約300万円かかっていたコストが50万円に削減。コストは従来比1/5に抑えられ、高精度なOCR処理と柔軟なカスタマイズ性によって、注文書処理の効率化を実現しました。

    参考:AISpectとは?価格や機能・使い方を解説|ITトレン

    大規模ペーパーレス化とコスト削減(JTBグループ)

    JTB本体を含むグループ3社でAI-OCRを導入。紙中心の業務をデジタル化し、年間約570万枚のペーパーレス化を実現しました。

    さらに、帳票処理や申請書管理の効率化により、年間約7億円の営業経費削減を達成。グループ全体で業務効率とコストの最適化を進める基盤として、AI-OCRが中核技術となっています。

    参考: スマートOCRとは?価格や機能・使い方を解説|ITトレンド

    AI-OCRの注意点

    AI-OCRは従来型のOCRと比較して極めて高い読み取り精度を誇ります。しかし、100%ではありません。AIは人間と同様に間違えるたびに学習しますが、ミスを完全に排除することは不可能です。したがって、AI-OCRにすべてを任せきりにすることはできず、目視によるチェックが必要です。

    では、AI-OCRの導入に意味がないのかというと、そうではありません。たしかに目視チェックは必要ですが、一から人間の手作業で行うより少ない労力で済みます。

    大切なのは、AI-OCRによる省力化のメリットとその導入に要するコストが釣り合うかどうかです。自社で取り扱う帳票の数や、人手の余裕などを踏まえて導入を検討しましょう。

    AI OCRの選定ポイント

    数多のAI OCRのなかから自社に最適なものを選ぶために重要なポイントを4つ紹介します。

    ■読み取れる文字の種類
    AI OCRの選定において重要なのは、自社で使用される文書の文字タイプに対応しているかどうかです。多様な書体や特殊文字、専門用語に対応する能力が文書処理の効率化を左右します。
    ■操作性
    AI OCRシステムのユーザーインターフェースは、直観的で使いやすいものが理想です。読み取り後のチェックや修正機能の柔軟性も、日々の業務効率に大きく影響します。
    ■他システムとの連携可否
    AI OCRをRPAやほかのシステムと組み合わせることで、文書のアップロードからデータ化後の情報を他システムへ自動入力するなど、業務の自動化が可能になります。
    ■セキュリティ面
    AI OCRシステムのセキュリティ対策は、企業データの安全性に直結します。第三者認証であるPマークやISMSなどのセキュリティ認証の取得状況は、選定の際の重要なポイントです。

    以下の記事では、おすすめのAI OCRシステムを比較して紹介しています。自社にあう製品選びのポイントも詳しく解説しているので参考にしてください。

    関連記事 【最新】AI-OCRおすすめ20選!価格・機能満足度を徹底比較

    まとめ

    AI-OCRとは、文字を読み取ってテキストデータ化するOCRにAIを搭載した文字認識技術です。従来型OCRと異なり、人が手で書いた文字の判読やフォーマットの異なる帳票の読み取りも可能なため、より実用的な存在として注目を集めています。

    まずはAI-OCRの資料請求をして製品について詳しく知り、自社の業務がどのくらい改善できるかを予測しながらAI-OCR導入を検討してみることをおすすめします

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