ロードバランサが必要な理由
ロードバランサは、Webサイトへのアクセスを複数のWebサーバにバランス良く振り分け、安定したサービス提供を維持する役割を持っています。
Webサイトは、企業内のシステムと異なり、膨大な数の利用者を対象にしており、アクセスはしばしば急増することがあります。予想を大きく上回るアクセスがあると、サイトに接続しにくくなり、利用者へのサービスが低下してしまいます。
さらに過度な集中はサーバダウンを引き起こし、これが度々重なると利用者が離れてしまうことになります。利用者は24時間365日、安定したサービスの提供を期待しているのです。
このような事態を避けるために、Webサイトの増強を検討することになります。その手段の1つにWebサーバの冗長化があります。複数のWebサーバを建てて、アクセスの集中に対応する方法です。サーバを複数用意することによって、仮に1つのサーバがダウンしても生き残っているサーバでサービスを継続できます。冗長化は、アクセスの集中にもサーバダウンにも対応できるというわけです。
しかし、ここで必要になるのが、複数サーバへのアクセス分散です。サーバが複数あるからといって、URLを複数設けるのは不親切です。1つのURLで複数のサーバに均等にアクセスが分散される必要があります。 このアクセスを分散させるために用意されたのがロードバランサというわけです。
ロードバランサはいったんすべてのアクセスを受け、複数のWebサーバに分散させます。利用者からは複数のWebサーバが1つのサーバに見えます。サーバの負荷は軽減され、レスポンスの低下やサーバダウンの危険性をなくすことができるようになります。
また、ロードバランサは何らかの理由でダウンしたサーバを自動的にキャッチして、システムから切り離します。Webサイトの提供者はロードバランサからの連絡を受け、サーバを正常な状態に復帰させ、システムに組み込みます。
ロードバランサの機能とメリット
ロードバランサには次の機能が用意されています。
- ■アクセスの負荷分散
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利用者からのアクセスを複数のWebサーバに分散して振り分けます。これはロードバランサの最も基本的な機能です。急激なアクセスが発生した場合でも、レスポンス低下を防止できます。
分散の方式には以下の2つがあります。
- ・ラウンドロビン:各サーバに順番にアクセスを振り分けます。
- ・最小コネクション:処理の少ないサーバにアクセスを振り分けます。
- ■セッション維持
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利用者から送られてくる関連するアクセスを同じサーバに振り分けます。たとえば、ショッピングサイトでは、ショッピングの開始から決済まで同じサーバに接続していなければなりません。このため、同じ利用者のアクセスを同じサーバに振り分けます。
- ■故障監視
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ロードバランサはWebサーバを定期的に診断し、故障しているサーバがあれば、負荷分散の対象から切り離します。サーバに障害が発生しても、継続してサービスを提供できます。
- ■連続サービス
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サービスを停止することなく、Webサーバの増設、保守、修理を可能にします。システムの柔軟な管理保守ができるようになります。
安定したサービスを維持するため、ロードバランサを検討してみませんか?