AI翻訳・自動翻訳ツールとは
AI翻訳ツールとは、人工知能(AI)を活用してテキストや文書を自動的に翻訳すツールです。最新のAI翻訳ツールは、従来の翻訳ツールと比較すると翻訳精度を上げただけでなく、文章全体の意味を理解したうえで自然な文に訳せます。さらにディープラーニング(深層学習)を搭載し、医療業界や建設業界などで使用される専門用語の翻訳にも対応可能です。
海外市場の調査や海外拠点との情報共有にAI翻訳ツールを活用すると、外部の翻訳者に依頼するコストややり取りの手間、翻訳完了までの待ち時間などを大幅に削減できます。海外との取引のなかで迅速かつ正確性の高い翻訳を求める企業にとって、AI翻訳は特に有効なツールだといえるでしょう。
AI翻訳・自動翻訳ツールの基本機能
従来の翻訳ツールと異なり、AIを用いた機能によって高精度な翻訳が可能になったほか、文章表現もより自然になっています。以下で、AI翻訳ツールに搭載されている主な機能を紹介します。
- ■ニューラル機械翻訳
- 人間の脳に近い形で構築されているニューラルネットワークを利用して自動翻訳する。AIの自動学習プロセスによって、精度の高い翻訳が可能になる。
- ■編集の学習
- ツール利用者が編集した翻訳内容をAIが自動学習し、翻訳データをカスタマイズできる。
- ■文書翻訳
- WordやPDFなどの文書を丸ごと翻訳する。
- ■多言語対応
- 日本語や英語はもちろん、世界各国の複数言語に対応できる。
- ■翻訳サービス
- 産業機械や製薬分野など専門性が求められる際、プロの翻訳者に依頼できるサービス。
【比較表】おすすめのAI翻訳・自動翻訳ツール一覧
おすすめのAI翻訳・自動翻訳ツールについて一覧表にまとめました。各社製品の特徴や機能などを比較し、自社に最適な製品を導入しましょう。
おすすめのAI翻訳・自動翻訳ツールを徹底比較
ここからは、ITトレンド編集部おすすめのAI翻訳ツールを紹介します。各社製品の価格や翻訳精度、対応言語数、無料トライアルの期間などもまとめているので、導入時の参考にしてください。詳しい製品情報については資料請求し、機能や料金プランなどを比較してみましょう。
《Mirai Translator》のPOINT
- ニューラル機械翻訳による翻訳家レベルの高品質翻訳
- 金融機関や製薬会社でも使える高いセキュリティレベル
- 法務・財務文書も実用レベルで翻訳
株式会社みらい翻訳が提供している「Mirai Translator」は、総務省の要件に対応した高水準のセキュリティと、優れた翻訳品質をもつAI翻訳製品です。ニューラル機械翻訳によって、語句を文脈にもとづいて総合的に把握し、TOEIC960点のビジネスパーソンに匹敵する精度の高い翻訳を実現します。さらに法律事務所と共同で開発した文章モデルを利用すると、実用レベルの契約書やレポートを短時間で作成できるでしょう。
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
〇(14日間) |
翻訳対応言語数 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
自動車、輸送機器
1,000名以上 5,000名未満
SYSTRAN Translate Server オンプレミス型AI翻訳
製品・サービスのPOINT
- 55言語対応や翻訳可能なファイル形式約50種類など機能面が充実
- オンプレミスでの提供により堅牢なセキュリティで企業情報を保護
- 専用AI学習や高度なカスタム機能による最高レベルの専門翻訳
シストランジャパン合同会社が提供する「SYSTRAN」は、高性能のニューラル機械翻訳と専門用語のAI学習の蓄積で、翻訳会社と同等レベルの翻訳を実現するAI翻訳ツールです。AI翻訳エンジンにより、使用を重ねるほど専門データが蓄積され、難易度の高い専門文書もプロレベルの品質で翻訳可能です。また、各国の政府や国際機関などの厳格な条件をクリアしたセキュリティ技術が搭載されています。
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額3,800円~/ユーザー |
無料トライアル |
〇(14日間または翻訳量が20万文字まで) |
翻訳対応言語数 |
50以上 |
《ヤラクゼン》のPOINT
- 翻訳する内容に合ったAI翻訳エンジンを選択できる
- 使うほどにデータベースが成長して翻訳精度が向上
- 顧客アカウント毎でデータが個別管理されるので安心
八楽株式会社が提供している「ヤラクゼン」は、翻訳や編集、共有、外部発注など企業の文書翻訳に関するすべての業務を画面上で実行できる翻訳プラットフォームです。自動翻訳後、自分で編集するか、翻訳マネージャーに編集を依頼するか、翻訳家に編集を依頼するかの3つから状況に応じて編集方法を選択できます。翻訳のプロに依頼したい箇所があれば、システム上から見積依頼や発注が可能なため、依頼作業の効率化にも役立ちます。また、アカウントごとにデータが管理されるうえ、自動削除やアクセス制限などの機能もあり、セキュリティも万全です。
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額9,000円~/3ユーザー |
無料トライアル |
〇(14日間) |
翻訳対応言語数 |
35 |
《Trados Studio》のPOINT
- 高性能なニューラル機械翻訳を使用して翻訳スピードをアップ
- 翻訳メモリを活用する機能で生産性を高める
- 翻訳会社のための効果的なプロジェクト運営・管理を実現
株式会社RWSグループが提供する「Trados Studio」は、翻訳会社向けのAI翻訳ツールです。高性能のニューラル機械翻訳と編集管理機能で、翻訳会社のプロジェクト効率化・迅速化します。同時に顧客に対しても品質や価格、納期スピードなどで競争力の高い提案が可能です。さらに、翻訳ファイルの一元管理やオンラインによる同時編集などにも対応しており、作業効率アップとマネジメント業務の省力にも貢献します。
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
〇(30日間) |
翻訳対応言語数 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《T-4OO》のPOINT
- 95%の高精度で広範な分野の文章を訳出
- 社内専用用語も訳文に反映
- 堅牢なセキュリティ環境で機密情報を保護
株式会社ロゼッタが提供する「T-4OO」は、幅広い業界に対応した自動翻訳機能や、プロレベルの充実した編集機能が魅力のAI翻訳ツールです。ニューラルネットワークを利用した独自のAI自動翻訳により、法務や化学、金融、電気電子など2,000以上の専門分野に対応可能です。専用データベースにセンテンスを登録することで、独自の単語やフレーズを次回の訳出に反映できます。PDFの文章でもファイルをドラッグアンドドロップするだけで、そのままのレイアウトで翻訳可能です。
提供形態 |
クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
〇 |
翻訳対応言語数 |
100以上 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
金融・証券・保険
1,000名以上 5,000名未満
《The Reading》のPOINT
- 化学や医療、法務など合計20種類もの領域をカバー
- SSL化通信と堅牢なデータセンターが情報を保護
- ドラッグアンドドロップでファイルを丸ごと翻訳
株式会社ロゼッタが提供する「The Reading」は、同社の高性能翻訳システム「T-4OO」から、人気の高い翻訳機能を選出したローコスト版のAI翻訳ツールです。リーズナブルでありながら、化学や医療、法務など合計20種類もの幅広い分野をカバーし、契約書や仕様書なども即座に翻訳できます。最低契約人数3名から利用可能で、小規模から導入したい企業にもおすすめです。
提供形態 |
クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
月額2,728円~/ユーザー |
無料トライアル |
〇 |
翻訳対応言語数 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《shutto翻訳》のPOINT
- 対応言語は100か国語以上
- HTMLで作られたすべてのwebページ、コンテンツが翻訳される
- 特別なスキルがなくても、直感的に翻訳後の編集が可能
株式会社イー・エージェンシーが提供する「shutto翻訳」は、Webサイトを100以上の言語に自動翻訳できるAI翻訳ツールです。静的・動的を問わず、ブログやフォーム、会員向けサイトなど、多様な形式のサイトも翻訳可能です。もとのページに更新や追加があった際は自動的に反映されます。さらに機械翻訳機能だけでなく、プロの翻訳家に依頼する発注管理機能を備えている点も魅力です。
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額6,600円~ |
無料トライアル |
〇(30日間) |
翻訳対応言語数 |
100以上 |
《多言語音声APIサービス》のPOINT
- WebブラウザのZoom上でリアルタイムに文字起こしと翻訳を実施
- 対訳内容が一覧表示されるので、参加者の理解度が向上
- テキスト化され保存でき、議事録の作成作業の効率UP
日本電気株式会社が提供する「多言語音声APIサービス for Zoom翻訳」は、Web会議の発話をリアルタイムでテキスト化し翻訳するAI翻訳サービスです。導入から利用まで、すべてWebブラウザのZoom上で完結するため、複雑な操作が必要なく手軽に活用できます。テキスト化された話者別の発言内容や翻訳結果をダウンロードすることで、議事録作成の効率化も図れるでしょう。NECの保有するセキュアなクラウド環境にて稼働しているため、セキュリティ面でも安心です。
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
翻訳対応言語数 |
15 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
食品、医薬、化粧品
250名以上 500名未満
改善してほしい点
食品、医薬、化粧品
250名以上 500名未満
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無料版と有料版の違いとは?無料版の注意点
AI翻訳ツールには、個人向けのツールと法人向けのツールがあります。基本的に、個人向けツールは無料、法人向けツールは有料です。無料ツールはコストを抑えて利用できるうえ、製品によっては会員登録することなくベンダーサイトに文字を入力するだけで手軽に翻訳できます。
日常生活での利用には無料製品でも十分ですが、ビジネスで利用する場合はセキュリティ面や専門用語対応などの観点から、法人向け有料製品の利用をおすすめします。ここからは両者の違いや法人向け有料製品をおすすめする理由について見ていきましょう。
対応言語の数が少ない
英語や中国語といったメジャーな言語であれば、無料のAI翻訳ツールでも対応可能です。しかし、マイナーな言語は有料製品でしか対応できない場合があります。
グローバル展開する企業のなかには、発展途上国の会社と取引をするケースもあるでしょう。しかし対応言語数が少ない無料ツールでは、発展途上国の言語を翻訳できない可能性もあります。有料のAI翻訳ツールには、100以上の言語に対応する製品もあるため、マイナーな言語を翻訳したい場合でも安心です。
対応できない分野がある
無料のAI翻訳ツールの多くは、日常的に使用される言葉にしか対応しておらず、特定のビジネス用語や医学、金融といった専門分野の文書は翻訳できない可能性があります。
有料のAI翻訳ツールなら金融や法務、医学、電気電子など2,000以上の専門分野に対応した製品もあり、多くの分野で活用できます。具体的にどの分野に対応しているかは製品によって異なるため、製品資料を取り寄せ自社の業務に合うか確認しましょう。
セキュリティ対策が不十分な製品もある
無料のAI翻訳ツールは、利用者と提供企業との間に機密保持の契約を結んでいません。AI翻訳ツールのほとんどはクラウドサービスとして提供されており、翻訳した文章が利用サーバに残されるためデータの流出に注意する必要があります。
企業向けの有料製品であれば、第三者による傍聴を阻止する暗号化機能や、IPアドレスにもとづいたアクセス制限など、安全を担保するための強固なセキュリティ体制が構築されています。企業でAI翻訳サービスを導入する場合には、セキュアな環境で翻訳できる法人向けサービスがおすすめです。
AI翻訳・自動翻訳ツールの導入メリット
AI翻訳ツールは精度の高い翻訳が実現するほか、依頼コストの削減や翻訳スピードの向上にも寄与します。さらにこれまで人が行っていた翻訳業務をツールに任せることで、人的リソースを別の業務に有効活用できるようになります。具体的なメリットは以下のとおりです。
- ■翻訳コスト削減
- AI翻訳ツールを活用すれば、外部の翻訳者や翻訳会社に依頼する必要がなく、コストを抑えて翻訳できる。翻訳専用端末が不要のため、インターネット環境さえあれば簡単にはじめられる。
- ■翻訳スピードの向上
- 簡単な文書であれば数秒で翻訳が完了するため、人力よりも作業スピードが向上する。外部依頼して翻訳完了を待つ必要もないため、スムーズに業務を進められる。
- ■人的リソースの有効活用
- 外国語の堪能な社員が請け負っていた翻訳作業をAI翻訳ツールで行い、社員には語学力を活かしたグローバルな任務を任せるなど、リソースの有効活用ができる。
なお、以下の記事ではAI翻訳ツールの導入メリットやデメリットについて詳しく解説しています。気になる方は、あわせて参考にしてください。
AI翻訳・自動翻訳ツールの選び方
AI翻訳ツールを選ぶ際には、翻訳の精度やセキュリティの安全性、チューニングのしやすさなど確認すべき点があります。具体的にどのようなポイントに着目すればよいか解説します。
高精度な翻訳技術が活用されているか
AI翻訳ツールにおいて、翻訳精度の高さは最も重要な選定ポイントです。ツールの精度は翻訳エンジンによって決まるため、同じような価格でも精度に差が生まれることもあります。どのようなAI翻訳技術が使われているか、専門的な分野の翻訳にも正確に対応できるかなど、翻訳精度の高さを事前に確認してから選択しましょう。
登録内容の流出を防ぐセキュリティ対策があるか
登録したデータや辞書のチューニング内容が社外に漏れてしまえば、重大な情報漏えいにつながるため、セキュリティ性能の高い製品を選ぶ必要があります。法人向けのAI翻訳ツールには、SSL化通信や堅牢な国内データセンターを利用するなど十分なセキュリティ対策が施されています。しかし、具体的にどのような対策がなされているかは製品により異なるため、自社が求めるセキュリティ水準を満たすかどうかチェックしましょう。
チューニングがしやすいか
専門用語や社内用語などを追加するチューニングは、翻訳の精度向上のため重要な作業の一つです。チューニングは、定期的に用語の追加や翻訳修正を行う必要があり、手間がかかります。チューニングのしやすさによって運用後の効率が左右されるため、ツール導入前に無料トライアルを利用し操作性を確認しましょう。
選び方をもとにもう一度製品を見たい方はこちら!
【比較表】おすすめのAI翻訳・自動翻訳ツール一覧
AI翻訳ツールを導入してビジネス拡大につなげよう
AI翻訳ツールを活用すれば、翻訳にかかる時間やコストの削減が可能です。個人向けの無料製品もありますが、ビジネスで本格的に利用する場合は、翻訳性能やセキュリティ性に優れた有料製品がおすすめです。AI翻訳ツールにはさまざまな製品があるため、紹介した比較ポイントを参考に、自社に最適な製品を選びましょう。