ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■データの保管方式別
- データをクラウドに取り込んで分析したい:Domo
- 社内のデータベースに接続して可視化したい:軽技Web Cloud
- ■重視するセキュリティ要件別
- IPアドレス制限で接続元を絞りたい:軽技Web Cloud
- シングルサインオンで社内IDと連携したい:Domo、Tableau Cloud、Yellowfin
- 多要素認証を設定したい:Domo、軽技Web Cloud
- データや通信の暗号化を確認したい:Domo、SAP Analytics Cloud BI
- 第三者認証・監査報告書を確認したい:Domo、MotionBoard、Yellowfin、SAP Analytics Cloud BI
クラウド型BIツールのセキュリティは誰が担うか
クラウド型BIツールでは、セキュリティ対策の一部を提供元に任せられる一方、すべてを任せられるわけではありません。提供元と利用企業がそれぞれ何を担当するかという責任の分担を把握することが、安全性を判断する出発点です。
提供元が担う範囲
クラウド型BIツールの提供元は、一般にサーバーやネットワーク機器、データセンターの物理的な管理、BIツール本体の更新を担います。脆弱性への修正も提供元が適用するため、利用企業が修正プログラムを個別に当てる作業は基本的に発生しません。
ただし、どこまでを提供元が担うかは製品や契約によって異なります。利用規約やサービスの説明資料で、障害対応やバックアップ、データの復旧について提供元が何を約束しているかを確認しておきましょう。稼働率の目標などを定めたサービスレベルの合意があるかも、判断材料の一つです。
利用企業が担う範囲
利用企業が担うのは、BIツールを使う人のアカウント管理や権限の設定、接続するデータの選択、社内データとの接続設定といった部分です。クラウド型でも、誰に何を見せるかを決めるのは自社です。
例えば、退職者のアカウントを削除しなかったり、共有リンクを社外に公開する設定のままにしたりすると、提供元の対策とは関係なく情報が漏れる可能性があります。自社の担当範囲を一覧にし、担当者と確認の頻度を決めておくことが大切です。担当者が1人に偏らないよう、手順を文書にして複数人で共有しておきましょう。
クラウドBIでデータが置かれる場所と保存方法
クラウド型BIツールを検討する際に確認したいのが、「自社のデータがどこに、どのように保存されるのか」です。データの取り扱い方式や保存先の地域、暗号化の方法は製品ごとに異なるため、具体的に確認しておきましょう。
データを取り込む方式と直接接続する方式
クラウド型BIツールには、分析するデータをクラウド上に取り込んで保存する方式と、社内のデータベースなどに都度問い合わせて結果だけを表示する方式があります。前者は表示が速い傾向にある一方、データのコピーがクラウド上に残ります。
後者はデータを社内に残したまま可視化できます。一方で、表示速度は接続先データベースの負荷や通信状況に左右されます。データの機密性と求める表示速度にあわせて、どちらの方式を使えるかを確認しましょう。
保存先の国や地域
データをクラウドに保存する場合は、保存先のデータセンターがどの国にあるかを確認します。社内規程や取引先との契約で、国内での保管を求められている場合があるためです。
製品によっては、保存先の地域を契約時に選べるものもあります。バックアップの保存先や障害時の切り替え先が別の地域になる場合もあるため、主な保存先だけでなく複製の保存先まで確認しておくと、社内への説明がしやすくなります。
保存データの暗号化と鍵の管理
クラウド上に保存されたデータが暗号化されているかも確認したい点です。暗号化とは、データを特定の鍵がなければ読めない形に変換する処理です。保存データが外部に持ち出された場合でも、内容を読み取られにくくする効果が期待できます。
あわせて、暗号化に使う鍵を誰が管理するのかも確認しましょう。提供元が鍵を管理する方式のほか、利用企業が鍵を管理できる選択肢を用意している製品もあります。鍵を自社で管理する場合は、その運用の手間も考慮が必要です。
社内データとクラウドBIをつなぐ通信の守り方
クラウド型BIツールで社内のデータを分析するには、社内のシステムとクラウドの間で通信が発生します。この通信経路をどう守るかは、オンプレミス型にはないクラウド型ならではの検討事項です。代表的な方法を紹介します。
ゲートウェイを使った接続
ゲートウェイとは、社内のネットワークに設置し、社内のデータベースとクラウドの間の通信を仲介するソフトウェアです。社内から外部へ通信を始める形で接続できる場合があり、社外からの接続を受け付ける設定を減らせる可能性があります。
ただし、ゲートウェイを動かすサーバーの管理は利用企業が担います。ゲートウェイの更新や停止時の対応を誰が行うか、通信が止まった場合に通知を受け取れるかを、情報システム部門と確認しておきましょう。
通信の暗号化
利用者がブラウザでダッシュボードを閲覧する通信や、社内のデータベースとクラウドの間の通信が暗号化されているかを確認します。通常は、Webサイトでも使われるTLSという暗号化の仕組みで通信が保護されます。
確認の際は、暗号化の有無だけでなく、どの区間の通信が対象かも見ておきましょう。データベースへの接続設定によっては、暗号化を利用企業側で有効にする必要がある場合もあります。設定方法は提供元の資料で確認できます。
IPアドレス制限と閉域接続
IPアドレス制限とは、クラウド型BIツールにアクセスできる接続元を、社内ネットワークなど特定の場所に限定する設定です。ログイン情報が漏れた場合でも、許可していない場所からの接続を防ぐ対策として役立ちます。
さらに、インターネットを経由せずに専用の回線や仮想的な閉じたネットワークで接続する方法を用意している製品もあります。テレワークでの利用がある場合は、IPアドレス制限と社外からの利用をどう両立させるかもあわせて検討しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド型BIツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
第三者認証と公開資料でセキュリティを確かめる
クラウド型BIツールの安全性を、利用企業が自ら検査するのは現実的ではありません。そこで手がかりとなるのが、第三者機関による認証や評価の結果と、提供元が公開している資料です。それぞれの見方を紹介します。
ISMAPやISO/IEC 27017などの認証
ISMAPは、政府情報システムに利用するクラウドサービスのセキュリティ評価制度で、所定の審査を経て登録されたサービスがリストとして公開されています。ISO/IEC 27017は、クラウドサービスの情報セキュリティ管理策に関する国際規格です。
これらの取得状況は、提供元のWebサイトや公開されたリストで確認できます。ただし、認証は製品全体ではなく特定のサービスや基盤が対象の場合もあるため、検討しているBIツールそのものが対象に含まれるかを確認しましょう。
セキュリティチェックシートと報告書
企業によっては、クラウドサービスを導入する前に、自社のセキュリティ基準に沿ったチェックシートで確認を行います。提供元が回答済みのチェックシートや、セキュリティ対策をまとめた資料を用意している場合もあります。
また、外部の監査法人が内部統制を評価したSOC2報告書などを、守秘義務契約を結んだうえで開示する提供元もあります。社内の審査に必要な資料を早めに洗い出し、提供元に提出を依頼すると、導入の判断を進めやすくなります。回答内容に不明点があれば、該当する機能や設定を画面で見せてもらうと理解が深まります。
契約・解約時に確認するデータの扱い
クラウド型BIツールでは、データを提供元のサービスに預けて利用します。そのため、利用中に問題が起きたときの連絡方法や、解約時にデータがどう扱われるかを、契約の段階で確認しておくことが重要です。
障害や事故が起きたときの連絡体制
サービスの停止や情報セキュリティの事故が発生した場合に、提供元からどのような方法で、どの程度の時間で連絡が来るかを確認します。稼働状況を公開するWebページを用意している提供元もあります。
あわせて、自社内での連絡経路も決めておきましょう。BIツールの管理者が提供元からの連絡を受けた後、情報システム部門や利用部門にどう伝えるかを定めておくと、影響の確認と利用者への案内を落ち着いて進められます。
解約時のデータ削除と取り出し
BIツールの利用をやめる際に、クラウド上に保存されたデータやダッシュボードがいつ、どのように削除されるのかを確認します。削除の完了を証明する書面を発行してもらえるかも、提供元に問い合わせておくとよいでしょう。
また、作成したダッシュボードの定義や集計の設定を取り出せるかも確認したい点です。取り出せる形式が限られていると、別のツールに移る際に作り直しが必要になる場合があります。将来の乗り換えも見据えて確認しておきましょう。
クラウド型BIツールのセキュリティ機能一覧
この記事で紹介するクラウド型BIツールを、データの扱い方や認証、第三者認証といったセキュリティ面の特徴で一覧にしました。データを預ける前の確認項目と照らしあわせて比較してみてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Domo | クラウド上でデータを統合・分析。データの暗号化やSSO、多要素認証、ログ監視に対応する |
| MotionBoard | クラウド版を用意。ISMAPやISO/IEC 27001・27017・27018などのセキュリティ認証を掲載 |
| Tableau Cloud | 完全ホスティング型の分析基盤。パーミッション管理やSSOプロバイダーとの統合に対応する |
| Yellowfin | クラウドやハイブリッドで導入可能。SOC 2を掲載し、LDAP認証やSSOにも対応する |
| SAP Analytics Cloud BI | SAP Analytics Cloud向けテンプレート。ISO/IEC 27001・27017・27018やSOC 1・SOC 2などを掲載 |
| 軽技Web Cloud | オンプレミスのDBにも接続できるサーバーレスBI。2要素ログインとIP接続制限を備える |
データを預ける前に確認しやすいクラウド型BIツール
データの保管方式や認証機能、第三者認証の取得状況など、クラウド型BIツールを選ぶ際に確かめたいセキュリティの観点に沿って製品を紹介します。認証の対象範囲や保存先の地域は、資料請求で詳しく確認してください。
Domo
- データ活用を実現するために必要な機能をオールインワンで提供
- SaaS型BI国内市場NO.1!※高い顧客満足度を獲得!
- モバイル標準対応なのでデータを元に迅速なアクションを促進可能
ドーモ株式会社(代理店:NDIソリューションズ株式会社)が提供する「Domo」は、社内外のデータをクラウドに集約して分析できるBIツールです。豊富なコネクターを通じてSaaSやオンプレミスのデータベースなどに接続し、収集したデータの加工・可視化・共有までを一つの環境で行えます。データの暗号化や認証、ログ監視などのセキュリティ機能に加え、シングルサインオンや多要素認証にも対応。ISO/IEC 27001とISO/IEC 27018の認証も取得しており、データの保護とアクセス管理を重視する企業に向いています。
MotionBoard
- 3,900+社導入・顧客満足度4年連続No.1・サポート品質ランク★★★
- 生成AI機能*チャットで自動生成・インサイト分析も自然言語で!
- システムも現場・IoTデータも、60種類以上のデータソースと接続◎
ウイングアーク1st株式会社が提供する「MotionBoard」は、クラウド版とオンプレミス版を選べるデータ活用プラットフォームです。クラウド版では、サーバーの手配やセットアップ、バージョンアップなどのインフラ管理の負担を軽減できます。60種類以上のデータソースとの接続に対応し、さまざまな業務データをダッシュボードで可視化できます。ITトレンドの製品ページにはISMAPやISO/IEC 27001・27017・27018、SOC 1などのセキュリティ認証が掲載されており、第三者による評価を重視する企業にも適しています。
Tableau Cloud
- インテリジェントなツールのデータの力で自信の持てる意思決定へ
- 理解しやすいインサイトで時間を節約し、誰もが簡単に分析できる
- 埋め込み分析で顧客にデータで価値・シームレスな体験を提供
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Tableau Cloud」は、サーバー管理を提供元に任せながら、利用者の権限を細かく管理できるクラウド型BIツールです。完全ホスティング型の分析プラットフォームで、サーバー構成やソフトウェアのアップグレード、ハードウェアの増強を自社で行う必要がありません。自動認証とパーミッション管理によってデータへのアクセスを制御でき、既存のシングルサインオン(SSO)プロバイダーやIDプロバイダーとの統合にも対応。利用状況のモニタリングや一元的なガバナンス管理を支援します。
Yellowfin
- 自然言語で質問するだけでAIが分析・可視化
- セマンティックレイヤーで統制されたAIデータ活用
- AIが異常や変化を検知し、気づきを自動通知
Yellowfin Japan株式会社が提供する「Yellowfin」は、既存の認証基盤と連携して利用できるBIプラットフォームです。クラウドやハイブリッドクラウドでの導入に対応し、LDAP認証やSAML Bridge、シングルサインオン(SSO)を利用できます。ITトレンドの製品ページにはセキュリティ認証としてSOC 2が掲載されています。また、セマンティックレイヤーによる指標定義の一元管理や、自然言語によるデータ分析、異常値の自動検知にも対応。社内のID管理と連携しながら、データ活用を進めたい企業に向いています。
SAP Analytics Cloud BI
- 実績・予算・見込を一体分析し、未来志向の経営管理を実現
- 経営&営業ダッシュボードを統合、経営と営業の高い連携を実現
- 競合企業のデータも分析し、市場でのポジションを把握可能
アクセス・インテリジェント・ソリューションズ株式会社が提供する「SAP Analytics Cloud BI」は、実績・予算・見込を一体で分析できるSAP Analytics Cloud向けのテンプレートです。経営・営業ダッシュボードを活用した分析に対応し、予算管理オプションも用意されています。ITトレンドの製品ページには、セキュリティ認証としてISO/IEC 27001・27017・27018やSOC 1・SOC 2などが掲載されており、HTTPSによる通信保護にも対応しています。認証の対象範囲やデータの保存先は、導入前に確認するとよいでしょう。
軽技Web Cloud
- サーバレス運用でインフラ管理の手間と費用を抑制
- AWS・Azureとオンプレデータベースを一括活用
- 簡単操作で検索からダッシュボード表示まで完結
富士電機ITソリューション株式会社が提供する「軽技Web Cloud」は、社内のデータベースと接続して利用できるクラウド型BIツールです。サーバーレスで利用できるため、BIツール用のサーバーを自社で購入・構築・保守する負担を抑えられます。AWSやAzure上のデータに加え、オンプレミスのデータベースにも接続可能。2要素ログインとIPアドレスによる接続制限を備えており、アクセス元を制限した運用にも対応します。社内データの活用とインフラ管理の効率化を両立したい企業に向いています。
まとめ
クラウド型BIツールのセキュリティは、提供元と自社の責任分担を把握したうえで、データの保存方式と保存先、社内データとつなぐ通信の守り方を確認することが大切です。第三者認証や公開資料を手がかりにし、障害時の連絡体制や解約時のデータの扱いまで契約前に確かめましょう。自社のセキュリティ要件を整理したうえで、資料請求でクラウド型BIツールの対応状況を比較してみてください。

