AI翻訳のメリットとは
AI翻訳ツールの登場により、一昔前よりも簡単に外国語文書を翻訳できるようになりました。このツールを活用することは、ビジネスにどのようなメリットをもたらすのでしょうか。3つ見てみましょう。
翻訳のクオリティを担保できる
機械翻訳自体は、以前から存在しています。しかし、あまり精度が優れているとはいえず、ビジネスでの本格的な利用には向いていませんでした。高精度な翻訳を期待するのなら、時間とお金をかけて、プロの翻訳者に依頼するしかありませんでした。
一方、AI翻訳は従来の機械翻訳から飛躍的な成長を遂げており、高い精度で外国語の文書を翻訳できます。翻訳者に依頼するのと異なり、人によって品質に差が生じることもなく、常に一定のクオリティを担保できます。
いつでも素早く翻訳ができる
海外の企業と取引する際、資料を外国語で作成しなければならないシーンも多くあります。1つひとつの文書に時間をかけるわけにもいかず、短期間で翻訳しなければなりません。
AI翻訳ツールを使えば、簡単な文書であれば数秒で翻訳できます。プロに依頼して翻訳完了を待つ必要も、外国語が堪能な社員の時間を奪われる心配もありません。
翻訳にかかるコストを削減できる
人力で翻訳する場合、大きなコストがかかります。外部の翻訳者や翻訳会社に依頼する場合は、発注料金が発生します。
また、自社の人手で賄いたい場合も、人材の確保や育成にコストは避けられません。一方、AI翻訳ツールなら、人力に頼るよりもはるかに安いコストで翻訳できます。
実際の製品を早速見てみたい方は、以下の記事をご覧ください。
AI翻訳のデメリットとは
AI翻訳は完璧ではありません。プロに依頼したり、自社の人手で対応したりするよりも、不便に感じられることがあります。デメリットを3つ見てみましょう。
文化の違いや細かなニュアンスまでは把握できない
文章を介したコミュニケーションには、文章そのものには現れない文化的背景も潜んでいます。一見すると同じ表現でも、国によって解釈が異なるかもしれません。
プロの翻訳者であれば、隠れたニュアンスもくみ取ってくれるでしょう。しかし、AIでは国の文化的背景までを踏まえた翻訳は困難です。
人による確認作業が必要になる
AI翻訳は確かに高精度ですが、プロの翻訳には及ばない部分もあります。出力された翻訳文を、そのまま利用するのは推奨されません。
例えば、大切な営業資料やメールであった場合、ちょっとしたニュアンスの違いが誤解を招き、大きなトラブルに直結する可能性があります。
したがって、AIが訳出した文章は、最終的に人の目でチェックする必要があります。AI翻訳の導入によって、人力の作業を完全に手放せるわけではありません。
セキュリティ面の不安がある
AI翻訳ツールがクラウドサービスの場合、翻訳したい文書をアップロードすることになります。通信が適切に保護されていなければ、第三者に漏えいしかねません。特に無料のツールは、十分なセキュリティ対策が施されていない可能性が高く、注意が必要です。
翻訳文書そのものが流出しなくても、独自にカスタマイズを施した辞書データが流出すると、思わぬ情報漏えいにつながりかねません。
暗号化やアクセス制限、データの自動削除など、十分な対策が施されたサービスを選ぶことが大切です。
AI翻訳の発展
機械翻訳の歴史は1950年代から始まり、第1次・第2次を経て、現在第3次AIブームとして2010年代から再燃。2016年にGoogle社がGoogle翻訳へニューラル機械翻訳を採用したことををきっかけに、AI翻訳は爆発的な普及を遂げています。携帯型翻訳機のPOCKETALKなども登場し、高精度な機械翻訳が大変気軽に活用できるようになりました。
現在では、テキスト入力のほか、音声入力や画像認識翻訳機能など、続々と便利な翻訳機能が生まれています。AI翻訳の活用シーンは今後もさらに進化していくことが期待されています。
参考:令和6年版情報通信白書(概要) |総務省
AI翻訳の今後とビジネスへの活用
AI技術は、日夜進歩を続けています。今後も、AI翻訳の精度は向上し続けるでしょう。ゆくゆくは、AIに任せきりにするだけで文書を翻訳できる日が来るかもしれません。
今すぐAIに頼り切り、一切人力を介することなく外国語を翻訳するのは困難です。しかし、AI翻訳で一度訳し、問題がある部分に人間が手を加えるなど、上手に組みあわせることで質の担保とコストカットを両立できます。
ちなみに、AI翻訳技術は、ほかの分野と融合し、便利なサービスを生み出す可能性も考えられています。
例えば、自動運転技術と組み合わされば、車で翻訳された観光案内を聞きながらの旅行が可能になるといわれています。AI翻訳による言語の壁の消失は、多くの新しいビジネスを生むでしょう。
まとめ
AI翻訳を活用すれば、翻訳のクオリティを担保できます。即座に翻訳できるのも魅力なうえ、大きなコストも発生しません。
一方、AI翻訳はまだプロの翻訳には及ばない部分もあります。文化の違いや微妙なニュアンスは理解できず、最終的には人の判断が必要です。
AIに任せきりにはできませんが、人手による翻訳を組みあわせれば、コストカットや生産性向上を図れるでしょう。