CASBとは
CASB(Cloud Access Security Broker:キャスビー)とは、クラウドサービスを利用する際のセキュリティリスクを低減するソリューションです。アメリカのガートナー社によって提唱されました。
クラウドサービスへのアクセス経路上にCASBを設置することで利用状況を可視化し、アクセス制御やデータの持ち出し制御、コンプライアンス違反の監視などが可能となります。また、異常なアクティビティやマルウェアパターンを自動で検出するため、利用者の意図しない不正リスクや脅威も抑えられるでしょう。
CASBのシェア・市場規模
株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポートによると、CASB市場規模は以下のように報告されています。
世界のクラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)の市場規模は、2023年から2030年にかけて17.8%のCAGRを記録し、2030年までに255億6,000万米ドルに達すると予測されています。
参考:市場調査レポート|株式会社グローバルインフォメーション
CASB市場の成長は、企業がクラウドサービスを採用するなかで、セキュリティ上の懸念が高まっていることを反映しています。特にアジア太平洋地域では、サイバー攻撃の増加とセキュリティ意識の向上により、CASB市場が大きく成長しています。
またCASB市場において、「Netskope CASB」と「Microsoft Defender for Cloud Apps」は高いシェア率を誇る製品として有名です。Netskope CASBは包括的なクラウドセキュリティソリューションで知られ、企業がクラウド環境を安全に活用できるように支援しています。Microsoft Defender for Cloud Appsは、Microsoftのクラウドサービスを利用する際のセキュリティを強化するものです。
NetskopeとMicrosoftは、IT調査会社「Gartner®社」のレポートで、クラウドセキュリティサービス市場のリーダーに認定されており、注目度の高いツールとして位置づけられていることがわかります。
CASBの拡大要因
CASBの主な拡大要因は、クラウドサービスの急速な普及に伴うセキュリティリスクの増大です。クラウドサービスの利用により、データの保管やアプリケーションの運用が効率化される一方で、セキュリティの脅威やコンプライアンスの問題は深刻化しました。
その一つに、リモートワークが普及し社外からのアクセスが増えたことで、データ漏えいや不正アクセスのリスクが高まったことがあげられます。また、従業員の個人所有デバイスを業務に利用するBYODの普及や、無料のクラウドサービスが数多く提供されたことで、シャドーITが横行しました。シャドーITとは、企業の許可を得ずに利用するIT機器やクラウドサービスのことです。企業の管理外のため、十分なセキュリティ対策が施されておらず、マルウェア感染などのリスクがあります。
これらのリスクに対処するため、クラウドサービスの利用を監視し、脅威検知やデータ保護、コンプライアンスの徹底を可能にするCASBを導入する企業が増えています。
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CASBで得られる効果
CASBを採用することで、どのようなメリットが得られるのか解説します。
情報漏えいや不正アクセスなどのリスクの低減
CASBでは、クラウド環境内でのデータ移動やアクセスをリアルタイムで監視できます。データの大量コピーやログインの連続試行などの異常なアクティビティが検出されると、即座に操作をブロックし、不正なアクセスやデータの外部漏えいを防止します。
また、クラウドサービス上に潜むマルウェアやランサムウェアといった、悪意のあるプログラムやソフトウェアの脅威検知・防御も可能です。
シャドーITの防止
CASBでは、いつどの端末で、どんなクラウドサービスを利用しているのか利用状況の可視化が可能です。社内で許可されていないクラウドサービスの利用や、業務に不要なアプリのインストールなどを監視し、シャドーITを未然に防げます。
また、業務負担の削減にも大きく貢献します。シャドーITを発見するにはすべての従業員のアクティビティを監視し、利用状況を個別に調査する必要があるため、膨大な時間と労力が必要でした。CASBを活用すると、複数のクラウドサービスをまとめて可視化できるため、システム管理者が一つひとつ利用状況を確認する手間がかかりません。
なお、以下の記事でもメリットについて詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
ITトレンドおすすめのCASB製品を紹介
ここでは、ITトレンドおすすめのCASB製品を3つピックアップしました。各製品の特徴や機能など、導入を検討する際の参考にしてください。
《マネーフォワードAdmina》のPOINT
- エージェントレスで社内のシャドーITを簡単検知
- 監査ログ、ブラウザ拡張、会計システムからの多段検知を採用
- 90000 SaaSのDBと検知SaaSをマッチング。日本のSaaSにも多数対応
マネーフォワードi株式会社が提供する「マネーフォワードAdmina」は、シャドーITの可視化に特化したサービスです。ブラウザを活用したシャドーIT検知方法を採用しているため、導入にかかる費用や工数を大幅に削減できます。また、ライセンスの可視化や退職者アカウントの自動検知、未利用アカウントの消去など、クラウドアカウント管理の効率化に役立つ機能も搭載されています。
《Netskope CASB》のPOINT
- 高度なDLP機能で機密情報の漏洩を徹底防止!
- ATPエンジンを強化しマルウェアや高度な脅威を排除!
- 場所やデバイスにとらわれないトラフィック制御を実現!
Netskope Japan株式会社が提供する「Netskope CASB」は、クラウド環境におけるセキュリティリスクを可視化し、簡単かつ適切に管理するためのツールです。41,000を超えるクラウドサービスへのトラフィック検出が可能なため、許可していないツールを表面化し、シャドーITを防止します。また、セキュリティポリシーを設定すると、ポリシーに反するクラウド上のトラフィックをリアルタイムで検知し、自動で停止させるためコンプライアンスの徹底に役立つでしょう。
《Zscaler Data Protection》のPOINT
- 優れたデータ検出で効率的に可視化できる!
- 機密データのリスクを容易に把握することが可能!
- データを保護するための対策が強化されている!
ゼットスケーラー株式会社が提供する「Zscaler Data Protection」は、サイバー脅威対策やデータ保護ポリシーを活用して、生産性と安全性を確保するセキュリティサービスです。高度な人工知能を利用したフィッシング検出や、リスクを自動的に特定して評価するサイバーリスク評価などの機能が搭載されています。また、世界各地に拠点があるため、国内外問わずセキュリティ対策をワンストップで行えます。
以下の記事では、さまざまなCASB製品を紹介しています。機能や選定ポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
CASBの需要は今後も拡大していく
情報漏えいや不正アクセスなどを防ぐのに有効なCASBは、テレワークが普及した昨今において需要は右肩上がりとなっています。CASBの導入によって、クラウド環境を良好な状態に保ちつつ、安全にシステムを運用できるでしょう。
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