CASB業界の概要
株式会社グローバルインフォメーションのレポートによると、
クラウドアクセスセキュリティブローカー市場は、2022-2027年の予測期間中に12.4%のCAGRで推移する
と予測されています。
参考:市場調査レポート|株式会社グローバルインフォメーション
CASBは、アカウントが乗っ取られた際の検出や、データの使用状況の監視などで活用でき、特にリモートワークの普及や企業のDX推進などを背景に導入する企業が増加しました。
従業員や会社の情報を守るために、大手企業もCASBに注目し、セキュリティ・ポリシーのアップグレードを行っています。
CASBは、クラウドサービスへのアクセスを監視し、制御するためのソリューションであり、企業は従業員が使用するクラウドサービスセキュリティの強化が可能です。
データの移動や共有をモニタリングすることで、クラウド環境におけるデータの可視性を保ち、企業は機密情報を安全に管理できます。
CASBの業界区分とは
CASBの業界区分は、主に以下2つのカテゴリに分けられます。
- ●APIベースのCASB
- ●プロキシベースのCASB
APIベースのCASBは、クラウドサービスと直接通信し、APIを活用してセキュリティ機能を提供します。クラウドサービスとの連携を強化し、データの可視性や制御を向上させるうえで効果的です。
また、クラウドプロバイダが提供するAPIを利用してトークンの取得やデータの暗号化などを行い、セキュリティポリシーの適用を実現することも可能です。
プロキシベースのCASBは、クラウドトラフィックをリダイレクトしてセキュリティ検査を行います。主にデータの転送やアクセスの可視性に焦点を当て、企業のネットワークを介してクラウドサービスへのセキュアなアクセスを提供します。
CASBの市場傾向
株式会社グローバルインフォメーションのレポートによると、以下のように報告されています。
2020年の調査で、中小企業の57%がパンデミックをきっかけにクラウドの利用を増やしたことが判明しています。つまり、そのことがシャドーITの問題をさらに悪化させたと結論づけることができるかもしれません。
参考:市場調査レポート|株式会社グローバルインフォメーション
企業がクラウドサービスを利用するなかで、クラウドセキュリティへの需要が高まり、CASBが需要を満たすための鍵となっていることがわかります。
クラウドへのセキュアなアクセスとデータ保護のニーズが増えており、CASBはニーズに応えるための効果的な解決策として広く受け入れられているのです。
また、初期のCASBは主にデータの可視性やアクセス制御に焦点を当てていましたが、現在では脅威検知やセキュリティインシデント対応など、より高度な機能が統合されています。
企業は包括的で柔軟なセキュリティ戦略を展開できるようになりました。
さらに、異なるクラウドサービスやオンプレミス環境で統一されたセキュリティポリシーを維持できるようになり、企業は柔軟性と適応性を確保できます。
CASB市場は急速に進化し、新たな技術と要件に対応するために機能を拡充しています。
CASBを採用することで得られる効果
CASBを採用することで得られる効果は、主に以下のとおりです。
- ●情報漏えいや不正アクセスなどのリスクの低減
- ●コンプライアンスの遵守
- ●業務プロセスの改善
CASBは、セキュリティ対策の強化や業務の効率化などが図れるため、自社のクラウドサービスの運用を効率よくするためにも、以下の内容を理解しておきましょう。
情報漏えいや不正アクセスなどのリスクの低減
CASBの採用により、企業は情報漏えいや不正アクセスなどのセキュリティリスクを低減できます。
CASBは、複数のクラウドサービスとエンドユーザーの間にコントロールポイントを設置し、誰がどのデータを使っているのかを監視する仕組みです。クラウド環境でのデータの可視性を向上させ、不正なアクセスを防ぐセキュリティポリシーを実施できます。
従業員が不正なファイルや悪意のあるアクセスを試みる際に早期に検知し、防御措置を講じられます。
また情報漏えい防止の一環として、CASBはデータの移動や共有におけるセキュリティポリシーの厳格な適用を通じて、機密性を確保しているのも魅力といえるでしょう。
コンプライアンスの遵守
CASBの採用は、企業がコンプライアンス規制を遵守するうえでも効果をもたらします。
クラウドサービスの利用状況をモニタリングし、セキュリティポリシーの遵守を強化することが可能です。データの機密性やプライバシーに関する法規制に対する企業の義務を満たせます。
また、CASBは異常なアクセスやデータの不正利用を検知し、コンプライアンスに反する活動を未然に防ぐ役割を果たします。
業務プロセスの改善
業務プロセスの改善ができるのも、CASBを採用すると得られるメリットです。
CASBはクラウドサービスの利用をモニタリングし、セキュリティポリシーに基づいた制御を提供することで、業務プロセスの透明性と効率性が向上。従業員はセキュアな環境でクラウドを活用でき、生産性の向上にも寄与します。
また、セキュリティイベントの早期検知と対応により、業務プロセスへの影響を最小限に抑えられます。
なお、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
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CASBは今後も伸びる業界
情報漏えいや不正アクセスなどを防ぐのに有効なCASBは、テレワークが普及した昨今において需要は右肩上がりとなっています。
初期のCASBと比較しても、より高度な機能が統合されており、クラウド環境を良好な状態に保ちつつ、安全にシステムを運用できるでしょう。
特にセキュリティ強化をしたい企業にとって、CASBは有益なソフトウェアです。
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