DX支援とは
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、ビジネスや業務にITツールの力を取り入れ、改革を起こすことを意味します。
単にITツールを利用するだけであれば、従来から行われていました。しかし、ITツールの導入自体が目的化され、成果が軽視されることもありました。これでは高いコストを支払ってITツールを取り入れた意味がありません。
そこで、ITツールの活用を具体的な成果に結びつけようという、DXの考え方が生じました。受注数の増加やコンバージョン率の向上など、具体的な数値に基づく成長を目標とします。
そして、顧客のDXを支援するのがDX支援です。顧客企業が成果を出せるよう、最適なITソリューションの選定・導入・運用などをサポートします。
DX支援のメリット
DX支援を受けるとどのようなメリットが得られるのでしょうか。
業務効率の向上
ITツールは常に進化し続けています。たとえば、従来はオンプレミスが主流だったところが現在ではクラウドが使われるようになり、機能やセキュリティも充実しています。これらを適切に活用できているかどうかによって、業務の生産性は大きく左右されるでしょう。
DX支援を受ければ、自社のITツール環境に潜む課題を発見・対処できます。自動化や連携によって効率化可能な部分を徹底的に効率化することで、人的資源活用の最適化が実現します。
ニーズに対応したビジネスモデルの創出
変化を続けているのはITツールだけではありません。ITツールの進歩に伴い、顧客の消費行動にも変化が生じています。たとえば、スマートフォンの通信は4Gから5Gへ移ろうとしています。大規模な変遷に伴ってこれまで売れていた商品やコンテンツは売れなくなり、新しいサービスに市場を明け渡すことになるでしょう。
ニーズの劇的な変化に対応するには、企業も常に先端技術を意識する必要があります。AIやIoT、ブロックチェーン、5G、ビッグデータなどを取り込み、消費者のニーズに合致したビジネスモデルを創出していかなければなりません。
そこで活用したいのがDX支援です。自社だけでは対処できない課題も、DX支援を受けながらであれば乗り越えられるかもしれません。
BCP(事業継続計画)の充実
事業はいつ危機を迎えるか分かりません。突然未知のウイルスのパンデミックが発生し、世の中が一変するという事件も実際に生じています。先の読めない世界である以上、いざというときに備えて常に十全なBCPを講じておかなければなりません。
そして、DX支援はBCPを充実させるうえでも役立ちます。ITツールを駆使して時間や場所の制約を受けない労働環境を構築しておけば、災害が生じた際の損失を最小限に抑えられます。
新型コロナウイルスの影響で、業務のIT化を急遽進めた企業も少なくありません。この流れを損なわず積極的にDXを推進することで、ビジネスの安全性を高められます。
DX支援のデメリット
DX支援にはデメリットもあります。十分に注意して導入を決断しましょう。
コストがかかってしまう
DX支援を受けると、ほとんどの場合ITツールを新たに導入することになります。そして、当然ながら新しいツールの導入には費用がかかります。初期費用とランニングコストを合算すると、大きなコストになるかもしれません。
また、新しいツールに慣れるための学習コストにも注意が必要です。使い方を学習するために社員の時間や労力が奪われれば、その分余計な人件費がかかることになります。
ただし、DXを推進しないと業務効率化のチャンスを逃すことになり、長期的に見ると企業にとって損失となります。ITツールのコストと、導入によって将来的に得られるメリットを十分に比較することが大切です。
継続して取り組まなければいけない
DXには終わりがありません。一度目標を達成しても世の中は常に変化し、さらなる適応を要求してくるからです。また、「これさえすれば成功する」といったやり方もなく、暗中模索を続けていくほかに方法はありません。
したがって、DX支援を受ける際には継続的な努力が必要になることを意識しましょう。経営層がDX活用の明確なビジョンを描くのはもちろん、推進部門を中心に全社一丸となってDXへ取り組まなければなりません。そのためには、社内でDXに対する理解を得るとともに、具体的な推進体制の構築を進めましょう。
国が主体のDX支援
DXの推進は、今や1つの企業の課題ではなく、日本全体の課題になっています。適切にDXを推進できるかどうかによって、国の生産性が大きく変わってくるからです。
そこで、現在国は積極的にDX支援を提供しています。その代表例が補助金です。以下の補助金制度が存在します。
- ・DX投資促進税制
- ・IT導入補助金
- ・事業再構築補助金
- ・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
同様に、都道府県が主体となって提供しているDX支援制度もあるため、自社で活用できるものがないか調べてみましょう。
また、経済産業省が「DX推進指標」を提供しています。これは、企業が自社のDX推進度を自己評価するための指標です。自己評価によって自社の現状を正確に把握すれば、適切なDX支援ベンダーを選定できるでしょう。
DX支援を活用して、業務効率化と生産性アップを!
DXは今後の市場変化に対応するうえで、非常に重要な鍵を握ると考えられています。旧態依然とした環境を刷新し、業務の効率化やユーザーニーズに合致したビジネスモデルの構築、BCPなどを進めなければなりません。
自社だけで取り組むのは大変ですが、国やさまざまなベンダーからDX支援が提供されています。上手に活用し、全社一丸となって変化の激しい時代を乗りこなしていきましょう。