こんな方法で予測している!
まずは、需要予測システムで使用されている予測方法をご紹介します。
- ■時系列分析法
- 過去の販売実績データから平均値をとって、現在の需要予測を行います。通常1年、半年、3カ月分のデータを扱います。
- ■移動平均法
- 昨年の同時期の販売実績データと、直近のデータを平均して需要予測を行う方法です。季節的な要因を加味できます。
これらの方法に加えて、時期や天気、市場状況、競合他社の状態などを加味した上で需要予測を行います。では、自社にあった方法はどれでしょう?以下では、需要予測方法を選択する際に必要な3つのことをご紹介します。
需要予測システム導入時に必要なことは
需要予測システムを導入する際に、注意するべきことは何でしょう?
注意点1 需要予測システム導入の目的は?
何よりもまず、需要予測システムを導入する目的を明確にしましょう。最終的な目的は、「需要予測の精度向上」ではないはずです。
- 製品在庫の削減
- 部品在庫の削減
- 工場の最適な人員配置
- 年度予算の最適化
こういったことを最終目標に掲げることが、需要予測システムを選ぶ第一歩になります。
目的が明確になったら、適切な予測期間を設定することができます。目標が「在庫の削減」であれば1日から数カ月の期間で予測を行いますし、「最適な予算の策定」「最適な人員配置」であったら、数カ月から年単位の予測をしなければなりません。
注意点2 需要予測したい商品は?
次に、どの商品を予測したいかを決定しましょう。商品の生産形態によって、需要予測が適しているものとそうでないものとがあります。例えば、確定受注に対して生産や仕入れを0からスタートする商品はあまり効果的ではありません。需要予測システムが効果を発揮するのは、生産をコントロールして在庫や欠品をなるべく少なくしなければならない商品です。
例えば、需要予測に向いている商品は以下のようなものです。
- ■リードタイムが短い商品
- 生産から販売までの期間が短いと、生産スピードを一定の速さで行わないと間に合いません。しかし、需要を超えた生産をしてしまうと在庫が残ってしまいます。需要予測をリアルタイムで生産に反映させて、効率のよい商品生産を実現しましょう。
- ■単価が低い商品
- 単価が低いものは、高いものに比べてある一定数の需要が見込まれます。しかし、時期や天気など環境要因によって需要が変動します。
- ■生鮮品
- たくさん生産したにもかかわらず廃棄分が多いとただのコストになってしまいます。商品によっては、日ごとの予測が必要でしょう。
注意点3 需要が変動する時の外的要因は何か?
需要予測を行う際に、市場以外の需要変動要因を加味した分析を実施します。例えば、値引きセール、天気、景気、時期などが挙げられます。これらの外的要因を加味することで、より正確な予測結果が期待されます。
これらの外的要因は商品によって大きく異なります。また、その影響度によって加味するかしないか決まってくるので、どの要因に重みをつけるかは重要です。
まとめ
ただ需要予測システムを導入しただけでは効率的な商品生産はできません。需要予測をする目的を確認し、その目的にあったシステムを選択しましょう。目的に沿った予測方法を実施し、生産計画を改善することで初めて結果がついてきます。
製品によっては、ある特定の分析方法や商品に特化したものも存在します。自社の目的にあった需要予測システムを探してみましょう。